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ヒーロー君ががんばってきたそうです

 畠山さんと自衛隊の協力を得て、ヒーロー君はこっそりと日本国内にあるダンジョンの幾つかへと足を運んだ。

 アタックしたダンジョンは、全てが危険地帯にあると言ってもいい場所。そして、ヒーロースーツのコアである錬金人形からデータを収拾。纏めたデータを自衛隊の特殊部隊員へと送る。

 これによりヒーロー君がアタックしたダンジョンは、今後自衛隊の人達が間引きに向かうことが可能となった。


「おつかれさま」

「あんまし疲れてないけどな! ま、でも久しぶりの故郷の空気は……不味かったなぁ」


 遠い目をするヒーロー君。でもまぁ、彼の気持ちは分からなくもない。

 この島で生活していると、どうしても人の生活臭が違いすぎるからね。車や工場、沢山の人が纏う様々な体臭や香水にゴミなどの質も違う。そもそも、島では獣人が居るからね……香水も匂いがキツイ物ってのはタブーなんだ。柔らかく、そしてさりげない香りがベスト。ぶっちゃけ、石鹸の匂いで十分では? と口にする人が多いぐらい。


「てか、人が多い! 以前は平気だったけど、マジで酔うかと思った」


 どうやら人に中ったらしい。うん……そう言えば学校に居る頃だけど、俺もよく頭痛や吐き気が込み上げてきていたなぁ。今は全く無いけど。


「関わる人数や距離感が変わったからか? 体質が変わっちまったよ……」

「島の空気も違うからねぇ。自然が多い場所だしね……と、自然と言って良いのかな?」

「良いんじゃね。ただ、その自然の中にはモンスターとかも含まれるけどな。あー……しっかし、本当に島の空気や水は美味い」


 多分だけど、魔力的な要素も含まれているかもしれないね。何せ島の空気も水も本土と違って魔力を含んでいる量は桁違いだし。だから、もしかしたら魔力不足に陥っていた可能性もあるかも?


「次から本土へと行く時は魔力の回復ポーションを持っていくといいよ」

「ソレで良くなると良いけどな。っと、ついでに強めの酔止めポーションもよろ」

「仕方ないなぁ、のb……じゃなくてヒーロー君は」

「……おい。って、それだとお前は青d」

「この話題は止めておこう」


 まったく……俺は俺自身で道具を作っているからね。だからその青いのとは全く違うから。


「それで話をもとに戻すけどさ。一応、情報を纏めているからデータとしては知ってはいるんだけど。本土のダンジョンってどうだった?」

「それかぁ……正直、海底のダンジョンと同じで初見殺しが多いって印象だな。後は出てくるモンスターに関してだけど、現状だと井戸のダンジョンに比べたらヌルい。いや、実際にはストーンサークルよりちょっと下って感じか? まぁ、ダンジョンのメインがどうもモンスターじゃなくてトラップっぽいんだよな」

「インディー的な?」

「そそ、巨大な大岩が転がってきたり的な。ただ、現状はって感じだな。今後、異世界との融合が進んだ後にどうなるのかが問題だろうなぁ」


 あー……なるほど。異世界との融合が進んでいないから、モンスターとしては質が低いモノしかまだ居ないって可能性を考えているのか。うん、確かにその可能性はありそうだ。

 となると、その可能性についても畠山さんへリークしておいたほうが良さそうかな。


「後はアレだな。数カ所やっぱり問題と思われるダンジョンがあるって事が気になるかな」

「あー……火口に入り口があるやつ」

「そそ。阿蘇山・硫黄島・御嶽山・三宅島……と、他にも在るけど、それらがちょっとなぁ。ちょっと入り口を弄るとか出来ないのか?」


 溶岩がダンジョン内に流れ込まないようにする……うーん、かなり難しいと思うんだけど。


 今ある入口の周囲を封鎖して、山の麓とかから長いトンネルを作って入り口に向かうようにするとか? そうすれば、ダンジョン内に溶岩が入り込むような事は無く、ダンジョンの間引きも行える……が、問題はどうやってトンネルを掘るのかとか、本当に溶岩が入り込まないのか? とか、トンネルが崩壊しないのかって問題もあるワケで。


「これが島のシステム内に在る場所であれば、ダンジョンの入り口にゲートを作ればいいだけなんだけど」

「難しいかぁ……てか、システム外でもゲートが使えるようにしたら良いんじゃね?」


 ……一方通行なら可能だけどね。それも使い捨てで。てか、それってヒーロー君達が一度本土へと戻った時に渡したアイテムだしね。

 ただ、それはあくまで〝島への一方通行〟かつ〝登録したユーザーと認めた者達限定〟な上で〝消耗品であること〟だから出来たんだよね。

 なので、誰でも何度でも使えるゲートを島及び離島外で使えるようにするというのは難易度が高すぎるオーダーになる。


 ただ、在ったほうが便利なのは便利だろうなぁ。それこそ、そのような危険地帯と自衛隊の基地内にゲートを作って行き来する事が出来るようになれば……ね。


「ゲートの研究か……あんまし完成する期待は薄いけどやってみるか」

「モンスターが溢れ出る状況にならないようにする事を考えるならやったほうが良いと思うぞ」


 だよねぇ。となると、この研究には……そうだ! システムさんを巻き込むのが良いかも? そもそも、島の機能はシステムさんが管理しているから、ゲートの事も詳しいだろうしね。

 そうと決まれば、さっそくシステムさんへと質問を飛ばしておくとしよう。

ブックマークや評価等ありがとーヾ(*´∀`*)ノ

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― 新着の感想 ―
[一言] ブラスミ君とタッグ組んだら青狸の道具だいたい再現できそう(小並感) 今後裏チャットでこっそり呼ばれてたりしてそう(笑)
[良い点] 「……おい。って、それだとお前は青d」 → どちらかと言うとキテレt…
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