表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/827

閑話・クラスメイトの現状その2(悲劇の地)

絶望しかない。胸糞展開有りの為にご注意を……表現はなるべく注意していますが。

ちなみに、一時間後にもう一話上げます。流石にこの内容で一日置くのは個人的にうわぁってなるので。

 殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロス………………そう願っても、それが出来ずにいる。それは私の良心が止めろと訴えているからではない……ただ、私に力が足りないからだ。

 本当に……何でこんなことになったのだろう。そう思いながら、私は空を睨みつけた。







 この地に来た日はまだマシだった。確かに、いきなりの事で混乱を皆していたけども……混乱しているだけでは駄目だ! と、先生が大きな声で訴えて、クラスの皆をまとめた。

 そして集まったクラスメイトは数こそ足らなかったけど、頼りになる男子も居て、皆が協力しあいながら救助が来るまでがんばろう! って会話をして、ヤシの実をとっては一喜一憂。ペットボトルの水やジュースは節約しよう! って、お菓子は集めて平等に分けようって笑い合っていたんだけどなぁ。


 でも、それは幻想に過ぎなかった。あの時の笑っていた自分を今私は張り倒したい気分でいっぱいだ。



 二日目もまだ何も問題は無かった。

 ただ、少しだけ数人の男子や女子が気になる行動をしていた。

 男子はその目線が、女子は若干やる気のない雰囲気が……これで険悪にならなければなんて思っていたんだけど。


 なるに決まっているでしょ! なんでそこで私はその事を放置したのよ!! と、今なら思う。いや、言っても仕方のない事だったかもしれないけど、それならそれで警戒ぐらいはしときなさいよ!!



 三日目。この日は少しギスギスとした不穏な空気が漂っていた。

 一人の男子が「食料の分配に不服がある!」と言い出し、一人の女子が「平等に分けているじゃない! 最初にそう決めたでしょ!!」と喧嘩をしていたのを目撃した。

 確かに平等に分けている。それはもう、しっかりと量を分け隔てなく。……ただそこに、仕事をした量や体格の差など全て無視をして。


 この事で男子の肩を持つつもりでは無いけど、男子が採取して来ているヤシの実や果物の数の方が多い。そうである以上、運動量は男子の方がはるかに多いと思う……当然それだけ採取するためには遠くまでいっているから。

 だから、男子が〝平等〟じゃなく〝公平〟に分けろと言い出すのも理解が出来なくはない。私達がその採取して来たものを調理している訳でも無いしね……。

 ただ、行き成りすぎる話な気もするのだけども。


 この日は終始、罵詈雑言が飛び交う感じで終わった。精神的にもこの日は一気に削れれたんだけど……まさか、この日を境に状況が一変するなんて。



 四日目は昨日のギスギスが更に増していた。

 男子と女子の睨み合い。男子に食って掛かった子は、相変わらず元気にキャンキャンと吠えている。男子も男子で、そんな女子に対して「この寄生が!」とか「ビッチが!」と汚い言葉を投げかけていた。

 正直、もうどっちもどっちだよね。なら、少し距離を置くなりなんなりして平穏に過ごしてほしいと願ったんだけど……叶わなかった。


 この夜、男子たちは男子たちで集まって何やらぼそぼそと会議みたいな事をしていたんだけど、その場に先生も居たみたい。

 この時は注意でもしてくれているのかな? なんて考えていたんだけど……もう少し気に掛けるべきだった。



 五日目。最悪の日の始まり。

 この日も朝から元気よく吠える女子が一名。ただ、少し違いがあって、前日には反論していた男子が何やらニヤニヤとした表情を浮かべながらその女子を見ていた。

 思わずその表情にゾクリとしたものを感じたけど、その時の私はきっと気のせいだ! とその事を否定した。事実、もう一度その男子を見た時は普通の表情に戻っていたし。


 だけど、その時にその事を否定して居なければよかった。


 夜になり皆が寝静まった後に事件が起きた。

 「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」という叫びが暗闇の中響いて、その後は耳を塞ぎたくなるような音と声が……実際には塞いで影に隠れてガクガクと震えていたんだけど……。

 そして、その時ガサゴソと何やら走り去る音と追いかける音も聞こえた気がしたけど、私は足がすくんで動く事が出来ず座り込んでしまっていた。


 その後の事は覚えていない。何かに捕まったような気がしたような? 下種な笑いが聞こえたような気もするけど、私は怖くてただただ意識を逃避させていた……と思う。




 ただ、その日から私は日にちと出来事を記憶する事を止めた。そんな事をしても、意味など無いからだ。


 先生だったモノが私達を見てこう告げた「お前たちは俺達のお陰で生きていられるんだ。感謝しろよ」と。

 何を感謝しろと? 食べる事が出来る事? ただのヤシの実や果実だけで? それなら、私達にも採取出来る物なんだけど。



 時折、女子同士の喧嘩を耳にする。


 「あんたのせいで!」とか「わたしわるくないもん!」とか。今そんなの関係ある? 現状を如何にかする為には、誰が悪いとか言ってられないんだけど……。


 そう言えば、女子の数が少ないような? 最初に居た時から4人ぐらい減っている気がする。……もしかして、逃げたのかな? それとも助けを呼びに行ってくれたのかな? でも、期待するのは止めよう。ここは地獄だ。地獄に仏なんて居る訳がない。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 日々皆の元気が無くなって行く。

