表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/827

杖が出来たよ!

 丁度良さそうな木の枝を回収してから、サクッと錬金術を使ってそれぞれの杖を作った。

 そして出来上がった物を鑑定したのがコレ。


――――――――――――――――――

 桃の杖(最低品質)


 破魔の効果がある杖だよ! よく思いついたね? 確かにこれなら、魔法の威力を増加する効果があるよ!!

 ただ、最低品質だからその効果は小さいかも? もっと腕を上げた方が良いんじゃない( *´艸`)

――――――――――――――――――


 この杖を2本用意した。まぁ、予想通りの最低品質とシステムだが何も言うまい。


――――――――――――――――――

 桃の指揮棒(最低品質)


 ちちんぷいぷい……って古いかな? 破魔の効果を持っているよ。ただ、サイズが小さいというのもあって魔法の威力増加は低いかな。とは言え、何かを指揮するには補正効果があるみたいだよ!

 でもこんなの、サモナーやテイマーでもない限り使えないと思うけど……どうして作ったの?

――――――――――――――――――


 サモナーの人が居るから作ったんですけど? システムさんは情報を把握している様でして居ないのだろうか。

 

 それよりもだ。やはりサモナーやテイマーには効果がある物らしい。これは予想通りの結果で何よりなんだけど、やっぱり品質が低いのが気になる。あと、古いかどうかは本人? の為にスルーしておこう。


――――――――――――――――――

 柊の杖(最低品質)


 オーガでも相手にする気? でも、この品質じゃぁ辛いかなぁ。

 ただ、そこらにいる奴が相手なら十分だと思うよ? 魔法の威力増強もしっかりとついているしね。ただ、やっぱり……最低品質が……( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

――――――――――――――――――


 はいはい、最低品質最低品質。

 こればっかりはスキルポイントを振って、錬金術のレベルを上げない限りどうしようもない。技術力とか精密さが少し上がったみたいだけど、現状は誤差のレベルっぽいしなぁ。

 何時になったら低品質と言う文字を見る事が出来るんだろう。


 とは言え、まだまだ新米錬金術師だからな。今は最低品質でも仕方がない。これは数をこなしつつ、レベリングを行っていくしかない。


「そしたら、この作った武器を何時もの場所に置いておくとして……後は試し撃ちとかもしてみたいかなぁ」


 杖補正でどれだけ威力アップしたのか気になる。

 錬金杖は錬金術用の杖だったから、魔法の威力に補正はつかなかったんだよな。なので、この魔術用の杖には少し期待していたりする。




 的を並べていく。縦と横へと数枚の木で作ったターゲットマーク付きの板を。

 そして俺は、射撃位置へと移動をしてターゲットに杖を向けた。気分は射撃訓練だ。


 先ずは杖を持たずに的へ向かって〝ロック〟の魔法を撃つ。〝ロック〟は獲物を狩る時、今一番使う魔法だ。

 そして、〝ロック〟なら質量攻撃でもあるから、一番その威力が測りやすい。


 バキ! ドカ! と、大きな音を立てて、石の塊がターゲットを撃ち抜いて行ったが、途中の板で停止したようだ。


「穴が開いた板の枚数が3枚と言った感じか」


 割と厚めに作った板なので、3枚抜けるのも結構な威力と言えるかもしれない。まぁ、石レンガに突き刺さる程度の威力は有った訳だしな。



 では次に、杖有りを試してみるとしよう。

 そっと空いている手を杖を握る手に添える。……うん、これもまた気分。なんかこうした方が、射撃をしますという気分になるから。


「さて杖有りはどんなものかな……〝ロック〟」


 言葉を紡ぐと同時に、石の塊が杖の前へと現れターゲットへと向かって飛んで行った。

 そして、飛んで行った石の塊は、大きな音を立てながら板を破壊して行き……。


「ふむ……何時もより少し大きかったな。そしてその分威力も向上しているっぽい」


 杖有りの場合だと、貫通した板の数は4枚。しかも5枚目には半分ほど埋まっていると言った感じだった。


 あれ? これって結構な威力増強になっていないか? これで最低品質なの? と、頭の中ではくえっしょんマークでいっぱいだ。

 とは言え、威力がしっかりと上がっているのであれば、それは嘆く事では無く喜ぶべき話。なので俺は、少し頭を横へ振ってから、グッと心の中でガッツポーズをとった。


「これだけ威力が上がっているなら、他の魔法も良いダメージになるのでは?」


 そう口にするやいなや、俺は直ぐに実験だ! と、杖を構えて他の魔法を撃ちこんでいった。

 そして、その考えは正しかったようで、〝ファイア〟は範囲と延焼時間が、〝ウォーター〟は弾の大きさが、〝ウインド〟は目に見えなかったけど、倒れた板の数で何となく範囲が広がったのかな? と予想。


