女子のお話タイム~エリカ視点~
話し合いの後に望月くんが倒れた。
本当に無茶をするんだからと多少呆れたものの、本人の要望だし、前に進むと決めたことに対して水をさす訳にもいかないからね。本人のやりたいようにさせたんだ。
で、その結果倒れたからまだ早かったんじゃ? と思っていたのだけど……。
「本人が満足しているのよね」
「望月が目標を達成したって言ってたじゃん。そういう事なんだろ?」
「目標って交渉の成功……じゃないよね」
目標については何も言っていなかったけど、多分彼の事だから〝現状の自分をチェック〟といった感じじゃないかなぁ。
「……ボクは特別」
ムフーと鼻息を荒くしながらも、ウサギの耳あてを弄り回している雪。
よほど望月くんに拒絶されていないのが嬉しいんだろうね。気持ちは分からなくもないけど、そうなるまでどれだけの時間が必要だったか覚えているのかな? あと雪だけが特別じゃないからね。
「それにしても、起きた後は調子が良さそうじゃんか」
「目標の達成がメンタル面がプラスの状態なのよ。だから身体や行動にも影響が出ているのではないかしら」
今はものすごい勢いで研究を進めたりしているもんね。
失敗しても萎えること無く次々と新しい挑戦をしているみたい。はっきり言って、私には何をしているのかよく分からないけど、きっとまた面白かったり驚くような物を作っているんじゃないかな。
それに調子が良いのは望ましい事だよね。皆の空気も良くなるし!
それにしても……と、雪のうさ耳を掴みながら話題を変更。
「……な、何をする」
「いや、触り心地が良いなって」
「……それは否定出来ない」
もふもふとしてさわり心地が良い付け耳の部分。なんでこんな部分を用意したのだろう? 謎装備ドロップすぎるよね。
と、そんなうさぎの耳あての事は横に置いておくとして。
「塩湖での生活も慣れてきたよね」
「レベルアップで身体能力が強化されているからか、慣れるまでの時間もそうかからなかったわね」
もう少し潮風とか香りとかで時間が掛かりそうだと思うんだけど、桔梗の言う通りレベルアップで適応力も上がっているのかもしれない。
そう考えると、もう少しレベルアップしておいたほうが良いかもしれないよね。ただ、そのレベルアップも結構上がりにくくなっているのが悩みのタネだったりする。
とりあえずの方針として、塔フィールドのボスを倒してレベルアップをしていこうってなったんだけど、この塔フィールドも後どれだけあるのかと言うのが気がかり。何せフィールドボスは討伐すると復活しないから。
「それも現状はといった感じなのだけどね。もしかしたら復活する周期とかが有るかもしれないわよ」
「……経験値とアイテム狩り?」
「復活するとは限らないじゃん」
ただフィールドボスからドロップするアイテムは気になるからね。レアドロップなんてのも有るみたいだから、私達が手に入れていないものも有ると思うんだ。
だから手に入れていない物があると思うと……欲しくなるのが人情ってやつだよね! どんな物があるのか気になって仕方ないかもしれない。
「あ、出た。エリカの収集癖」
「そう言えば、向こうに居た頃も変なの集めていたものね。なんだっけ? 花はデフォだったのだけど、他にもサメとかイルカのぬいぐるみや着ぐるみとか」
「……トレカ」
物に狂っているみたいな言い方をして欲しくないなぁ……それにトレカは私じゃなくて私の弟のやつだからね?
「……という設定」
「設定じゃないから……」
全く……雪はこういう時に一言多いんだから。だから、雪もカウンターで弄られたりするというのにね。
「でも、前にサメの着ぐるみを着て、サメのぬいぐるみを抱えながら、お出迎えされた時は流石に吃驚したわよ」
「あ、あの時は桔梗がお見舞いに来てくれたときでしょ! 変な感じに事実を改変しないでよ……」
「そうだったかしら?」
「そうだよ。学校を休んだからプリントを届けに来てくれた時の話だよ」
あの時は風邪で高熱が出てたから、お気に入りの物を周りに集めて癒やされていたんだよね。だからお出迎えと言っても、ベッドの上に居ただけだし。
それを、まるで、あたかも、私が玄関まで桔梗をその姿で出迎えた印象があるような話し方をしなくても。
「インパクトが強かったのよ。そう、サメがサメを抱えてイルカを大量に侍らせていたのだもの」
……姿だけが脳内に残ったということなのかな? でも、イルカを侍らせていたと言っている時点で、状況的に玄関に私が出迎えに行っていないことになると思うんだけど。
もしかして私のイルカ達は空を飛んでいたと言いたいのかな。……そんな人形があるなら、ちょっと欲しいかも。
「って、話がそれてるよ!?」
「えっと、何の話をしてたか忘れたじゃん」
「ボスドロップとかの話だよ」
「そうだったわね。レアドロとかの話をするものだから、てっきりエリカの悪癖が発症したのかもって話になったのよね」
「悪癖じゃないからね!」
全く。可愛いものを集めたいってのは別に悪癖じゃないと思うんだけどな。
「雪だってウサギが好きだよね?」
「……もふもふ」
「うんうん。もふもふも可愛いよね」
あ、また話がそれていくじゃない。でも真面目に話をするのはコレぐらいにしたほうが良いのかな? 集中力が低下してきているみたいだしね。
それにまだまだ生産やそのための収集をする必要があるから、話をする時間は明日もあるからね。今日はもう適当に駄弁っておくのが良いかもしれない。
ブックマークに評価ありがとうございます!((*_ _))ペコリ
というわけで、第七章は終了です(*´ω`*)
この後少し閑話を挟んで、第八章に入りますよヾ(*´∀`*)ノ




