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鑑定地獄

 鑑定鑑定また鑑定。俺は今、集めた植物を鑑定しまくっている。

 女子達が集めて来た植物なんだけど、その大半がかなりやばい物だったりする。


 で、その鑑定結果だけど。


――――――――――――――――――

 芋っぽいなにか(普通)


 毒だよ! なんでこんなの拾って来たの? 絶対に食べない様に!! あ、でも悪戯には使えるかも? この毒で中毒死する事は……たぶんないはず。

 見た目が里芋っぽいから注意が必要かな。

――――――――――――――――――


 いやいや、悪戯でも使わないからな。てか、そんな相手も居ないから。

 ただ、これは序章に過ぎなかったりする。というのも鑑定した植物の結果が毒・毒・毒と、なんでこうも食べる事が出来ない物ばかりなんだ。

 てか、動物はこんな毒を食べているのか? いやいや、流石に其れは無いだろう。それに、まだ鑑定していないモノも有るのでここで諦めるのは早い。


――――――――――――――――――

 トリカブトぽい草(普通)


 有名な毒草。だめだよ? 使ったらだめだからね? これはフリじゃないから。

――――――――――――――――――


 あー……うん。まぁあるよね。

 てか、本当に使い道ってなにも無いだろうこんなの。……いや、モンスターを相手にする時に使えるのかな? 毒矢でも作って狙撃でもしたら? 試してみるのも良さそうかも。


 しかし、女子……一体どんな採取をして来たんだ。てか、手をとか大丈夫なのかな? 素手で植物を触ったりしているのだろうか。

 ポーションでも作っておくべきだろうか? いや、ここはポーションを混ぜ込んだハンドクリームや石鹸を……って、ハンドクリームとかどうやって作るんだろう。



 まてまて! 何を考えているのやら。

 別に其処は俺が気に掛ける事ではない。何かあればリンクから話を振ってくれるだろう。例えば「ポーションをください」とか。

 それにポーションのストックは残っている。というよりも、作るだけで使ってない。何せ怪我をする事が殆どない。

 レベルアップで身体能力が強化されたからか、体の耐久性も上がっているのかもしれない。草で指を切ったりとか、枝が刺さったりとかりしても枝が折れるだけ。本当にレベルアップの恩恵は大きいと言う事なんだと思う。


「さて鑑定鑑定っと」


――――――――――――――――――

 ジャガっぽい芋(低品質)


 食べる事が出来る芋。ただ芽が出かかっている為、処理を気を付けないと毒になっている部分があるかも!

 しっかりと処理するように。ぶっちゃけジャガイモと違いは殆どないよ♪

――――――――――――――――――


 来た! 来た!! キターーーーーーーーー!!


 ジャガイモ! 別名・馬鈴薯!! そして救荒作物と呼ばれるものの一つ! これで食料事情が改善される!!

