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新フィールドのモンスター達

 ――ふわふわとした存在がこちらを見ている。仲間にしますか?


 思わず脳内でそんなナレーションを流してしまった。だって、目の前では丸くて白くてふわふわもこもことしたのが、浮遊しつつ跳ねるようにしながら動いている存在がいて、それがまたこちらを見ているんだよ?

 見た目は真っ白な球体で、可愛い目が2つほどちょこんとついている。そんな感じのやつ。あれだね。白くしたマリモに目がついていて、それが空中をふっわふわと動いている感じ。あ、マリモと言うよりも某作品に出てきた黒いやつの亜種と言ったほうが良いかも。ただ、サイズはこっちのほうが大きいけどね。だいたい10センチぐらいから30センチぐらいまでのが居るかな。


 とまぁ、見ているだけなら問題がない存在。ただ、その可愛さにつられて触れようものなら……。


――――――――――――――――――

 しらたま


 特徴:ふわふわ! 風属性


 集団で空中を漂っているだけのモンスターだよ! 手を出さなければ問題ない存在かな。

 でも可愛いから触れたいよね? 触れても良いんだよ? ただ、その後の事は知らないから!


 敵対したら大変な相手。しらたま達は仲間をいじめた存在は許さないからね……一気に囲まれ、覆い尽くされ、そして……ボーン!\(^o^)/

 下手をしたら一撃で、そうでなくても大ダメージは間違いなしかもね。

――――――――――――――――――


 こんな鑑定結果をみせられ、だれが触れるというのだろうか。……まぁ数名ほど触れたそうにウズウズしているけど、それは全力で制止しておく。

 

「ぶっちゃけこれって空中機雷だよね。しかも、一つ爆発したら他がホーミングして襲ってくるタイプ」

「いろいろな意味で足止めには最適だよね」


 そうだよね。この可愛い見た目で間違いなく一度は足が止まるし、先に進もうにもかなりの量が居るから進むことが大変と、どう考えても時間がかかる相手なんだよね。


 とりあえずの考えとして、可愛さから来る手を出せないというのは横に置いておくとして。


 しらたま達を広範囲の攻撃で殲滅したとしよう。

 ただそれで全滅させることが出来るかどうかって話だよね。この広いフィールドに伐ち漏らしが居たとすれば、その時は一気に襲いかかって来るだろうから、本当に一気に殲滅するという方法がない限りは絶対に手を出してはいけない存在って事かな。

 とはいえ、進路方向にこいつらが居た場合はどうしたら良いのだろうか? という問題もある。それこそ、塔とかボスが居る場所を囲われでもしていたらと思うとね。


「漂うと書いてあるのよね? そうであるなら、時間が経てば移動するのではないかしら。ただその方法は、風任せなどの方法になる気がするけど」

「うへぇ……それはまた時間がかかりそうじゃん。一気に吹き飛ばす方法とか無い?」

「……風魔法?」

「魔法を使って敵対行動と捉えられたら不味いと思うけど?」


 皆で団扇でももって仰ぐとか? いや、どう考えてもそれってかなり微妙だよね。

 ただ、しらたま達を移動させる何かしらの方法を考える必要はあると思う。この場所は広いから迂回路とかも有るし、塔とかボスが囲われていたとしても待てば良いんじゃないかなと思えるフィールドではある。

 でもこれが、一本道な渓谷とか洞窟なんて場所が存在し、そこに出てきた場合はどうするんだ? という話になるから。


「何かいい道具でも作るしか無いかな」

「……扇風機?」

「候補としては有りかなぁ」


 とりあえず今回は迂回して行くけどね。現状は何の手立てもないから。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 なるほど。このフィールドでの法則とでもいえば良いのかな? それがなんとなく分かってきた。

 というのも、しらたま以外のモンスターなんだけど、余り見つからないな? と思っていたんだけど、それはこのフィールドだと当たり前の話で……。

 目に入るのは石碑フィールドにいたやつよりも大きなイノシシにガゼルやインパラみたいな奴ら。多分全部動物系じゃないかな? と思われる。思われると疑問形にしたのは、鑑定の範囲内に彼らが入ってこないから。アイツラ、どうやら警戒心が高いようで近くに寄ろうものなら直ぐに逃げていくんだよね。

