アイテムチェストはチートです
ボックスフィッシュの箱と木材を使い、さくっと錬金術を使う。
いつもの様な発光に襲われた後、錬金台の上にはソコソコ大きいアイテムボックスが出現した。
念のために鑑定をアイテムボックスへと掛けておく。
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アイテムチェスト(低品質)
物が保存出来るよ!! 入れる事が出来る量なんだけど……なんと! 低品質だから10×2で各99個!
わーい、沢山の物が入れられるね!! え? 足らない? ならレベル上げて品質をアップしてよね(・´з`・)
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システムさんがシステムさんだ……っと、この説明文からすると、恐らく10×2ってのはゲーム的にいう横に10列で縦が2列なんだと思う。そして、同じものなら99個入るって事かな。
となると、全部で20種類のモノが各自99個になるのか。確かに多い様で少ないような……まぁ、このサイズのアイテムチェストってのを考えると、かなりの量が入ると言うのは間違いないけど。
ただ……素材を20種類厳選しなくてはいけないと言う事になる。
「食料に水筒は必須かな……あと、後々使うだろう物だと」
タケノコ・芋各種は必要。塩も間違いなく持って行かないと不味いだろうね。
となると……イノシシの燻製肉・水筒・タケノコ・ジャガイモ・サツマイモ・ナガイモ・サトイモっと、これで7枠が埋まってしまうか。コンニャクイモに関しては残念だけど、処理の面倒臭さなどがあるから生産用にもっていく事は止めておこう。
「後は、万能建材である竹と石か。魚もあるけど、こっちは燻製にした分が少ないから直接持って行っても良いかな」
後は錬金素材。カエンタケ・ボムベリー・ムクロジに毒草などなど。道すがら手に入れる事も出来るだろうけど、行った先に無いなんて事もあるから、絶対に必要になりそうなボムベリー等は持っていくべきかな。後はココヤシか。
「あはは……本当にアイテムチェストが出来て良かったね。とりあえず私達は、周囲から竹とかを取ってきてどんどん入れちゃうね」
「あー……出来るだけ99個になるようお願い」
「……かしこまり」
言葉は交わせるようになったけど、やっぱり目を見て話すのはきついかな。ついつい違う方向へと目が泳ぐ。
それと、女子に指摘されたけど「喋り方が堅い」そうだ。……うんまぁ、余り人と会話なんてしないから仕方がない。その内慣れるのかな?
と、それは今は良いとして。
アイテム99個となっているけど、サイズとかどんなものなのだろう? だって、石とかサイズが全く違うんだよ? それなのに99個固定になるとか……一体どういったシステムになっているんだろう。
もし、小石を99個入れても、拳大やらもっと大きい石を99個入れても同じであるなら……後者の方が得だよね。なんなら、岩クラスのを入れる事が出来るならそうした方が良い。
99個なのか、もしくは、基準となる何かによる99個分の重さなのか……鑑定のシステムさん、もっと情報を詳しくしてください。
「まぁ、とりあえず資材置き場に今まで溜め込んだ分が有って本当に良かったかな。今から集めるとなると大変だったし……あ、そう言えば折角作った雨の収集装置が無駄になったなぁ」
とりあえず、今はアイテムチェストに入れる分以外にも、持っていくモノを運びやすい様にしないと。女子が背負う鞄とか、アイテムチェストを背負う為の背負子を作っておかないとだな。……あと、99個分の水筒。
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拠点を移す準備が終わったら、今度は目隠しと耳栓をして手足を縛っていた捕虜の解放。
「これが解毒剤だから、これを持って自分の拠点へと戻ってね。後、解毒剤が効いて動けるようになるまでは時間が掛かるから」
女子がすっかりと大人しくなった男子生徒に対して、解毒剤の説明をしている。当然、この時に何があっても良い様にと、この男子に向かって石槍を突きつけ、弓矢で狙っている。
