もしもし? 装備のデリバリーをお願いします
ポータルを使い、あちらこちらへと飛び回りながら素材を集めた。それもこれも、全ては塔フィールドの全てを踏破するために。何せ塔フィールドの残りを考えるとね。
石碑フィールドの時のことを考えると、ある程度法則が見えてくる。
狭い方のマップには基本となるモンスター達が、距離が倍になっているフィールドには強化型のモンスターが出てくる。
その法則を当てはめて考えると、この後に残っているボスモンスターは強化型の亀型モンスターに基本型の雷獣モンスター。これは確定だろう。
ただ、この法則と少し外れていたのが白ウサギと黒ウサギだったんだけどね。基本タイプのフィールドが黒ウサギで、強化タイプのフィールドで出てきたのが白ウサギ。だけどどちらも属性だけが違う感じだった。
この事を特例として考えるか、それとも塔フィールドだからと考えるべきか。それは先を見てみないことには分からないのがもどかしくはある。
ともあれ。
それ以外のフィールドとなると、分かっているのは昆虫マップ。それも強化型の方でミツバチとスズメバチがいるという事。
という事は、残っている最後の基本型のフィールドは昆虫タイプだろうなという判断が出来る。
基本型雷獣・基本型昆虫・強化型昆虫・強化型亀この4つが、上位職に就くためにも踏破しなければいけないマップな訳だ。
「それで、ここで問題になるのが昆虫タイプなんだよね」
女子達の顔を思い出しながら、どうしたものかと考える。何せ残っている内の半分が昆虫マップになるからね。
数だけは無駄と言ってもいいほどの大群で押し寄せてくるだろうし、昆虫の群れが相手だから生理的嫌悪感も半端ではない。何せモンスターだからそのサイズも異常だし。
俺だって嫌だもんなぁ。小さいからこそ許容出来た昆虫のアレやコレなパーツとかが、はっきりと分かる姿で目視出来てしまう。そりゃ、気持ち悪いと感じてしまうのも仕方がないと思うんだ。
「世の中にはアレを格好いいとか、合理的だとか、美しいなんて思う人もいるみたいだけど……」
残念ながら、俺はそんな性癖を持ち合わせてはいないんだよ。
あのぷっくりとした腹うにょりと動く事が、何かトゲトゲとしたものがついている足ピクピクとする事とか……もうね。想像するだけでおぞましく感じる。一応我慢出来ないレベルではないんだけど。
ただ俺は我慢出来ると言うだけで、女子達はそうではないみたい。
最初にあの蜂の群れを見た彼女達は、後少しで発狂してしまうのでは? というレベルにまで達していた。
勿論、気持ちは分からなくもない。だってそんな巨大なスズメバチが肉団子をこしらえている姿を見たらね。
やっぱり昆虫というのは、あの小さいサイズだからこそじゃないかな。許容出来るとか、かっこよく見えるとか。
とりあえず! そんな残っているフィールドを攻略する為にも色々と準備が必要なんだ。
『てな訳で、装備の強化をお願いしたいんだよね。ブラックスミスさん』
『僕の名前は高田なんだけど? と、それ以前に装備の強化はこの間やったばかりじゃなかったっけ』
『そうなんだけど、それじゃ雷獣対峙はきつかったから。ただ、その雷獣を倒していい素材を手に入れたからね』
『……もしかして僕のレベル不足かな?』
実はこうして面と向かって話さなければ、ある程度コミニケーションを取れる相手が出来た。
スマホのリンクを使い、運転手である鈴木さんチームに所属している鍛冶師の高田? うん、俺はブラックスミスさんと職業ネタで呼んでいる相手。
直接会ってというのはまだ無理だと胸の奥から悲鳴を上げているものの、こうしてスマホを使えば会話が出来る様になったのは、彼とある意味趣味があったからだろう。
『雷獣って事は雷属性だよね? って事は、やっぱりレールガン?』
『それも考えたけど、普通に考えて厳しいよね。現実的に考えると、雷属性を付加させた銃を作るか、それともプラズマキャノンじゃないかなと思ってる。後は神話系の武器とか』
『神話系も難しいというかネタ装備になるんじゃないかなぁ……作ってみたい気はするけどさ』
そう。俺達はどちらも何かを作るのに没頭するというか、ネタに走りたくなるタイプなんだよね。
だからこそ話がというか馬が合う。ただその話題の所為で、結構時間を消化してしまっている時も有って……偶に女子達から変な目でみられたりはしているけど。うんまぁ、気にしない。
『前のオーダーでも分かったと思うけど、俺達って前衛が居ないからね。そうなるとやっぱり……』
