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そう簡単に量産はさせてくれない。あとシステムさんがシステムさん過ぎた

 馬鹿か! と、思わず心の中で叫ぶ。


 集めた素材を使い錬金術を使うと、俺の魔力を根こそぎ奪いに来た。あ、これはマジで駄目だ。確実に失敗になる……そう確信したタイミングで、島側からのアシストが入った。そしてその御蔭で、なんとか錬金は成功したんだけど……。


「なんて物を作らせるんだよ……」


 どう考えても、今の俺では成功率は0%だ。

 魔力も足らない、スキルレベルも足らない、そしてスペックも足らない。全てが足らないと、この1度の錬金術で理解した。

 しかしなるほど。だからこそ、これはある意味で錬金術における最終目標と言えるアイテムなのだろう。

 それに、作れたのは良いけども、残念な事に品質は非常に微妙である。


――――――――――――――――――

 賢者の石(低品質)


 特徴:全属性


 生贄の代わりに、虹魔石・虹魔鉄・竜種素材などを用いることで作ることが出来る。これ1つで出来る事もあるが、本質は何かを作る時に使う物。言ってしまえば〝万能中間素材〟だったりする。

 なんだけどぉ、ぶっちゃけ出来ることが多すぎるのよねぇ(・∀・)

 だから、頑張って大量に生産して大いにいろいろ試してみてね☆ミ あ、でもでも、伝説級じゃ足らないかもかも?

――――――――――――――――――


 あ、我らのシステムさんが戻ってきた。このウザさは紛うこと無くシステムさんだ。


 しっかし、名前からして大層な物なんだけど、そりゃこんなアイテムなら今の俺には手が届かないのもよく分かるわ。

 こうして1つでも作れたのは、島のアシストがあったから。そして何故アシストしてくれたかというと、その島を総括しているシステムさんが〝今回のバグによる巻き込まれ〟について思う所があるからみたい。

 なので、今回1度だけという事で手を貸してくれたんだよね。




 と、言うことで! この賢者の石を使って仮初の島を作ろうじゃないか。とは言っても、この石では出来ることって限られているらしいけどね。

 でもまぁ、この賢者の石をコアに新たな人工島を用意して、こっちの本島を隠す。うん、ソレが出来れば良いんだ。


「でも、どれだけ出来ることが制限されるんだろう?」


 とりあえず海域内に新たな島を用意する訳なんだけど、それがかなり小さい島だと流石にダミーとしては微妙じゃないかな。

 それに出来ることが限られるとなると、モンスターの湧きとかも制限されそうだし。


「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん! システムちゃん参上☆ミ ってことで、質問にお答えしましょう( ー`дー´)キリッ」


 うっわ……ハイテンションシステムさんが来た。いやいや、そんなテンションは要らないから、普通に説明して欲しいんだけど。


「ちっちっち(ΦωΦ) ワタシは今、猛烈に気分が良いのだよ! だって新しい島を創るんだよ? それも! こっちの世界で!! いやぁ、孤島から始まる異世界征服! うんうん、実に楽しみじゃないかヾ(*´∀`*)ノ」


 えっと、何で直接会話をしているのに、顔文字が見えるんだろうか? いや、理由は理解しているよ。システムさんが魔力を使って空中に顔文字を浮かばせているからなんだけどさ。

 島の魔力や技術力をこんな事に使わなくても……ねぇ。


「そんな事はどうでもいいのだよ( ゜д゜ )クワッ!! ワタシの説明を聞けぇ!!」


 あー……これ、絶対に止まらないやつだ。きっと俺が何を言ってもマシンガントークで全て蹂躙するつもりだ。

 こういう相手は黙ってうんうんと頷いておくに限る。重要そうなことだけ聞いて、後は右から左でオッケ。


「お、大人しくなったね? では説明しようかな(*´∀`)」


 そうそう、俺が黙って大人しく聞いておけば長引くことはない。システムさんには勝手に満足して貰っておこう。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 システムさんから一通りの説明を受け、その内容の中で重要そうな部分だけをピックアップしておく。



 賢者の石を用いた島だけど、これは賢者の石を媒体にこちらの本島のコアから色々と指示を出す事になるらしい。

 ただ、賢者の石ではコアの力を全て受け止める事が出来ないから、何かしらの制限を受けるのは仕方がない事。


 で、その制限について。


 これは元となるコアの能力次第でもあるらしい。それで、ここの場合、この本島のコアが持つ能力を考えると割りと出来ることは有るはずなんだけど……ここで問題になるのが、賢者の石の質となる。うん、俺の能力不足で実に残念な事になっているって事だね。


