マップの思考で精神が崩壊しそう
「そんな訳で、この左右の出入り口は海岸沿いをぐるりと一周出来るように配置されていると思うんだけど」
「盲点だったわね。フィールドの移動先が一つしか無いと思っていたのだから、他にも有るなんて考えたこともなかったわ」
「えっと……つまりはどゆ事?」
「七海それはね、第2フィールドが実は1つじゃなかったって事だよ」
「……七海が混乱する」
冬川さん……君、夏目さんが混乱すると言いつつ、自分もよく分かってないでしょ。
その、さも自分はわかっていますみたいな感じを出さなくても、目が泳いでいるのは皆分かっているからね。
ただまぁ、春野さんの言っていた「第2フィールドが1つじゃない」というのは、ちょっと分かりづらいかもしれないね。
だけど既に第2フィールドから続いている湖を第3フィールドとか名前を付けちゃっている以上、第2フィールドが複数あると言ったほうが整合性が取れるというかなんというか……。
「そうね。便宜上だけどこの第1フィールドから続く先なのだけど、私達が行っている第2フィールドを2-Aとし、左右につながる先を2-Bと2-Cとかと呼べば良いと思うわよ」
「ん、あぁ、なるほど! そう言われると納得出来るじゃん」
「……その先は?」
「第3フィールドの事を言いたいんだと思うけど、その場合だと第2フィールドのAから進んだ場所はAー3とかになるかな。複数ある場合もそこはA-3-Aとかそんな感じでナンバリングしていけば良いと思う」
脳内でやると処理が大変だけど、それはマップアプリに記入しておけば迷うことはない。……と思う。
とりあえず、今回は例題としてナンバリングの仕方を適当に言ったけど、多分何かしら分かりやすい方法はこれから考えていけばいいと思う。
「……何処かで重なる?」
そんな中、冬川さんが突如としてそんな事を言い出した。一体、重なるとはなんの事だろう? ただ、本人も上手く言語化出来ないのか、説明をするのが難しいようで「うーん」と言いながら眉を顰めている。
重なるってなんだろう。別にナンバリング自体はしっかりと管理していけば重なるなんて事はないと思う。すると、重なるのはナンバリングの事じゃないだろう。
なら他に何が?
マップが重なる? フィールドが重なる? いやいや、そんなものをどうやって重ねるんだ。そういうのは一つしか無いのだから重なりようが無い……よな? いや、島だから可能性はあるのか?
「あ、重なるってもしかして、行き先がってことかしら?」
「……ん? んー……ん!」
何やら秋山さんが思いついたらしく、ぼそっと一言呟いた。すると冬川さんがそれに反応したんだけど……「ん」だけで表現はやめて欲しい。それを読み解く必要があるから余計混乱しそうだよ。
ただ、今回は混乱する前に秋山さんから説明があったので助かった。
どうやら、重なるというのは、例えるならA-2から行った場所とB-3がそれぞれ同じ場合もあるのでは無いか? という事らしい。
コレ自体、有るのではないか? という可能性ではなく、確実にあるって話になると思う。だって、この第1フィールドにある残りの出入り口って、島をぐるりと周るように用意されていると思う配置だからね。
となると、内陸部にもそういった〝被り〟が発生する場所も当然だけど有るんじゃないかな。
「その場合、ナンバリングが大変って言いたいのよね」
「……ん」
コクリと頷く冬川さん。
確かに、A-2-Cから行った先と、B-2-Aから行った先が一緒とかになれば、一体どういうナンバーにしたら良いんだ? って話になるよなぁ。
片方からしてみればC-3で、片方からしてみればA-3になるのか? いや、この場合は更に記号をAC-3といった感じで増やして……あぁ、そう考えると確かに面倒だね。それに、その書き方だとA側から行った場所としか判断出来ないし。
「割と大変だなぁ……これ、第1フィールドとかって言い方から変えたほうが良いのかな?」
「頭が混乱しそうだよ」
「マップアプリも微妙だものね。島の全体図はみれるのに、その全体図ではフィールドが分けられていないもの」
秋山さんが愚痴る。
