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動いて欲しい所は動かないのに、違う場所は動きまくるってどういう事さ

「まったく……そんな事で文句を言っているの? そもそも、君が「こっちの世界は物事を決めるのが遅すぎる」と言ったからじゃない。それに「どんな融合の形になるか分からないから、なるべく早く向こうの世界の力をこちらの世界に理解させる必要がある」とも言っていたわよね?」


 確かにそう愚痴った。そもそも、時間的猶予が有るかどうかすら分からない。何せ目の前のシステムさんが「明日かも知れないし100年以上後かもしれない」なんて曖昧なタイムリミットを提示した。

 そうである以上、明日……の場合はどう足掻いてもどうしようもないから考慮しない事として、それこそ1年や10年後の事を考えるべきだと思った。そして、そう動くようにと俺や鈴木さん達で話し合いをした。


 しかし、鈴木さん達が戻ってから約3ヶ月。思った以上に国側が動かない。


 分かっては居たことだ。柵、足の引っ張り合い、利権争いと、人の業であるソレらがジャマになり時間が掛かるということぐらいは。

 でもそれは予想以上に厚い壁のようで……未だに鈴木さんは帰還した時と殆ど変わらない話をしているらしい。


 そりゃ、そんな話を鈴木さんから聞いたら愚痴りたくもなるよ。そして、その上で裏では面倒な事が動いているらしいからね。


「だから・ワタシが・時計の針を進める為にも・1匹のウミヘビを解き放ったってわ・け(^_-)-☆」


 イラッ。


 いや、言いたいことは理解出来る。この現代社会で過ごしてきた俺ですら遅いと感じるんだ。異世界側の国事情などを知っているだろうシステムさんからしてみれば、それはもうイライラとするレベルなんだろうね。

 だが、こちらにはこちらのペースがあるし、突然モンスターを解き放つとか……それはパニックを起こして収拾がつかない状態になりかねない。


「あっちはモンスターの事件なんて日常茶飯事なの。即断即決が出来ない国なんて滅びるだけよ┐(´д`)┌ヤレヤレ」

「そうなんだろうね。でもこっちの国は何より〝人の声〟を大切にするんだよ。そしてソレを無視なんて出来ないんだ」

「あーあー……そういうの? あれよね。確か衆愚政治って言うのよね(´・ω・`) あちらの世界にもあったわね。あーでもないこーでもないと御託を並べている間に、村という村が全てモンスターの腹の中。それで結局残ったの都のみ。結果、その国はモンスターに都を囲まれ夜も眠れない日々な状態。更には食料の生産性が無くなってしまい、モンスターに食われるか飢え死んでしまうなんて末路だったわよ( ´Д`)=3」


 あー……何とも言えない話だ。


 しかし政治体制なんて、それに携わっている訳じゃないからね。はっきり言って理解出来る部分が少ない。よく政治に興味を! なんてテレビとかで言っているけどさ。正直、御高説を垂れ流す彼らの政治って政治じゃないよね? と言いたい。

 だって、政治って内政・外交・軍事が基本でしょ? その為に必要な事なんて全く言わないのに「やれ汚職が」だの「選挙が」だのとしか言わないもん。……そりゃ、興味も失せるって話じゃないかなぁ。

 それで、その程度の感覚しか持ち合わせていない俺が感じている政治体制なんて、絶対(ハイリスク・)君主制(ハイリターン)もしくは民主(ローリスク・)主義(ローリターン)のどちらかじゃない? と思う程度なんだけど。まぁ、他にも有るけどさ。それは割愛。だって余りそういうのは調べてないから理解し難いし。


 システムさんの言いようからして、異世界側だとローリスク・ローリターンな政治体制は不味いんだろうね。だからこうして、さっさと国を動かす為にもシーサーペントを外に出した……と。



 だけどソレは先程言ったようにパニックになって収拾がつかなくなるから、現状だと悪手でしか無いよ……。


「魔法とモンスターの存在を認識しているのは現状だと日本だけ。他国にはその情報すら入っていない。いや、もしかしたら幾つかの国にはリークされているかもしれないけどね? でも知らない国のほうが多いハズなんだ。だというのに、そんなモンスターを解き放ったら」

「大いに焦ればいいと思うわよ? 人間、こういう時にこそ本性が現れるモノでしょう(・∀・)? ここでリーダーシップを取れるかどうか。それで国を運営する器かどうかが試されるわ。そして、ワタシ達が信用していいかどうかも……ね(*´ω`*)」


