ステータスが偉いことになっている
レベルの上限を突破した俺達にとっては、もはやレベルというのは基礎的な身体能力の向上ぐらいしか意味が無い。
というのも、もはやスキルポイントがいくら増えようとも振ることが出来るスキルが無いからだ。そしてまた、ここで新スキルを手に入れたとしても、必要になるポイントなど一気に振ってしまえるだけのポイントが既に蓄えられている。
それに、手に入れたとしても、それはジョブに絡んでいないスキルだからね。上位のスキルに変化する事が無いので、消費するポイントなど高が知れている。
更にポイントを使わなくなった理由があるんだけど……それはステータスをチェックすれば分かる話で。
ともあれ、今の俺達はかなりレベルが上がってる。
「ソレぐらい井戸のダンジョンでレベリングをやったって事なんだけど」
そんな訳で、なんだかとっても久しぶりなステータスチェックのお時間。
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ステータスだよ!
ジョブ
幻想級アルケミスト:Lv202
スキル
鑑定(中級・カンスト)
陣魔法(全属性・カンスト)
投擲(初級・カンスト)
彫金(初級・カンスト)
トランセンデントスキル
錬金術(幻想級)
ユニークスキル
反転・バサーク(カンスト)
精神体顕現・劣 (カンスト)
レベル上限突破
スキル上限突破
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お分かり頂けただろうか? そう、ジョブとスキルが〝幻想級〟となった。そしてその切っ掛けはレベルが200になった時。
しかも、幻想級になった事でスキルレベルが廃止された上に、トランセンデントスキルとやらになってしまった。
トランセンデントスキルとは何ぞや? と思って調べてみた。そしたら、どうやら超越技能って事で良いみたいなんだけど……。
「システムさんが言うには〝人から外れた〟って事でもあるみたいなんだよね」
伝説級までは人の枠組み内らしい。……普通は200レベルまで上げる奇人は居ないのだとか。いやまぁ、そもそも上限突破をする人が先ず居ないだろうしね。
ともあれ、これに関して言えば別に俺だけが至った訳では無い。勿論、俺とPTを組んでる女子達もまた同じようにスキルが変化している。
また、ブラスミさん達も恐らくカウントダウンの状態のはず。彼らも偶に井戸のダンジョンに籠もっているからね。
だから、別に俺は人を辞めてはいない。ちょっと能力が人から少しだけはみ出ちゃっただけで。
さて、そんな人からちょっとはみ出る上限突破の入手方法なんだけども、これは島のラスボスを討伐した事で手に入れた。では、今は手に入れる術が無いのではないだろうか。
そう思って調べてみたら……どうやらしっかりと入手手段はあるらしい。
――レベルをカンストした状態で井戸のダンジョンに出てくる強敵を倒す。
どうやらこの方法で上限突破系のユニークスキルを入手することが出来る。ただまぁ、普通に狩りをしていただけではレベルをカンストするのも難しいんだけどね。
でも島であれば話は別。最終フィールドに出てくる虹スライムやゴーレムを狩っていれば、カンストする事は割りと簡単だ。ただ、その後に挑戦する井戸のダンジョンのモンスターを倒すってのが難しいんだけどね。
「これは今ヒーロー君達が挑んでいるみたいだけど、討伐が中々できないみたい」
「どうしても最初は大変よね。上限突破したスキルを手にしてもいないのに、レベルがカンストを超えているモンスターを倒せって話になるもの」
その点で言えば俺達はある意味ラッキーだったかもしれない。島のラスボスを倒した時点でスキルを入手出来たわけだからね。……まぁ、あの戦いが楽だったかと言われたらNoではあるけど。
しかし、こうして改めてステータスを見てみると……本当に育ったなぁと思う。
ただ、これでも上手く生産が出来ない物もあると考えると、やはり更に上の〝神級〟もしくは〝神話級〟があるのでは? と思えてならない。ヒヒイロカネとかオリハルコンとか、量も質も安定しているって訳じゃないからね。
やはりこの手の鉱石等は人ならざる物によって生まれた鉱石という事で良いのだろう。うん、認めたくないけど、スキルは〝人から外れた〟なんて意味を持つ超越スキルらしいから。
ともあれ、今後も上限突破をし、スキルを超越化する人が現れる……よね? 流石に其処までは上げないよって言う人も沢山居そうだけど、せめてヒーロー君達ぐらいまでは超越化して欲しいなぁ。
それにほら、とっても効率の良いレベリングを確立した訳だしね? 案外、沢山の人ががっつりとレベリングしてくれるかもしれない。
そうして、沢山の超越者を排出すれば……それはもう、人から外れてはいないという事ではないだろうか? 超越者もまた人という方程式が成り立つはず。うん、だから島ではスキルの超越化をスタンダートにしてしまおう! そう、法として設定してしまっても良いと思うんだ。
「流石にそれはやり過ぎなのでは?」
「あ、でも農家の超越化とかは見てみたいかも」
恐らく異世界では、戦闘職でしかスキルを超越化なんてしていなかったはず。ソレをだよ? 生産職とかで至ったら、きっと面白い物が沢山作れるんじゃないかな。
料理人とか裁縫師とか建築家とかさ、どんなスキルに化けるか気になるしね。……まぁ、その為にレベルをカンストさせて、井戸のモンスターに挑まないといけない訳だけど、そこはもう手厚いサポートをしっかりと行えば可能性はあると思うんだ。
「強化外骨格を更に強化するとか」
「ヒーローくんが今、その性能をしっかりと試してくれているものね」
そうそう。彼の戦闘データを反映してさらなるアップグレードを繰り返せば、きっと生産職だけでも井戸のダンジョンに挑戦する事が可能になるはず。いや、なるようにするのが俺やブラスミさんの目標だね。
そしてそのためには、俺やブラスミさんが超越スキルをフルで稼働していかなくてはならない。うん、人から外れたなんて言われて嘆いている暇は無いって事だ。
そんな感じに次の目標をしっかりと立て、さぁ頑張るぞ! と意気込んだんだけど……。
「うわっと……」
「ふぎゃぁ……」
どういう訳か、俺はもふもふとした者に思いっきり体当たりをされた。……いやまぁ、レベル差で全く俺にはダメージが無いし、なんなら相手がその衝撃で目を回しているんだけど。
はて、一体これはどういう事なのだろう? 俺は決して獣人に恨みなんてかっていないはずなんだけどなぁ。
とりあえず、この目を回している子の意識が覚醒するのを待つとしようか。
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