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ハチの事よりも大切です

 女子達の精神を癒やすために一度拠点に戻ってきた。

 そして戻ってきたのならと、俺は早速対昆虫対策の道具を考え始めたんだ。ただ、何かを考えるにしてもハチ達の情報が足らなさすぎるのも事実。

 ミツバチは敵対するのか? とか、スズメバチの針はどれぐらいの貫通力があるのか? などなど、考えるべき点はいっぱいあるんだ。

 だけど、俺達はハチの群れにスズメバチの凶暴性を見てその場で撤退を決めてしまった。だから分かっているのは、ヤツラが大群をなしているという事に人の子ほどのサイズがあるという事しか分かっていない。

 あ、あとはスズメバチとミツバチが敵対しているという事実もあったね。


 ともあれ。


 戦う為の情報は皆無な訳で、対策を取るにしてもどんな道具を用意したらいいか分からない。なので通常のミツバチやスズメバチに対して行う方法をベースに考えていく。

 


 ミツバチと言えば、下手にちょっかいを掛けなければ問題無い。……はず。

 あ、でも正しい情報を持った熟練した人なら、防護服も無く、素手で蜂蜜を採取することすら可能なんて話もあったっけ。

 とりあえず、ミツバチに関しては下手に攻撃を仕掛けなければ、おとなしいから大丈夫だろう。



 逆にスズメバチは問題だらけだ。

 ヤツラはテリトリーに入ってきたら、先ずは顎を鳴らして威嚇をし、それでも巣に近づこうものなら一気に襲いかかってくる。

 そしてヤツラの場合、ミツバチと違って何度も針を刺すことが可能。そう、何度も何度も。君が、毒で倒れるまで、刺し続けるのを止めない! とでも言った感じだろうか。


 なら、巣に近づかなければ良いのでは? と思うんだけど、そうは問屋がおろさない。


 だって昆虫フィールドと言ってもいい場所だよ? モニュメント・ボスフィールド・次への出入り口付近には巣が有るはず。

 なのでフィールドを攻略しようと思えば、必ず何処かで正面衝突する必要がある。


「フィールド攻略を諦めるのはどうかしら?」

「だよね。スズメバチの群れと戦うとか、そんなの専門家に任せるのが一番だよ」


 いやまぁ、この島に専門家なんて居ないんだけどね。

 それに、専門家の人が居たとしても、流石にモンスターのスズメバチは専門外だと思う。普通のスズメバチも確かにモンスターか! と思うほどのサイズだけど、この島のスズメバチはまさしくモンスターだからね。

 子供サイズ程のミツバチを襲えるサイズなんだよ。ミツバチが幼稚園児ぐらいだとするなら、スズメバチは小学生低学年といった感じかな。

 そんなの、スズメバチハンターでも困る存在だって。



 ただ、そうだね。フィールド攻略を諦めるというのも手ではあるかな。それこそ、女子がいなくても討伐出来るぐらいのレベルや火力を手に入れてからアタックするというのも有りだろうし。


「……蜂蜜」

「雪。それは諦めるじゃん」


 それは無理! と言わんばかりに、冬川さんは夏目さんを見つめている。そうだよね。蜂蜜はほしいよね。でもあのハチの群れに突入するのは厳しい……。


 って、あれ? 俺は1人で対ハチ用の道具が何か無いものかって考えていたはずなんだけど、いつの間にかに女子達が集まっていた。

 おかしい。全くもって近づいてきた気配とかは感じなかったというのに。


「……もっちー集中しすぎ」

「だよね。声を掛けたのに気が付きもしなかったよ」


 ありゃま。どうやら彼女達は何か用事があって声を掛けてくれたらしい。ただ、俺がブツブツと呟きながら集中していたから、それに合わせて女子達で会話をしていたみたい。

 で、その内容がハチの事だったから、俺の耳にもすんなりと入ってきて、違和感なく会話をした状態になっていたと。


 なんて恐ろしい女子達なのだろう。俺の意識の穴を上手く抜けてくるなんて……。


「私達のせいにされても困るじゃん」

「いやいや、ただのネタだから。っと、何か有ったから来たんだよね。一体なにが有ったの?」

「そうそう! 鈴木さんから連絡があったんだよ。お願いしていたものの結果が出たって!」


 おぉ! という事は、ついに実験の結果が出たという訳か。


「島に拠点を移したから、果物の木がどうなったか見に行くのが大変になったもんなぁ」

「だね。で、その木々なんだけど、しっかりと実ったんだって!」


 よかった。作った肥料を木々に使ってみたんだけど、前の拠点の時でも世話をしに行くにも結構移動しないといけない場所だったからなぁ。

 だから果物は欲しいなと思いつつ、結構適当な感じになっていたんだよね。肥料を偶に撒いて、でもそのまま放置してみたいな感じで。ただ果物が実る前に拠点の移動をしてしまった。

 まぁだからこそ、肥料の情報を提供した鈴木さん達に果樹の世話を頼んだんだよね。


 で、今回彼らから果樹に実がついたと報告があった。そうであるなら、俺達のやるべきことは一つ!


「果物狩りを行いたいと思うんだけどどうかな?」


 果物はポーションの材料にもなるし、お菓子を作るのにも使える。それにそのまま食べても良いしね。


 それにスズメバチ達の事で荒んだ気分を立て直すには、丁度いいんじゃないかな? 採取したその場で果物を齧るというのもオツなものだしね。

ブックマークに評価ありがとうございます!(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ♡...*゜

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