 もどかしいんだろうなぁ。システムさん的には。



 そんな話をしていると、リンクから更にため息を吐きたくなるような話があったのを思い出したので、システムさんにその内容を伝える事にした。


「そうだ……そういえば、なんか冬川さんが襲われそうになったみたい」

「ノロマの癖に陰謀だけはいっちょ前なのかしら(´・ω・`)?」

「ま、迎撃したから問題無いようだけどね。でもなぁ……予想通りの状況なんだけど、実際に起こると気持ちの良いものじゃないよね。それに、今回は冬川さんだったから良かったけど、これが無力である皆の家族がターゲットだったらと思うと」

「でも、そんな彼らが狙われるのも想定内なんでしょう(・∀・)?」


 想定内。確かにそうなんだけど、こういった予想は外れてくれた方が良いんだよ。……外れなかったみたいだけどさ。


「とりあえず報復はどうするか? だけど、これは鈴木さんに話を振っておくとしよう。冬川さん達とは別の話……そうだね、皆の避難をどうするかって話とかをしておこう」

「やれやれ。何とも甘い話を……さっさと皆をこっちに呼び戻してしまえば良いじゃない(ー_ー)」


 そう簡単に行かないのが人なんだよ。

 3ヶ月も経っているのに、未だに説得が終わってない人達もそこそこ居るみたいだからね。そして、政治な話の時にも言ったけど、こっちの世界では〝個人〟の権利やら人格などが保証されているからね。問答無用ってのは難しいんだよ。


「後々の事を考えればどうするべきかは一目瞭然なのに……ややこしい世界ね( ´Д`)=3」

「最後に破滅をするとしても、少数を切れないのが現状のこの世界なんだよ」


 全部が全部とは言わない。ただ、表向きは最低でもそういうスタンスを取る必要がある。そして、表向きの行動がジャマをして大胆に行動できないことが多いなんてのは結構多い。


 皆怖いんだよ……そんな枠から外れた行動をして、吊し上げにされるのが。


「相互監視社会なのかしら。もしそうなら、それはそれでとても怖いわ(;゜Д゜)」

「ある意味そうかもしれないね。人の目があるからこそ悪さをしないし出来ない。人の目があるからこそ善行をしようとする……うん、そういう人も沢山居るんじゃないかな」


 人に良く見られたい。承認欲求が強い。だからこそ、良い人アピールをする。それは決して悪いことではない。ないのだけども、度が過ぎるとねぇ。


「絶対正義マンタイプっていう面倒な存在が現れるんだよなぁ」

「そしてそういうのに目を付けられ、小を切るのが難しいという事かしら(´・ω・`)?」

「だいたいそんな感じ」


 人権屋な弁護士とか、虐めは虐められている方にも問題が有るをメインで言っちゃう人とか。自分の正義が絶対に正しいを押し通そうとする人達。


「そして既に、戻ったクラスメイト達はそんな人からターゲットにされていたりする。そんな状態で、強引に島へと帰還をしたら……荒れるだろうなぁ。個人的には別に荒れても良いんだけどね? でも、戻って来たクラスメイト達に対して親身になってくれた人達や、いま鈴木さんと胃にダメージを負いながら話し合いをしている畠山さん? だっけ? 彼らの事を思うとね」


 荒らすだけ荒らすのは不味いだろうって話でもある。いやもう既に荒れに荒れまくってるけどさ。


「やっぱり民は生かさず殺さずが正解じゃないかしら(´・ω・`)」

「そんな事をこっちの世界でやったら、一夜の内に言った人の居場所が無くなるよ」


 はぁ……本当にこっちの世界と異世界の常識が違い過ぎるなぁ。


 それにしても、本当にこの状況でリーダーシップを取れる人ってどれだけ居るんだろうね? 案外、突然と麒麟児的な人が現れたりして。てか、寧ろそっちの方が話が進むかも? まぁ、期待せずに見守るとしよう。




 あ、俺の仲間に手を出そうとした人には錬金虫でもプレゼントしようかな? そっちの量産は既に可能だからね。

 こう、眠っている間にプスッと1発打ち込むだけだしね。それにあくまで〝虫〟がやった事だから……何の問題も無いよ?

ブックマークに評価ありがとうございます!ヾ(*´∀`*)ノ

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ウヘア。顔文字だらけで結局横書きでも読み直し・・・
[良い点] いつも楽しく読ませていただいています! [気になる点] 前話で冬川さんが襲われた話の後半でシーサーペントが出たって話があり、システムさんに聞いてみる。って流れでしたが、 今話では、システム…
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