 ただ、そんな動物達の天国かと思いきや、そういう訳でも無いようで……。



 よく目を凝らしてみると、木の上に待ち伏せをしている何者かが居るんだよね。

 そしてそれは斑模様の大型動物……ぶっちゃけヒョウだ。いや、ヒョウと言うにはちょっと大きい様な気がするけど。

 そしてまた、さり気なく動く草むらに目を向けると……こっそりとその巨体が隠れきれていないニシキヘビっぽいやつが居る。

 更には木で羽を休めている禿げた鷹達……いや、ハゲタカは俗称だったっけ、確か正確にはハゲワシかコンドル。たしかこいつらの元と言える生物は腐肉食もしくは屍肉食だから、獲物の横取りを狙いつつ木の上から周囲を見渡していると思うんだけど。


 多分このモンスター達という事は、しらたまの事も考えると、基本は待ち伏せ戦法なタイプなのでは? と思われる。

 ヒョウは木の上で待ち伏せをしながら夜になるのを待つし、蛇も水の中や草の中に木の上から突然現れるからね。で、ハゲワシに関しては横取り狙いと……動物を基準で考えたら、待ち伏せが基本であっているはず。



 でもモンスターだからなぁ。予想が外れる可能性だってあるわけで。



「とりあえず言えるのは、ここでのキャンプは絶対にやめたほうが良さそうだって事かな」

「映画とかみたいに、テントの外にモンスターの影がなんてことになりそうだよね」

「B級とかによくあるやつじゃん……」

「……J?」

「雪。今日は13日でもなければ金曜日でもないわよ。それに、此処は湖のキャンプ地でもないし、そもそもJはB級ではないわ」


 あぁ、アレは違う意味でモンスターだからなぁ。まぁ、この地に居るのは人型ではないからそちらの意味での恐怖は無いけど。

 ……でも喋るモンスターが居るんだっけ? テントで寝ている最中に、マチェットを持った影が写ったら。うん、とんでもない恐怖だよね。ただし、そういう事になることはないけどね! だってキャンプをするとなれば、皆で交代をしながら火の番をしつつ周囲を警戒するから。


 それにだけど、そもそもこの地でキャンプをするつもりは無いんだよ。もし拠点を作るのであれば、堅牢な要塞にしないとね。


「まぁそれよりも、ポータルで安全な拠点に戻ったほうが良いんだけどね」


 俺がそう言うと、女子たちも「やっぱりそうだよねー」なんて言いながら笑顔で頷いていた。

 まぁそうだよね。それぐらいは皆も理解しているか。理解した上で、会話のネタとして話しているんだろうね。


「あ、望月くん。モンスター達の鑑定は?」

「それが残念な事に範囲外。鑑定の範囲に入るとロックオンされると思う。ってか、既にこちらの事を認識はしているんじゃないかな。先程からチラチラと顔が動いているし」


 主にヒョウがだけど。


 奴の視線が、俺達と動物達の間を行き来しているんだよね。

 今のところは、ヒョウとの距離的に動物達の方が近いから大丈夫だとは思うけど、鑑定可能範囲内に入った場合はそれが逆転する。

 ただ逆転するだけなら、その場から直ぐ離れさえすれば良いかもしれないが、それでヒョウからのターゲットが切り替わるまでの距離を稼げるかどうかが問題。


「結構な距離を走らないとダメだと思うんだよね。ヒョウが動き出したら動物達も逃げ出すだろうし」


 そしてその場合。錬金馬と動物達のどちらが速いのだろうか。

 もし同レベルの速さなら、絶対に俺がヒョウから延々と狙われる事になる。そしてもし相手の方が早ければ? レベル的に大丈夫だと思うけども、万が一というのがあるからね。


 動物というデコイが作用している最中に出来ることをやりたいかな。

ブックマークに評価ありがとうございます!((。´・ω・)。´_ _))ペコリン

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