 ただ、これを増やそうと思ったら気を付けないと、確かイノシシってイモ好きだったような? 育てる場所も考えないといけないのかな。

 とりあえず、柵でどうにかなるのだろうか? イノシシが相手だと、柵ぐらい突き破って来る気がするんだけど。


「おっと、そうそう。鑑定結果も知らせないと……えっと「鑑定品の一つがジャガイモだったよ」っと、これでいいか」


 スマホを取り出しリンクを立ち上げて、女子達へ連絡を送る。すると直ぐに「ピコン♪」と着信音が鳴った。


『ジャガイモ! 育てますか? 食べますか?』

『食べるなら揚げたい! バターが無いから焼くよりも揚げて塩で』

『(良いね! と、ウサギがサムズアップしているスタンプ)』


 おー……皆盛り上がってる。

 てか、女子も芋は育てるという考えが先に出るんだな。とは言え、食べたいという気持ちは抑えきれないらしい。

 どんな調理方法をするかという話題でリンクのログが流れる流れる……ってか、それ、リンクじゃなくて直接会話したら良いんじゃね? 別に俺に伝える様な話でも無い訳だし。


「あ、もしかしてバラバラで行動しているのかもなぁ」


 採取や釣りや狩りなどなど、やるべき事は一杯ある。まぁ、狩り自体は燻製肉が一杯あるのでレベリングメインだったりするけど。

 だからだろうか? 今リンク上はお芋祭りである。……うん、通知音は一旦切っておくか。まだ鑑定するべき物も残っているし。


「さてさて、芋以外にも何か色々あるけど……これは大丈夫なのか?」


 今の所はジャガイモ以外全て毒祭りだから。

 ある意味女子達って凄い引きだよね……此処まで食べる事が出来ない物ばかりを引き当てるんだから。とりあえず、有効活用できるか色々と考えてみるけど。

 毒を利用して、解毒ポーションとか薬なんて作れたりしないかな? 錬金術で何とかして作れそうな気もするけど。


「あ、でも植物によってはあく抜きだっけ? アレをやったら食べられるんじゃなかったっけか」


 たしか……有名どころだとヒガンバナ辺りだっけ。ヒガンバナも救荒作物にかつて指定されていたとか。

 ヒガンバナって毒持ちなんだけどなぁ。飢えをしのぐ為とはいえ、人の食に対する追求は恐ろしいものを感じる。

 とは言え、そんな先人の知識は素晴らしい武器。しかも、俺には錬金術というチート技術がある。


 さて、そんな二つを組み合わせればどういう事になるだろうか。


「さぁ、植物からどんどん毒を抜いてみるとどうなるだろうか」


 ああ駄目だ。鑑定をしないといけないのに、毒を抜いたらどうなるかが気になって仕方がない。

 うずうずする! あぁ、試してみたい。果たして、食べる事が出来るようになるのか、それともそれでも食べる事が出来ないのか!!


「か、鑑定……鑑定を終わらせねば……」


 作業は一つ一つをしっかりと終わらせてから次に手を出す。そうしないと物事は片付かない。

 目の前には山盛りと言える植物の根がコロコロと転がっている。そして、姿が似ていてる物で毒と毒でないものもあるので、全てを一つ一つ鑑定しなくてはいけない。


 正直、めっちゃ時間が掛かる! 出来れば、鑑定要員が他にも欲しい!! とは言え、鑑定が出来るのは現状俺一人だけ……。

 戦闘職には鑑定のスキルは無いらしいから、残念な事に女性陣にはお手伝いを頼めない。

 錬金術師と同じ特殊職に属するサモナーな子も居るんだけど、サモナーにも鑑定は無いらしい。


 なので、何が何でも俺が鑑定作業を全て終わらせねばならないとなる。事は食べ物の事にも繋がるから、間違えてはいけない内容でもあるので、気合を入れないと……。


「とは言え、休憩は必要だな。そろそろ目がしょぼしょぼし始めた」


 目頭を指で押さえてながらほぐし、「んーーー!」と体を伸ばす。

 肩を回したり、柔軟をしたりして、同じ姿勢で作業をしていた事で固まった体を動かしながす。それに、同じ作業をするってストレスが溜まって行く。なので、心も体もリフレッシュしていく。


「ふぅ……水が美味しい。おつまみじゃないけど、ちょっとだけ燻製肉も齧っておくか。脳が栄養を求めてる」


 あぁ、でも砂糖も欲しいかな。

 この鑑定待ちの中に甜菜とかでもないかなぁ。今の所サトウキビは発見してないし……もしかしたら何処かに有るかもしれないけど。


 それにしても、本当に不思議な植生をしている。北も南も東も西も関係ない。寧ろ、全てを集めているような。

 いや、そのお陰でこれだけ食べ物が充実してくれるから助かるんだけど。


「本当に不思議と言うか気になるなぁ」


 ただ、もう一つ気になるのは鑑定結果かな。

 なんでジャガイモとかトリカブトと断言しないのだろうか。見た目とかも全く同じだと思うんだけど……何か違う成分でも入っている? うーん、鑑定では何もそれらしい結果は出ていないんだけど。


 とは言え、食べられる物が手に入ったのは大きい。後はジャガイモを増やすか食べるかだけど。それを決めるのは全ての鑑定を終わらせて、そこからジャガイモがどれだけ残るかで決めるとしようかな。

ブックマークや評価をありがとうございますm(__)mペコ



きっと目が充血して、チカチカして、大変な事になっていると思われます。

スキルを使うと言う事で相当疲労するのも間違いないので。

さらに、1個1個鑑定しないと毒かどうかも分からないですからね……そりゃ疲れもしますよと言う話。


とは言え、ジャガイモゲットだぜ(≧▽≦)

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― 新着の感想 ―
[一言] 砂糖はソミュール液を作ったところで作れてませんでしたっけ?
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