 だから、本来ならもっと色々出来たはずなんだけど、想像以上に制限が掛かってしまい、賢者の石で創る島で出来る事は……。


「ジョブ選択が制限されているし、用意出来るフィールドも限られてくる。で、最終フィールド攻略の時点で中級ジョブにしかつけない……かぁ」


 選択できるジョブだけど、まず生産職が全て欄から消えていた。そして、戦闘職もかなりの数が消されている。

 えっと、俺がチェックした限りなんだけど、あるのは〝剣士・弓使い・戦士・各属性の魔法使い・ヒーラー〟だけだったりする。当然だけど、特殊系のジョブも全て見当たらなかった。


「戦闘職しか無いって、これ不味いんじゃないかなぁ」

「別に大丈夫でしょ。何せこの新島を使うのは君達みたいな何もない状態で突如島に来た子達じゃないもの」


 いやいや、武器とかどうするのさ? 生産職が武器を用意することでモンスターに正しくダメージを与えられる様になるんだよね。でも、生産職が居ないって事はジョブの最高スペックを引っ張り出すのは無理ってことになる訳で。


「そんなの新しく色々設定したから大丈夫よ。今まではあのバグ野郎のせいで解禁出来なかった機能が漸く使える様になったもの。それが少し前に漸く復旧したのよ(゜∀゜)」

「えっと、一体どんなシステム?」

「魔石トレードよ(・∀・) モニュメントに魔石を捧げる事で、魔石ポイントが蓄積され、そのポイントを使って転移以外にも買い物だって出来ちゃうわ!(*´▽`*)」


 買い物が出来るだと……って事は、その買い物の中に平均的な武器とか、食材や調味料なんかも有るってことだろうか。


「イェス! イェス! イェェェェス!! 因みに、君が持っている魔石を捧げれば、一気にお金……もといポイント持ちよ。きっと何でも買えるのではないかしら(´∀`*)ウフフ」


 あー……でも買うより生産出来ちゃっている気もするけど。うんまぁ、買い物リストは後で確認するとして、今はそれよりも気になる事が思いついてしまった。


「ねぇシステムさん。モニュメントを使って転移だけど、賢者の石側から本島に来るってのは出来ちゃったりしないよね?」

「あー……そこは問題ないわね。この島のコアと賢者の石のやり取りはどんな時でも一方通行なのよ」


 という事は、本島から賢者の石側には行けるけど、反対は絶対に無理ってことか。これは川の上流と下流みたいな感じに考えればオッケーかな?


「そうそう! 石側のモンスターも本島よりは弱いのしか出せないから。あ、でもウサギやネズミが最初ってのは変わらないわね」


 チュートリアルさん達だからね。ま、それは変わらないというより変えられないが正しいんだろうなぁ。

 でもそうか。新島に来る人達は、俺達みたいにあのチュートリアルウサギの洗礼を浴びるのか。……ちょっとモニターしてみたいかも。


「あと、フィールドの数かしらねぇ。新島の方はそう多く作れないわね」


 ま、こっちのフィールドが多すぎるって話もあるんだけど? 何せ石碑フィールドだけで16も有るでしょ。うん、理屈は解ってるよ? 神殿フィールドを1として、そこから4の倍数で増えていってるって。でも、もう少し整理しても良いと思うんだけどなぁ。


「それは……本当ならこの島を開放する時に、もっと大人数の人を呼ぶつもりだったのよ。で、皆のスタート地点が被らないようにって事で(´・ω・`)」


 だから16も石碑フィールドを用意したと。そして上の難易度もなるべく狩り場が被らない様にと複数用意したのか。

 言いたい事は分かるけど、正直それでも多すぎやしないかなぁ。これ、全部攻略するのって相当時間が掛かるし。


 ま、その点を踏まえて新島の方はちょっと整理しておこうか。なに、この新島は所謂チュートリアルマップって事で。

 例の融合する日とやらが来るまでに、こういった島を幾つか用意するのがベストだろうね。そして、もっと俺のレベルが上がれば賢者の石も普通に作れるようになると思う。


 だから目標は、目指せ賢者の石を用いた島の量産! かな。島があればあるだけ、本島からも目が逸れるだろうしね。

ブックマークに評価ありがとうございます!((*_ _))ペコリ

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― 新着の感想 ―
[一言] 書籍なら絶対にしていされるであろう、縦書きPDF用にフリガナと同様の「横組み固定」の属性賦与を実装してほしいですわw
[一言] システムさんが帰ってきた!ヒャッハー
[一言] なんというか、これ新たに作れるって知られたら上から目線で我が国専用を作れとかこんな風に設定しろとか全部寄越せとか言ってきそうな国が幾つかありそうなんだよな。 後は、ジョブ関連とか新島でしか…
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