37.魔法師第一情報部
その後の展開は、ジコクが夢の中にいるようなほどスムーズだった。
チャくんがあの魔法師たちのガイドになることになったから、もちろん決闘は続けられず、うやむやに終わった。
建物の中に入ってから、第一情報部の人はこの場所がこんなにボロボロだなんて信じられない様子で、あとで上へ正式な大規模修繕を要求すると宣言した。
彼らは職員食堂を指揮所に決めた。
隊長が部下たちをこき使い、大掃除をさせた。元々閑散として埃まみれだった職員食堂が、ぴかぴかになって生まれ変わった。腐りかけのテーブルや椅子も修理されて、使えるようになった。
ジコクとチャくんはこれだけでかなり感動したのに、隊長はまだ満足してなくて、座布団がもう少し欲しいと言い出した。
食堂中は人でいっぱいだ。みんな黒地に金縁の魔法師第一情報部制服を着て、肩に合掌した魔法之手のマークが刺繍されている。
彼らは座ったり立ったりしながら、資料を調べ、任務を割り振り、ついでに飯も食っている。
こんな賑やかな景色は、第四焼却炉じゃ何年ぶりだろう。
隊長は第四焼却炉全体のリアルタイムデータを見たいと言い出した。チャくんはそれを怪頭が担当していますって答えた。
チャくん自身、この魔脳システムの使い方はわからなくて、あのデータは出せない。
「その怪頭って人はどこにいますか?」隊長が聞いた。
チャくんは正直に答えた。「私も知りません。彼はこの施設唯一のシステムエンジニアで、駐坑に落ちてから頭がおかしくなりました。向こうから連絡してくることもありませんし、ここは広いですし、どこで寝るかもわからないんです」
「あの人、どんな顔をしていますか?」
ジコクは正直に答えた。「頭が怪しいです」
登記室の人事資料はもうめちゃくちゃだ。たとえ乱れてなくても、ジコクは怪頭の資料を見つけられる自信なんてなかった。見つかったとしても、写真は給料泥棒の責任者みたいに、今の顔と全然違うはずだ。
隊長は少し考え込み、言った。「絵を描いてみてくれませんか?」
チャくんは紙とペンを取り出した。彼が描いたものは、ウニにしか見えなかった。
ジコクが引き継ぎ、ウニの下につなぎを追加した。
「つなぎを着たウニ?」隊長は眉をひそめてその絵を見た。
「まさにそれですよ」ジコクは言った。
ディッシュアンテナ帽の印象が強すぎて、ジコクとチャくんはあの怪しい頭しか覚えてなくて、下の顔がどんなだったか、思い出せなかったんだ。
隊長は絵を脇へ放り、参考にしなかった。ジコクはそれが正しい判断だと思った。
「あの人、普段どこに出没しますか?」隊長がさらに聞いた。
「中央制御室でしょう。あそこは彼の仕事場です」チャくんは言った。
「先に警告しておきます。あそこ、怪異が出るんです。私、この前ポルターガイストに閉じ込められかけました」ジコクは言った。
「500メートル外から感じ取れました」隊長の眉間の皺は一向に解けなかった。「ここはひどく強いポルターガイスト反応があります。ノピグは現地の材料を使って破壊工作が得意です。こいつが手を加えた痕跡ではないかと心配です。何か変なところを見つけたら、すぐに私に知らせてください」
変なところなんて、どこから話せばいいかわかんねえよ!「ここのポルターガイストは普通のではありません。あいつら、思考しますし、実体化しますし、魔器を操るんです。最近、ここを鎮圧している法術を突破して、第四焼却炉をぶっ壊すと言っていました!」ジコクは言った。
「これはノピグが初めて残響意識を原始材料として使ったケースです。彼の能力はまた強化されたようです。おそらく、ポルターガイストを集めて転化させる技術をすでに持っているのでしょう。ここに溜まりすぎたポルターガイストのエネルギーを、すぐに排出しなければなりません!」隊長は結論を出した。
この結論こそ、ジコクが望んでいたものだった。
そこで魔法師部隊は第四焼却場内に散開し、位置を測定して魔法杭を打ち込み、大型法陣を構築する準備を始めた。
魔法杭でエネルギーを安定させれば、法術エネルギーを喰らう範囲内でも、これらの魔法師たちは正常に法術をかけられる。
ジコク、チャくん、隊長と二人の部下は一緒に中央制御室へ向かった。
ドアの外の廊下には、相変わらずあの繰り返し踏まれた足跡一列と、ジコクが入って飛び出したときの二列だけが残っている。
彼らは泥を乱し、中央制御室のドアを開けた。中はすべて破壊されていた。