というのも、このマップアプリはピンが刺さっている場所を触れると、自分の現在地が分かる。そして、後は明るい場所と暗い場所ぐらいしか判断が出来ない。……多分、この明るい場所が開放されたフィールドなんだろうけど。
それ以外が全くなんの情報もないんだよね。島全体のマップは。
では、なんで石碑とかの場所がわかるの? って話なんだけど、それは島全体のマップではなくフィールドマップなんだよね。
フィールドマップは、所謂そのピンを触れた時に自分の現在地がクローズアップされるんだけど、それがフィールドマップなんだよね。で、そのモードだと違うフィールドのマップへ行くことは出来ないと……なんとも不親切だったりする。
島全体マップに色々と表記しろや! って思うんだけどなぁ。どうやらそれは無理らしい。
なのでよくある、マップに碁盤の目を付けX軸とY軸の数値で割り振るというのも無理なんだよね……。将棋みたいに7二銀とか言えたら楽だったのに。
「ポータルの表記で言うとか? 今のところ被ってないのだし」
「第1フィールドだと石碑マップ? 第2だと塔で第3はストーンサークルだよね。でも、そのうち被るんじゃないかなぁ」
うん。もうこのまま第1や第2でやっていくのが楽な気がしてきた。
それこそ、次行ったマップ……例えば、この第1から続く左右のどちらかへ行った場合は、其処を第4とする。コレで良いんじゃないかな。まぁコレも少し混乱しかねないけど。
「まさかこんな事で悩むなんて……」
「マップに罠が仕込まれているなんて誰も考えないよぉ」
「お手上げじゃん」
まさかモンスターよりも手強い相手があっただなんて。いやまぁ、この場合は大半が考えすぎでの自爆とも言えるんだけど。
「まあ良いわ……とりあえず、一つのフィールドに複数の移動先があると分かったのなら、次はどこへ行くべきかしら?」
「第1フィールドから続く場所か、それとも第2フィールドから続く場所が良いんじゃないかな?」
因みに、第2フィールドのマップはまだ調べていないから現状は何も分かっていない。それと、第3フィールドの出入り口は第2フィールドから来た場所以外だと1つしかなかった。まぁ、だから第3フィールドでマップの確認をした時には何も分からなかったんだよね。
「流石に第3フィールドの湖をもう一度渡るのは厳しいのよね。あそこから次のフィールドへ向かおうにも、巨大な何かが居るものね」
「だよなぁ……流石にアレとは戦えないじゃん」
「……不足」
「そうだよね。装備の質もレベルも上げておきたいよね」
ただ、俺達だけでこの複数分岐するルートを全て調査するのは厳しいと思うんだよね。だから此処は、運転手チームに情報を提供して巻き込むのが良いかもしれない。
多分だけど、第1フィールドから続く先なら其処まで強いモンスターが出ると言うことは無いと思うから、生産職でもアタック出来ると思うし。
あ、でもこの考えって少し危険かな? 第3フィールドのモンスターはフィールドの状況もあったけど、かなり強敵だったしね。
「ま、しっかりと注意してアタックをって感じかなぁ? 第2フィールドクラスのモンスターが出ると思って挑めば何とかなるでしょ」
「なんだか不安が残る言い方な気がするよ」
それは否定しないよ。だって、俺自身も少し不安だしね。だからこそ、出てくるだろうモンスターの強さは少し高めに考えておく。……例えば、あの蜘蛛みたいなやつが出てくるかもって感じで。
ブックマークに評価ありがとうございます!(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ♡...*゜
此処から先、補足や余談が嫌な人は読み飛ばしてください。
景達の思考はドツボにハマっていますが、それも仕方なかったりします。
なにせ、彼らはフィールドの総数を知りませんからね。なので、この先どれだけフィールドがあって、そのうちいくつフィールドが被るのだろう? そして、その場合のナンバリングは? と悩むのは当然でしょう。
島の全体マップがマップですからねぇ……せめてそこに石碑などのランドマークが表記されれば別だったのでしょうけど。システムさん改善してくださいと、景達は願っているでしょう。




