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アブダクのその後

 鈴木さんに連絡をし、畠山さんへ〝有翼人達の保護に海洋国家へ幽霊船団が接近している〟という事実を伝えてもらった。

 おそらくこれで、有翼人達が居た島周囲で警戒をしているであろう自衛隊や各国の軍を撤退させる事が出来るはず。


 俺達に関しては、もう既に撤退済みだ。


「その後の海洋国家を見たいからって、監視を行うのは理解が出来なくはないけどね」

「ウチら以外は幽霊船団が近づいているなんて気がついていないから、そういった行動が出来るんじゃね?」


 確かに七海さんの言う通りかもなぁ。

 もし幽霊船団の接近に気がついているのであれば、その場に残る事がどれだけ危険なのかは想像に容易い。

 なにせ、間違いなく海洋国家と幽霊船団が激戦を繰り広げるだろうからね。そして、そんなものに巻き込まれたくなどない。

 なので接近に気がついているのであれば、既に撤退行動をしているはずなんだ。


「レーダーの反応を見るに航空機の撤退は楽だと思うのだけど、船の撤退は今を逃すと少し厳しいかもしれないわね」

「畠山さんからの連絡が上手く回っていることを祈るしかないんじゃないかなぁ……」

「……ん。自衛隊はもう撤退を開始してる」


 レーダーを見ている3人が話す内容からすると、どうやら自衛隊の艦船は既に撤退を開始したみたいだ。流石、畠山さんと言うべきだろうか。行動が早い。

 ただ、他国の船は幾つかまだ残っているようで……これは情報を信じていないのか、はたまた情報を受け取った上で態と残っているのか。果たしてどちらなのか判別に困る内容なんだけども。


「ま、情報を渡した後の行動に関しては、それぞれのお国の事情って事で」

「手が離れたものにまで責任は持てないものね」


 そうそう。情報収集の為なのか、それとも自分たちなら対処が可能だと自信に満ち溢れているのか。どちらにしても俺達には関係が無い話。


「畠山がどこかの国から文句を言われても〝伝えた情報を無視したのは~〟で通せるのかな?」

「……ん。自業自得で通せる」


 しっかりと情報を受取り、撤退している部隊が居るからね。情報を聞いていませんでしたなんて事は言えない。

 もしそのようなことを言うのであれば、どれだけ厚顔無恥なんだって話だ。




 さて、そんなこんなで俺達が去った場所についてはこれぐらいにするとして。


 俺達にとっての問題は別にある。そしてそれは、言わずもがな……。


「保護した有翼人達なんだけど。アル、居住区とかって在ったっけ?」

「一応ですが、エルフ・獣人・魔族が増えてもいいようにと整備しある場所は存在します。ですが、その場所が彼らに合うかどうか」


 あぁ、確かに合う合わないがあるか。

 基本的に、エルフは樹木が多い場所。獣人は彼らの特性次第と言った感じだけど、草木があれば許容範囲内。魔族に関しては……うん、種族が複雑すぎて彼らに関してはなんとも。ただでも、ある程度は俺達に合わせられるみたい。


 でも、有翼人ともなるとなぁ。


 おじいちゃん達が残した情報によると、有翼人達って高いところを好むみたいなんだよね。それも、だいぶ険しい感じの。

 ともなると、今ある居住区では満足が出来ないのではないだろうか。とは言え、俺達の家がある塩湖の島も違うだろうし。


「どこかの山フィールドを整備する必要があるかぁ」

「それが一番丸いかと」


 どこかのフィールドを大改造する必要があるかぁ。まぁ、普段は使っていない碑フィールドを1つ改造をしてしまえば良いんだろうけどさ。……うん、碑フィールドは無駄に多いからね。出来なくはないんだ。

 ただ、改造するにしても、やはり時間が掛かってしまうもので。


「完成するまでの間、彼らにはどこで過ごして貰おうか」

「今ある余剰分の場所を仮住居にしてしまえば良いのでは?」


 それが可能ならそれで良いんだろうけどね。ただ有翼人達の場合、長期間〝平原〟や〝草原〟などで生活をすると弱っていくみたいなんだよね。


「めっちゃ面倒な体質じゃん」

「なんでも〝高山病〟のの様なパターンが起きるみたいな? まぁ、よく分かっては居ないみたいだけど」


 おじいちゃん達の記録には、〝おそらくだが高山病の魔力バージョンだろう。おそらく高く険しい山とそうじゃない場所だと、魔力の質や濃度が違うのかもしれない〟なんて事が書かれていた。

 とはいえ、その事実は解き明かす事が出来ない。何せ〝異世界における環境〟の話だからね。


 今の地球は変化が起きている段階だからね。高低とかそんなので魔力に変化があるとかそういうのはまだ先の話だと思う。

 ぶっちゃけ、同じ高さでも住んでいる場所で既に魔力の濃度に差が多いから。


 だからさ。ぶっちゃけ、険しい山を用意しなくても良いのでは? と思わなくもないんだけど。やっぱり人って過ごし慣れたというか、見慣れた風景ってのは心を落ち着かせるものだからね。

 此方の世界に来たばかりの彼らにとって、故郷に似た風景というのはそれだけで精神を落ち着かせるに違いない。


 それに、魔力の質や濃度に関しても調整が必要だろうからね。ソレらを一気に解決するには、やはりフィールドを1つ魔改造してしまうのが良い。

 あぁ、どうせなら険しい山で育てる事が可能な異世界の食物とかって有るのかな? もしあるなら、ソレらの栽培にそのフィールドを使うと良いかもしれない。

ブックマークや評価等ありがとーヾ(*´∀`*)ノ

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[気になる点] 更新ありがとうございまず 誤字といえるかわからないのでこちらで書きます >「それが一番丸いかと」 「それが一番丸く収まるかと」か 「それが一番良いかと」でしょうか? >「なんでも〝…
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