 言い争いをしていた女子同士の会話も現状皆無だ。……いや、女子の中にはここに戻って来ていない子も居るんだとか。

 どうやら、その子は〝女王様〟をしているのだとか……一体どういう事? いや、そんなのどうでもいいや。


 ただ、あの時言い争いをしていて、悪くない! と叫んでいた子も居ない。ただ、夜に来る先生が言っていたけど、何やら〝女王様〟の〝ペット〟にされていて悲惨な目にあっているのだとか。別にどうでも良いけど。




 男子生徒の中にはこの現状を変えようとしてる〝人〟が居るらしい。とは言え、無茶はしてほしくない。もし無茶をしたら〝ペット〟になってしまう可能性がある。

 もし彼が失敗をしたら、助かる人も助からない……私は助かるのかな? いや、そんな希望は持たない方が良い。例え助けられてもと思う所はあるし。



 やっぱり自分自身で行動するべきなんだろうか? この状況を打破する為には……諸悪の根源を断つしかない。

 そして、私達には〝チャンス〟がある。相手が絶対的な隙となる状況が。




 ここに来て何日目だろうか……今日は最悪な事になった。

 何やら男子の一人が何か変な石碑を見つけたらしい。そして、その石碑を使えばチート能力が手に入るのだとか。

 そして、先生だったモノや数名の男子は戦闘が出来るようになったのだとか。……これでは私が隙をついても厳しいのでは?

 そして、女子や先生側以外の男子には無理やり生産職を選ばせて……更に対抗手段と言うモノが無くなった。


 力が足らない……何もない。


 せめて料理人などを選ぶ事が出来ていれば……全員毒殺でも出来たのに。

 残念ながら、そう言った口に入れる物などに関しては、奴等が信頼するモノを選んでいた。抜け目のない……。


 あぁ、駄目だ。私が壊れて行く。

 毎日毎日、どうやったら奴等を殺せるか。そんな事ばかりを考えている。


 ……もし家に戻る事が出来たらお父さんやお母さんはどう思うかな? 悲しむ? 哀れむ? それとも、私を怖いと思って切り捨てる?


 でも、このままなんて居られる訳も無い。どうしたらいい? どうやってこの状況から抜け出せばいい? どうやったら……ヤツラヲコロセル?


 私が私でなくなっていく……あぁ、そう言えば私の名前ってなんだったっけ? あれ? そう言えば友達や家族の顔ってどんな感じだったっけ……なんだろう、全てがポロポロと抜け落ちて……。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 孤島生活??日目


 僕は気が付いた異変に対しての対処が遅れた。おかげで、一人の女子生徒の精神が崩壊してしまっている。

 罪滅ぼし……と言う訳でも無いが、今僕はその女子生徒をその背に隠しながら森の中を進んでいた。


「大丈夫か? もう少ししたら安全な場所に移動できるからな」

「あんぜん? あはっ、そんなばしょあるわけないじゃないですかぁ」

「くっそ……とりあえず、この子は他の女子生徒に任せるとして……後何回救出に行けばいいんだか……」


 偶然と言えば偶然だ。

 僕は、糞野郎どもから命じられていた探索の最中に、違う場所で生活をしているクラスメイト達と合流する事が出来た。

 なので、今僕達の身に起きている事を話すと、そのクラスメイトは快く僕達を受け入れてくれると言ってくれた。


 とは言え、心配はある。


 もし、そのクラスメイト達も糞野郎達と同じタイプだったらどうしようか? と考えてしまうし、他にも気になる点があって、僕はこのクラスメイトの事をよく知らないし、僕の話を聞いた後は凄く悩んでから「……仕方ない」と言ったから。


 でも、他にどうしようもない。


 僕一人で助ける事が出来る訳でも無いし、異性の事だから注意するべき点も分からない。

 そのクラスメイトの所には女子も居るそうだから、そういった機微に関して言えば男子の僕よりも気が付いてくれると思っているけど。


「あはっ、ねぇ、あいつらやらないの? ねぇ?」


 復讐に囚われているのだろうか? 願わくば、逃げた先で彼女が救われると良いのだけど。


 でもこの後はどうしようか。救助をしたらしただけ、奴等に気が付かれる可能性が増える。そして、気が付かれてしまえば、救助できる機会が無くなってしまう。

 下手をしたら、誰が逃がしているのか? という事も調べられてしまうだろう。


 なるべく全員逃がしたいのだけど……一体僕一人で何処まで出来るのだろうか。

 それでも今は、自分に出来る範囲でやって行くしかない。

ブクマに評価などなど、ありがとうございまする!m(_ _"m)



前半から中盤までは女子生徒視点。

ダイジェストと言うか日記というかそんな感じにしつつ、絶望して壊れてしまう流れ。

規制にひっかからないようにしつつ、出来事が想像できるようにしたつもり。



後半は女子生徒視点でも出て来た男子生徒視点。

彼は唯一まともだったパターン。なので女子生徒視点でも〝人〟と言われていたり。先生が〝モノ〟だった事もあり、人と獣として分けられていた感じ。


因みに、彼が悪事に加担していたかどうかと言われたらNoです。彼はアウトな人達によって〝生産職〟にさせられた人ですので。


そして彼が誰に会って、誰に助けて貰おうとしているのはかは……まだ秘密。



公平と平等とは? というお話でもあります。そして、正義感を出し過ぎるのもまた……と、救いようのないお話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 男女問わず何もせず文句ばかりとか下衆だよね(笑)
2021/12/13 04:20 退会済み
管理
[一言] 新しい力を得ても、調子にのって無謀な敵に挑んで数を減らしていくのが想像できる。 主人公はその点、慎重すぎるほど用心してたからなぁ。
[一言] この男の子が登場する男の中(主人公含む)で一番まともだな!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