どのスクリーンも叩き壊され、魔脳コンピュータ本体は廃鉄になり、キーボードは真っ二つに折れ、操縦桿は床に転がり、灯球すら無事なものはなかった。
真っ白な壁に、鮮やかな赤いペンキで大きく書かれた一行の文字。「魂なき者たちの自由!」
隊長は部屋の中央に歩み寄り、二つのものを拾い上げた。ウニみたいなディッシュアンテナと、ボロボロのつなぎ。それらは適当に床に投げ捨てられていた。
「全員に警戒を強化せよ。奇妙な格好はノピグのスタイルだ。あいつはとっくにここに職員として偽装して潜り込んでる可能性が高い。今、どこにでも隠れてるかもしれない!」
「貴方たちは先に外へ避難してください。ここは危険です」隊長はジコクとチャくんに言った。
そこでジコクとチャくんは退却し、正門前の禿げた芝生へ行き、魔法師部隊のテントに隠れた。
このエピソードの原文:
接下來事情發展順利到讓璽克感覺像是置身夢境。小碴要當那群法師的嚮導,當然不可能繼續決鬥,這件事就這樣不了了之。進到建築物裡以後,第一情報部的人對這個地方居然破爛到這種地步覺得非常不可思議,當場表示回去以後會向上頭要求正式的大規模維修。
他們選定員工餐廳建立指揮站。隊長奴役小弟們大掃除一番,本來冷清而且滿是灰塵的員工餐廳變得煥然一新,處於朽爛邊緣的桌椅也都修好擺出來使用。璽克和小碴對此已經非常感動,但隊長似乎還不太滿意,希望能再多幾個坐墊。
整間員工餐廳裡滿滿的都是人,都穿著黑底金邊的法師第一情報部制服,肩膀處繡有合掌的魔法之手標誌。他們或坐或站,研究資料、分派任務順便吃東西,這樣熱鬧的景色在第四焚化爐不知道多少年沒見過了。
隊長希望可以看整個第四焚化爐的即時數據,小碴告訴他那個是怪頭在處理的。小碴不會使用這裡的魔腦系統,調不出那些資料。
「那個叫怪頭的人在哪裡?」隊長問。
小碴照實回答:「我也不知道。他是這裡惟一一個系統工程師,跌進佇坑以後腦袋就怪怪的。他從來不會主動跟我聯絡。園區很大,我也不知道他都睡在哪裡。」
「他長什麼樣?」
璽克照實回答:「他頭很怪。」登記室的人事資料已經亂了。就算沒弄亂,璽克也沒把握能找到怪頭的資料。就算找到了,檔案照大概也會跟肥貓主管一樣,跟現在長相差很多。
隊長沉吟一下,說:「你們可以畫看看嗎?」
小碴拿出紙筆,他畫出來的東西只可能是一顆海膽。璽克接手,在海膽底下加了一件工作褲。
「穿著工作褲的海膽?」隊長皺眉看著那張圖。
「就是這樣沒錯。」璽克說。因為碟形天線帽給人的印象太強烈,他和小碴只記得那顆怪頭,不記得那底下的臉長什麼樣子。
隊長把圖扔到一邊,不當作參考。璽克認為那是正確決定。
「他常在哪裡出現?」隊長再問。
「主要控制室吧。那裡是他工作的地方。」小碴說。
「我先警告你們。那裡鬧鬼,我上次差點被騷靈鎖在裡頭。」璽克說。
「我在五百公尺外就感覺到了。」隊長的眉頭一直都舒展不開:「這裡有非常強烈的騷靈反應。諾皮格擅長利用當地材料製造破壞,我擔心這是他動過手腳的跡象。如果你們發現任何奇怪之處,馬上通知我。」
奇怪之處多到不知道該從何說起!璽克說:「這裡的騷靈不是普通的騷靈,他們會思考、會變成實體、會操縱魔器。他們還說他們最近會突破這裡的鎮壓法術,摧毀第四焚化爐!」
「這還是諾皮格第一次利用殘餘意識作為原始材料,他的能力又變強了。恐怕他已經擁有將騷靈聚集起來製造質變的技術。我們必須馬上疏通這裡過多的騷靈能量!」隊長做出結論。這個結論正是璽克想要的。
於是法師部隊在第四焚化爐裡散開,測量位置釘下魔法樁,準備製造大型法陣。有魔法樁穩固能量的話,即使在法術能量吞噬的範圍內,這些法師也可以正常施法。
璽克、小碴、隊長和兩個部下一起去主要控制室。門外的走廊仍然只有那一排重複踩踏的腳印,跟璽克走進去又衝出來那兩排。他們踩亂泥巴,打開主要控制室的門,裡面所有東西都被搗毀了。每面螢幕都被砸破,主機拆成一堆廢鐵,鍵盤斷成兩截,控制桿躺在地上,連燈泡都無一倖免。雪白的牆壁上用鮮紅油漆寫著一行大字:無魂者之自由!
隊長走進房間,在房間中央地板上撿起兩樣東西:形似海膽的碟形天線,還有一件破舊的工作褲。他們被人隨便扔在地上。
「通令所有人提高警覺。奇怪的打扮正是諾皮格的風格。他恐怕早就偽裝成這裡的員工混進來,現在可能躲藏在任何地方!」隊長對璽克和小碴說:「你們先去外面避難,這裡很危險。」
於是璽克和小碴撤退到門外的禿草皮上,躲在法師部隊的帳篷裡。




