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さくさく行きましょう

 新しいフィールド。そこは、第1フィールドと全く同じコンセプトに見えるモノとなっていた。というのも、海と断崖絶壁という壁が両端にあり、その中間に森があるという環境。

 なので出てくる敵もそう強くないだろうなんて思ってたんだけど……。


「第1よりは強いけど、第2ほどは強くないといった感じじゃん」


 夏目さんは矢で森から飛び出してきたモノを一発で射抜き、少し物足りないといった感じでそう呟いた。


「……動物」

「のようね。七海が射抜いたのは、ドロップ化していないところを見るとただの動物という事になるわね」


 魔法矢ではなく、俺が作った石の矢で仕留めたらしく。息絶えて横たわっている動物は綺麗にヘッドショットが決まっているままだ。

 そして、冬川さんと秋山さんが言うように、もしこれがモンスターであれば倒しきった時にドロップ化しているはずで……。


「死んだふりでも無さそうだよね」


 可能性としてはモンスターが死んだふりをしているなんて事も考えられるけど、春野さんが「死んだふりじゃない」と判断出来るほど、この倒れたモノは微動だにしない。


「……弱くて当然」

「うぐっ……ど、動物じゃなくてモンスターだと思うじゃん」

「第1と同じコンセプトなのよ? それなら動物が出てきても可笑しくないわよ」


 動物だとモンスターみたいな強さを持っていないからね。

 どちらかと言うと、食料とか環境生物として用意しましたって感じの存在。……まぁ、チュートリアルウサギみたいな、憎たらしい存在が居るには居たけども、あれはちょっと特殊な存在という事で別枠判定にしておこうと思う。


 因みに、飛び出して来てしまい、夏目さんに射抜かれた存在は〝鹿〟だった。


「鹿って美味しいんだっけ?」

「食べたことはないわね。ネットとかで脂身が少なくて癖が少ないみたいな話は読んだことが有るのだけど」

「……美味?」

「それは食べてみないと……ただ、牛とか豚肉を普段食べていると、臭みは感じるって人もいるにはいるみたい」


 なるほどね。

 ただ思うんだ。俺達は島に来てから、ウサギ・イノシシの肉を食べてきているんだよね。まぁ、ウサギは別としても、イノシシは普通に考えると獣臭いハズ。だけど、処理方法が良いのか調理方法が良いのか、それともこの島のイノシシだからなのか、そこまで臭いということもなく美味しいと思いながら食べてきている。

 それなら鹿でも問題ないのでは無いだろうか? 勿論、熱をしっかりと通しておく必要はあると思うけどね。


「言われてみればそうよね……私達、普通にイノシシのお肉を食べていたわね」

「……美味しい」

「島で取れる肉は勝利が確定されてるじゃん」


 なんだかフラグを立てているような気がしなくもないけど、不味いと言うことはないだろうなと思う。

 もしかしたら、俺達の舌が多少変化している可能性もあるけどね。でも、食べ物を美味しく食べることが出来る変化だから、そこまで気にすることもないかな。



 そんな訳で、俺達は鹿を一頭まるっと確保しフィールドの探索を再開。目的は石碑がある場所を見付けること! なんだけど、ぶっちゃけソレは召喚精霊のちゅー太とちゅん吉に任せていたりする。そりゃそうだよね。だって彼らは空からの偵察と、森の中を縦横無尽に駆け回る事が出来るから。

 なので、俺達はキャンプが作れそうな場所を探しながら、素材になりそうなものを探しつつ進むことが出来る。と言っても、見つかる素材は……。


「ボムベリーとカエンタケね」

「……芋」

「ココヤシは要らないじゃん」


 とまぁ、コンセプトが同じだから手に入る素材も今の所似たりよったりといった感じ。もう少し奥まで行けば違ってくるのかもしれないけど、現状は期待薄かなぁ。


「……む、見つけた」

「見つけたって、石碑を発見したの?」

「……ん。ちゅー太」


 どうやら森の中でちゅー太が石碑を発見したらしい。


「ちょっと意外ね。コンセプトが同じなら、壁側で次のフィールドへと続く場所の近くにあると思っていたわ」

「あ、私も」


 秋山さんの言葉に同意するように女子達が頷いている。そして俺も、同じ予想をしていたんだけどね。なので、森の中で発見したというのは意外も意外といった気分なんだよね。ちゅー太に調査をさせたのも、万が一っていう考えと、どちらかと言えば生態調査とかのためだったからね。