 ただ、一つ残念なお知らせがあるんだけど……。


「〝ファイア〟がこれだとなぁ。更に森の中で使えない代物になっちゃったか」


 薙ぎ払え! などと言う真似は出来ないが、これだけ範囲と延焼時間が上がるとなると、森の中で使用してしまえば山火事を起こす可能性がさらに増えてしまう。

 水魔法で消火したら? と思うかもしれないが、火と水の魔法を使うとか二度手間過ぎる。それなら最初から〝ウォーター〟なり〝ウインド〟なりを使って制圧した方が良い。……まぁ、現状だと威力的に〝ロック〟一択なんだけどな。


 魔法の威力を上げる杖を手に入れたために、更に〝ロック〟の選択肢が増えそうだ。何せ、元々威力自体も〝ロック〟が優秀だった訳だし。

 森でなければ〝ファイア〟の威力が一番優秀なんだけどな。


「ただ、これでしっかりとした〝武器〟というか〝攻撃手段〟を手に入れたって事で良いよな」


 魔法頼みの戦闘になるけど、他の武器を使いこなす事が出来ないのであれば致し方ない。

 後は上手にアイテムを使い、魔法と組み合わせて行くしかないかな。




 あ、一つ気になった事が有った。

 ジョブを選択する際にトラッパーと言うのが有った。そして、トラッパーは罠師の事なんだけども、俺はウサギや魚に対して普通に罠を仕掛けていたよな? あれってどうして効果が発揮されているのだろう。


 作った罠の構造は物凄く単純なものであるのは違いないのだが、ジョブやスキル補正が無いのだ。である以上は〝トラップ〟というモノに不具合が起きていても可笑しくはない。

 だというのに、俺が作った簡易トラップは正常に作動している。……これって少し可笑しくないだろうか。


 なので、俺は自分の作ったトラップへ鑑定を掛けてみる事にした。


――――――――――――――――――

 ウサギ用の罠(最低品質)


 ウサギを生きたまま捕まえる事が出来る道具。構造は凄く簡単で、ウサギの足をロープで引っ掛けて逆さ吊りにするという()()な代物。

 この罠で一日中吊られるウサギさんかわいそー! さっさと()()してあげて!

――――――――――――――――――


 残酷だの救済だのを強調してきた。まぁ、しっかりと救済はしているだろう? 美味しいごはんになって貰うという方法だけど。


 おっと、そんなシステムの言は良いとしてだ。


 トラップなのにトラップとして判定されていないと言う事なのだろうか? 名前には罠とついているけど、説明文には道具となっている。

 もしかしたら、トラッパーが使う罠と言うのは何か別の物なのかもしれない。例えば、魔法的な何かとか……。


「魔法による地雷とか、そんな感じかも」


 そう考えると、確かに道具によるトラップにはどちらの補正が無いのは当然かもしれない。


 あぁ、それなら道具による罠は作りたい放題となるのだろうか? これは、蜘蛛を退治する為のビジョンが見えて来たな。

 よし、そうと決まれば早速道具作りを!!


 〝ピコン♪〟


『杖見ました! ありがとうございます、早速使ってみますね!!』


 お、どうやら女子達が杖を見つけた様だ。随分と喜んでくれているみたいだけど、あっちの杖にはどれだけの威力補正がついているんだろうな?

 とりあえず、俺は作業をしながら彼女達の報告を待とうかな。

ブクマや評価などなど! ありがとうございますうぅぅぅぅヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪



という事で、よくゲームにあるMATK+??%的な杖の完成です。

そして、トラップもまたただの使い捨て道具なので、トラッパーの補正には引っ掛からなかった模様。……一体トラッパーのトラップとはどんなものなのだろうか。

まぁ、そのジョブを選ぶ人が居るとは思えないけど。もしこんな環境でトラッパーを選ぶ人がいたら、それはどれだけ腹の中が黒いのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ジョブによって武器補正がかかるとこから薄々思いましたが 錬金術師ってパーティプレイ推奨ジョブなのでは・・・? 自分もある程度戦えるけど本職には及ばないレベルだし、武器やアイテム制作など…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