美味しいものが増えるけど……~雪視点~
人魚は美味しい……じゃない。人魚との交流は美味しい。
錬金人魚達が自由に動けるようになる。それと、魚介類がいっぱい手に入る。だからとっても美味しい。
錬金人魚が自由になる。それは海底の調査や海中モンスターの間引きの効率化が更に進む……と、もっちーが言ってた。
「……うまうま」
「よくこの化け物貝を美味しく食べるよねぇ」
人魚が見つけてきたモンスター貝はとても美味しい。この貝は……なんだろう? オウムガイみたいな見た目? 触手がイカの足みたいで珍味。マヨネーズをつけると完璧。
ただ普通のオウムガイと違って、とても大きい。サメとかに噛みつく事が出来るほど大きい。こんなモンスターを簡単に獲ってくる人魚ばんざい。
「……カレーに入れたい」
「マジ?」
「……ん。まじまじ」
「確かにこの殻でカレーを作れそうでは有るけども……ちょっと勇気がいるわよね」
「ちょっとどころじゃないかなぁ」
見た目もかわいいのに。
かわいくて美味しいのは最強だと思う。あ、でも、かわいいイコール美味しいはちょっと違う? 食べたくないかわいいもあるから。
あと、貝以外にも面白いモンスター魚介が増えた。
ただ、皆が言うにはとても見た目がグロい。……んー、グロい? ボクにはわかんない。どう見ても美味しそうな姿なのに。
「何この進化の途中みたいな姿の生物」
「原生代にいるような見た目をしているわよね」
エビ・カニ・イカ・タコと変わらないとボクは思うけど。
ちょっと口が長かったり、なんか変に回転デモしそうな口をしていたりするだけ。それと、変な棘? みたいなのがいっぱいある感じ。
でもやっぱりボクの目には、エビとかウミウシとかと変わらないようにみえる。
皆、カニとかは無口になるほど食べるのに。なんだか変なの。
「雪は食への探求が凄まじいわね」
「もはや業のレベルじゃん」
美味しいくて食べられるなら正義なのに。
毒を持つものだって、毒を抜けるのであれば美味しいものだって多いのに。あ、でも毒持ちなんかは皆に進めることはしないけど。毒抜きを失敗してしまったら大問題だから。
「そういえば随分と前だけど、雪って毒キノコを毒抜きして食べてたよね……」
「ベニテングダケだったけか?」
「シャグマアミガサタケだったわよ。あの脳みそみたいなシワシワのやつね」
見た目は癖が強いけど味は癖がなくて美味しいのに。皆からはすごく距離を置かれた記憶がある。
でも、虫もダメっていうぐらいだから……仕方がない? うーん、美味しい物を味わえないのはもったいないのに。
「あと、ベニテングダケも美味しい」
「やっぱり食べたことがあるんじゃん」
「なんでアレを食べようと思えるのか不思議だよ……」
毒はうまく処理をすると美味しい物が多い。うんでもやっぱり毒だからおすすめはしない。でも勿体ないと思う。
「……フグの卵巣とかはありがたがって食べるのに。それにこんにゃくも毒なのに」
「確かにそれらも毒抜きをしたものよね……」
「こんにゃく芋も毒なのは事実なのだけど」
知らないからなのか、安全だと理解しているからか、こんにゃくが元々毒持ちだなんてのは問題しなんてされない。だけど毒キノコは……というのは、余りにも毒のイメージが強いのだと思う。
「……見た目も毒抜きした物も、食べてみないことには分からない」
「冒険心というか勇気というか、やはり雪は勇者過ぎると思うわね」
「とても私には出来ないじゃん」
これからもっともっと美味しいモンスター食が増えると思う。だと言うのに、引け腰ではとても損をしていると思うのは……やっぱりボクだけなのかなぁ。
味や毒なんて、ある程度は鑑定系のスキルでなんとかなるのに。
ブックマークや評価等ありがとーヾ(*´∀`*)ノ
食べ物に関しては、しっかりとした知識が大切です。にわか知識で手を出すのは止めましょう(´・ω・`)