「ま、見つかったなら見つかったで、まずはそこを目指そうか。もしかしたら良いキャンプ場かもしれないし」

「余り石碑とかの近くにキャンプは張りたくないけどね」


 それは同意だけど、流石にこっちがわのフィールドに来る人なんて早々居ないだろうし、そもそもこのフィールドに居座るつもりもないからね。

 なのでキャンプを張るといっても、テントを張って寝れるようにする程度のつもりなんだよね。


「……家は?」

「今回は作らないかな。と言うか、酔っちゃうけどポータルの使用が出来るわけだから、わざわざ毎回拠点を作る必要も無いかな」

「そうよね。転移酔いさえなんとかなれば、ものすごい便利よね……で、酔い止めか酔い覚ましのポーションは作れそうかしら?」

「あー……レシピはあったんだけど、材料が足らない感じ?」


 ちょっと特殊なコーヒーのような豆か茶葉のような葉が必要となっているんだけど、現状はソレを発見出来ていないからね。なのでレシピはわかったけど作れないんだ。


「次の目標が決まったわね。その豆か葉とやらを見つけ出すのよ」

「あの酔いは勘弁じゃん……」


 車で酔ったことがない人でもグロッキーになるレベルなんだとか。まぁ、転移って三半規管にアタックしてきてるって言うより、心身全てを揺らしに来ているって感じだからなぁ。きっと車酔いとは全く違う法則なんだと思う。

 なので、満場一致でその素材を探すという事に決まったわけなんだけど……。


「きっとこのフィールドでは見つかりそうもないかなぁ。コンセプトが第1と同じだし」

「実は私達が見つけていないだけだったりして?」

「可能性は否定出来ないわね。こっち側にくる出入り口も私達は見逃していたわけだし」


 とは言え、全ての調査をやり直すというのはちょっと辛いものが有るんだけど……でも探さない事には、あの酔いはどうしようもない。それに、多分だけど何度転移をしても克服は出来ないと思う。


「ただ探すにしても私達だけじゃ……ってそうよ。彼らにも探してもらいましょう」

「彼らって運転手さん達?」

「えぇそうよ。折角リンクでやり取りが出来るのだから有効活用しないと。それに、情報提供の対価にと言えば、快く受けてくれると思うわ」


 あぁ、そう言えば第1フィールドからの移動先が別にあるっていう情報も、リンクで向こうに教えたから対価を受け取ってないんだよね。

 なので現状貸しがある状態。その貸しを無しにするために物を探してほしいと言えば、秋山さんから聞いている運転手さんの性格を考えれば受けてくれるだろうね。絶対借りをそのままにしておきたくないタイプだろうし。


「さて、そうしたらちゅー太とちゅん吉なんだけど、この後はマップにいる動物やモンスターの調査で良いかな?」

「……ん」

「そうね。石碑にスマホを登録さえすれば、このマップのどこに何が有るかは分かるものね」


 そうそう。別のフィールドへ進む為の門はマップで確認出来るようになるからね。だから、今必要な情報はモンスターのデータが最優先かな。

 もしかしたら、森の中にとんでもないモンスターが居る可能性もあるからなぁ……。ほらだって、第1フィールドには蜘蛛とかいたしね? アレは配置ミスだったらしいけどさ。


 ただ、第1フィールドの配置は修正したみたいだけど、こっち側のフィールドは修正されずそのまま〝何か〟が配置されている可能性もあるわけだから。そこは注意しないとね。

ブックマークに評価ありがとうございます!(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ♡...*゜




此処から先、補足や余談が嫌な人は読み飛ばしてください。




景君はあの蜘蛛のような存在をかなり警戒しているようです。

というのも、討伐方法を確立した上で何とか倒した蜘蛛ですが、そのレベル差から来る強さやプレッシャーは生半可ではないものでしたからね。

ただ、それは相手が昆虫タイプだったから出来たこと。もし違うタイプのモンスターだったら? という懸念が拭えないのは、仕方がないこと。ある意味ちょっとしたトラウマというやつですね。



フィールドについては、あくまで似た感じです。

なので同じようなものを手に入れることができますが、〝鹿〟が出てきたように全く違うモノもいます。なので、完全に〝同じ〟というわけでは有りません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 祝200話 いつも思うけどこういう時っておめでとうございますでいいんですかね?それともお疲れ様ですとかの方がいいんですかね?作者様側からはどうなんです? これからも頑張ってください。応援し…
[良い点] 祝二百話 ありがたい [一言] 現代日本での異世界生活を再現してるような漫画 山賊ダイアリーによると 猟師の間ではシシ(イノシシ)肉は余らないけど 鹿肉は余るので贈答合戦になるってなってた…
[気になる点] 毎日のように誤字があるので、あげる前に推敲していただければ [一言] 200話到達おめでとうございます。 これからも更新楽しみにしています。
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