「あ、あぁ。分かってる、分かってるから……そう攻撃的に……」
「自分達のした事やしようとした事を忘れたの? 良いからさっさとソレを持って去ってくれないかな」
シッシと追い払う様に、男子生徒へ槍で挑発する。
相手も相手で武器など持っていない。それに、大切な解毒剤を手にしている。なので、彼は荒事にならない様注意しながら、ゆっくりと後方へと下がり……一定の距離が出来ると、一目散と言った感じで走り去って行った。
「でもよかったの? 解毒剤なんて渡して」
「相手を俺の手で殺すつもりはなかったから」
「確かに、自分達の手でやったとなると気分は良くないわよね」
「……ぬるい気もするけど」
これは彼女達に言うつもりはない事だけど、俺はもしかしたらと思っている事が有る。
それと言うのも、彼等がやった事やあの時に先生が言っていた「女子が減った」と言うワードから、もしかしたら不満を抱えている者が居るのでは? と思っている。
女子が減ったとなれば、女子一人に対する負担も増えるだろうし、男子は男子で今まであった物が無くなったと我慢を強いられる事になる。……どっちが先か分からないけど、既に導火線へ火が付きそうな状態だったのでは? と。
そして今回の事で、もしかしたらその火がついてしまった可能性が高い。
なにせ、主導者として君臨していた先生が毒で倒れた。そして、それに1番手や2番手で近かった者も同時に。内部で反乱を起こすには一番いいタイミングだと思うんだよね。
だから、男子か女子の誰かが、彼に渡した解毒剤を奪い、解毒剤を使えなくするなんて事もあるんじゃないかな? いや、下手をしたらもっと直接的に……。
とは言えこれは予想の範囲。実はもっと固い結束で結ばれていて、俺達へと報復に来る可能性だって無い訳じゃない。
なので、良い意味でも悪い意味でも……いや、どっちにしても悪い意味な気はするけど、彼女達にその事を伝える必要は無いと思う。下手に伝えて、なら此処でも安全では? なんて楽観視されても困るからな。
生き残るためにも常に最悪な状況は想定しておかないと。そして、この場合の最悪は〝雨季〟と同時に〝奴等が結束して報復に来る〟と言う事かな。
「さてと、荷物はどう? 纏める事は出来たかな」
「……ばっちり」
「このリュックも良い感じだよ! こう、背負っているって感じが少ないから動きやすい」
「重さも入っている分を考えると軽く感じるわよね。これなら疲労も少ないと思うわよ」
各々渡されたリュックを背負って、動きに問題が無いかなどを試してもらったけど、皆からは良い反応が返ってきた。……でもそれ、低品質なんだけどね? もし品質が上がったら一体どれだけ良い物になるのだろう。
「それにしても、時間があったら靴も作りたかった」
「あー……そうだね。学校指定の靴だから、こういう場所って歩きにくいよね」
「次の拠点を決めたら、靴も手掛けないとな」
ここ数日、森などの地面が悪い場所を歩いている為か、靴もそろそろダメになりそうな気配がする。
そして、こんな環境を歩くとなれば靴は重要な物だ。……素足で歩こうものなら、直ぐに怪我をして歩けなくなるからね。
ただ、もし靴がダメになったらなったで、素材として使えるかもしれない。
特に靴底などは、素材的に錬金術で作れるかと言われたら微妙だから。もし、何も無しに靴を作ろうと思ったら、木か皮で底を作る事になっていたと思う。
なのでリサイクルが出来るのならリサイクルするべきだ。……寧ろ、木や皮でつくるよりも、そっちの方が性能は良さそうだし。
「さて、逃げて行った方向が海の左側みたいだから、反対側の森を突き進むのが良いかな」
新天地を目指して移動を開始しよう。マップアプリがあるから大抵の問題は何とかなる……と思っている。
ブックマークに評価などなど、ありがとうございます!(゜∀゜)
魔法やら異世界モノの三大チートは、インベントリ(アイテムボックス)・鑑定・自動翻訳ではないでしょうか。
そして景はその内の2つをゲットしました。まぁ、アイテムボックスに関しては道具なのですけど。
自動翻訳に関しては……まぁ、この地だと必要が無いですからね。って事で、三大チートが揃ったと言っても過言ではないでしょう!!(過言です)




