0章:エピローグ
ふさぎこみたくなるほどどんよりとした曇り空の下、僕とネロはライオンのような生き物と戦っていた。奥ではニヤニヤしたブラックパンサーが見守る中、ライオンにしては多すぎる腕を振り回し向かってくる生き物から怯える女性を守っている。
なぜ僕がこんなことをしなければならないのか、すべての始まりはあの日からだった。
20XX年9月両親が実験中の不慮の事故により他界した。残された家族は僕と弟の裕翔の二人だけになった。その後、叔母に引き取られたが、彼女は仕事が忙しくほとんど弟と二人で暮らすことになった。
そんなある日、僕らは家の近くの公園でサッカーをしていた。
「友達はできたか?」
僕は弟に尋ねた。というのも叔母の家で住むことになり小学校を転校したのだ。
裕翔は言った。
「うん。できたよ。湊くんとか、愛奈ちゃんとか。」
「そうか。よかったな。」
弟はまだ小学二年生だ。
急な両親の死で気が病んでいないか心配していたのだが、その必要はなさそうだ。
そんなことを考えていると気を抜き、遠くにボールを蹴ってしまった。
裕翔は少し僕を睨みながら言った。
「も~。取りに行くの大変じゃんかー。」
「ごめんごめん。」
僕は冗談くさく謝った。
僕はその時ふと
「病んでいないなら少しくらいからかってもいいだろう。」
と思った。
そこで、裕翔がボールを取りにいき僕を見ていない隙にドーム型の遊具に隠れることにした。
「裕翔のやつ、慌てるだろうなー。」
頭の中でニヤニヤしながら隠れていたその時だった。
「バーーーーーーン!!」
大きな音が鳴り、遊具の穴から砂や砂利が風で中に押し寄せてきた。
僕は何が起こったのかわからなかった。
風が収まった後、僕は急いで遊具から出て弟を見に行った。
「裕翔ーー!」
叫びながら裕翔をさがした。
するとそこにはーーー