『遠距離系の装備になる感じだね。あ、でもあの錬金馬だっけ? アレに装備させるのはどうかな。こうライトニングランス! みたいな感じの』
『あー……電撃を纏って突撃かぁ。それもちょっと惹かれるなぁ』
ただ錬金馬の装備にしてしまうと、色々と制限が出来てしまう。
錬金馬が使えない場所だと、当然だけどその武器も使えない。そしてまた、錬金馬はコチラの指示を受けてから行動を行う。なので、応用力とかが乏しいんだよね。咄嗟の時にどうしようもない。
なのでこういった新しい装備は、なるべく自分達の手で使えるものにするのが好ましい。
『もう少し雷属性の素材があれば良いんだけど』
『今の所、雷獣以外は雷属性のモンスターに出会ってないからね……今後に期待かな』
『んー……それなら、昆虫フィールドだっけ? 其処へアタックするより先に、他のフィールドに挑戦してみたら?』
ふむ。確かにそれは有りかもしれない。
残っているのは亀の強化型と雷獣の基本型フィールド。だから雷獣側なら攻略難易度も其処まで高くはないはずだよね。そしてフィールドモンスターに雷属性が居なかったとしても、ボスモンスターを討伐することで最低でも1体分は雷属性のドロップ品が手に入る。
有りかもしれないではなく、有りだな。むしろコレはそうするべきではないだろうか。
『こっちもこっちで、一気にレベリングをしておくよ。多分だけど、僕のレベルが足りてないのが問題な気もするしね』
『あー……そしたら、その時間を稼ぐ為にも昆虫以外の雷獣の基本フィールド攻略をしておこうかな』
多分だけど、この口ぶりからして鍛冶スキルか、それをブーストさせる為のスキルがカンストしていないんだろうね。
レベリングに良いフィールドを教えてあげたいけど、正直俺達が一気にレベルアップしたのって、ストーンサークルのフィールドにある湖を決死の覚悟で渡ったからなんだよね。だからその方法はオススメしない……と言うよりも出来ない。
あんなのいくら命があっても足らないからなぁ……今でも思うよ。よくあの状態を突破できたなぁって。
『しらたまを攻略出来るなら、白ウサギのフィールドで狩りをするのが良いと思うけど』
『あー……物理攻撃しか通用しない相手だったっけ。うん、それなら多分問題ないかな。ほら、僕のところには物理特化な子がいるしね』
あぁ、あのバーサーカー女子か。
確かに彼女なら、大きいハンマーでも持たせたら、しらたま達でも簡単に押しつぶしていけそうな気がする。
ふむ。そう考えると、彼女みたいなタイプがいれば、しらたまゾーンでレベリングもありなのか。何せしらたま達ってワラワラと群れてくるし。
『しらたま達の素材を集めてきてもらえたら、くろたま達用の道具を用意するよ』
『あ! それがあれば、しらたまとくろたまのフィールドを行き来して狩りをすればいい感じに』
そうそう。光属性の手榴弾で闇属性のくろたま達を大量に狩る。で、くろたま達の素材を使って……とここで問題があるんだよなぁ。
『残念ながらくろたま特効の道具はあるけど、しらたま達用はまだ出来てないんだよね』
『あー……それなら、闇属性を武器に付加してもらえる? そうすれば狩り効率がよくなると思うんだけど』
『オッケー。多分そろそろ秋山さん辺りがそっちの拠点に行くと思うから、その時に付加して欲しい武器を渡しておいて』
さてさて、これで武器とかの問題は解決するはず。まぁ、先ずは相手の武器をという事になるけど、そこは協力体制は大切だからね。
俺達の装備を充実させるためにも、しらたま達を沢山狩ってレベルを上げて欲しい。
そしたら俺の方は、雷獣の基本タイプのフィールドを踏破する為の準備に入るとしようかな。一度強化型で、更にブーストされていたと思われる奴を討伐しているからね。其処まで苦にはならないはず。
後は時間がまだほしいとなるなら、亀の強化型に手を出す感じでいいかな。こっちはしっかりとした対策が必要かもしれないけど……。
「ま、なんとかなるかな」
塔フィールドを幾つか攻略したことで、色々と準備出来るものも増えているからね。最初の亀の時よりは随分とマシな戦い方が出来ると思う。
ブックマークに評価ありがとうございます!((。・ω・)。_ _))ペコリ
女子達とも最初の内はリンクによるやり取りのみでしたからね。
少しずつ慣らすというのであれば、この方法がベストでしょう(๑•̀ㅂ•́)و✧
ただ、彼となら女子達の時よりも短時間で何とかなるかも?




