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嬉しいけど、ほんの少しだけ虚しい発見

 召喚した精霊達に魔石の回収が出来るかどうかを試してもらっている間、俺は島の反対側を調査することにした。

 反対側から見える景色は、何時ものフィールド間を分け隔てている巨大な壁が湖の向こう側に見えるといった感じ。

 こう見ると向こう側にある陸地は、確かにこの島に来た時よりも短い距離を航行すれば行けるのが分かる。とは言え、問題はそこじゃない。その島と陸の中間地点辺りに余計なものまで見えているんだよね。


「あー……アレは航行中にみた巨大なモンスターの背だよね」

「回遊せずに留まってる? 休んでるのかな」


 春野さん。やつの場合はフィールドボスの可能性が高いから、回遊というよりは縄張りの見回りだと思うんだけど。


 しかし何で留まっているんだろう? 本当に休んでいるだけなのか、それとも俺達が島辺と上陸したからソレがキーとなっているのか。

 どちらにしても、この状況では湖を渡って次のフィールドへというのは無理そうだね。もしかしたら湖を渡れるかも? という思いはかすかにあった。とは言え、元々第1フィールドに戻る予定ではあったからね。この状況を見たことで戻ることが確定したって事でいいかな。




 とりあえず。これで第1目標である地形の確認は達成かな。だから、第2目標を手掛けていこう。


「そしたら、春野さんは俺に支援を宜しく。で、終わったら皆と合流してもらうって感じかな」

「オッケー。えっと、〝水中呼吸〟と〝フィジカルブースト〟にオマケの〝リジェネレーション〟」

「いや、ダメージは喰らわないと思うけど……」

「一応だよ一応! ほら、採掘とかって何が起こるか分からないし」


 念の為というやつか。確かに今から俺は周囲に使える素材がないかのチェックをするつもり。

 そして勿論、それは水中も含まれる。うん、だってこちら側って何かありそうな雰囲気が凄いからね。


「向こう側にある壁もすごいけど、此処も切り立った崖って感じだもんね」

「洞窟とかでも有ってくれたら、いい感じに採掘が出来そうかな」


 目指すはトロナ。他にもいい感じの鉱石があったら嬉しいかな。


「ただ洞窟だと崩落とか毒ガスとかもあるかもしれないし。水中だと毒蛇とか居るかもだからね」

「ダメージを受ける可能性はモンスター以外にもあったかぁ」


 だからこそ、念の為の〝リジェネレーション〟という事らしい。

 うん、正直な話。モンスターばかりと戦ってきたからか、モンスターの攻撃以外でダメージを受けるという事が頭から少し抜けていた。

 毒とか状態異常関連も、モンスターの攻撃有りきってイメージになってたからなぁ。これはあまりよろしくないので、一度しっかりと考え方を修正しないとね。


「それじゃ、向こうは戦闘とかやってるかもしれないし、早めに戻ってあげてね」

「了解。望月君も気をつけてね」


 「あいあい」っと言いながら背中越しに手を振って、俺はこの切り立った崖を降りる道を進んでいった。……道なんて立派なものはないけどね。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 魔法が切れ呼吸ができなくなった為に急いで水上へ。


「ぷはぁ……はぁ……はぁ……これは、水中呼吸の弱点が発覚したな。何時きれるか分からないから、余裕を持って行動しないと」


 まだ行ける。もうちょっと。この考え方は危険過ぎるな。もしもっと深い所へ潜っていたら、溺れていたかもしれない。

 この事は次からの課題という事で……。


「それよりも、結構な量の鉱石を確保出来たかな」


 残念な事に、崖や水中に洞窟は無かった。だけど、湖底には結構な鉱石が顔をひょっこりと出していたので、俺はその鉱石を確保する事にした。

 ただ水中発掘という事で鑑定は全て後回しにし、何やら光っていたりする感じの物とかを優先的に採掘したって感じかな。



 さてさて、収穫は如何なモノかな? と、俺は確保した物を鑑定していった。


「……げ、コレはただの石ころかぁ」


 思わず愚痴ってしまうのは仕方がないと思う。だって、頑張って潜って採掘したものが、鑑定でただの石でしたなんて言われたらねぇ。

 とは言え、全てがただの石という訳でもない。


「これはトロナ。こっちはボーキサイトっと、ボーキサイトってなんだったっけ、何かのゲームで重要素材だったと思うけど。あ、これは鉄か。っと、こっちがニッケルにクロムと。あれ? 何この謎な鉄? は」


 鉱石祭りだ! と言いたいけど、その殆どが何に使うか分からないんだよね。ただ、何処かで聞いたことが有るなと思うものが多い。多いんだけど、その中で全く訳がわからない物が有った。


――――――――――――――――――

 精霊石(普通)


 特徴:水属性


 水の精霊が沢山いる場所で稀に育つ結晶体だよ。コレを見付けることが出来た人はかなりラッキーかも!! ( ̄ー ̄)bグッ!

 精霊石って名前だけど、別に精霊が結晶体になっているとか、精霊が封じ込められているわけじゃないからね? 精霊の力を浴びた結晶体が、浴びているその力を吸収して精霊石と化しているの。だから間違えちゃ駄目よ。


 武器によし、防具によし、錬金素材によしと、なんにでも使えるから色々試してみると良いかも? ただ、貴重な物であることに違いはないから……気をつけてね。

――――――――――――――――――


 万能素材ということらしいけど、手に入る量が少ない為に貴重な素材。

 しかもこれは水属性となっている事から、恐らく他の属性も有るんだろうと思われる。


 うん。分かってはいた。此処は島だから、地球とは全く違う素材が手に入るかもしれないという事ぐらい。

 でも、錆びた鉄とかそんなのが手に入ったのを見て、鉱石にとんでもない物があるとは考えていなかったんだけど……やっぱりあるよねぇ。

 ただこれが、誰しもが知っているミスリルとかオリハルコンとかじゃなかっただけ良かったのかな? いや、良いとは言えないか。もしそれらだったら、もっと使い道を決めるのも簡単だっただろうし。



 ただ、見つけたものはこの精霊石だけじゃない。


――――――――――――――――――

 魔鉄(普通)


 特徴:水属性


 魔力を帯びた鉄で、水中に有ったためか水属性になっちゃってるよ(*´∀`*)

 ただ水属性になってるから鍛えるのは大変かも? がんばってね! としか言いようがないわね(๑•̀ㅂ•́)و✧

――――――――――――――――――


 うん。本当に一体どうやって使えと? てか、水属性の鉄って事は錆びたりしないのかな。もしそうならどれだけありがたい事か。

 素材を集めてステンレスでも作れたら! とか思ってたけど、正直ステンレスの素材って何か知らないからなぁ。ただ、属性で全てを解決出来るなら話が早いもんね。


 そんな訳で、これは鉱石集めをもっとしっかりと行うべきではないか? という発見になるね。もしかしたら、今まで見落としていたものがあるかもしれないと思うと。うん、勿体ないことをしていたかもなぁ。


「それにしても水属性か。火属性の敵が大量に出てくる所だと効果大なんだろうけど、そんな場所あるのかな?」


 もしかして火山フィールドとか、そんな場所でもあるのだろうか。……普通にありそうで怖い気がする。


「あ、そう考えたらだけど、もしかして水属性に強い素材が手に入る場所があったんじゃないかな?」


 第2フィールド辺りに、そんな素材が回収出来るポイントがあっても不思議ではないよね。

 だって今の装備でこの湖を攻略するとか、普通に難しすぎる。そうなると、何かしらの素材があった可能性は高い訳で。


 もしかして、本当に攻略方法を間違えていたのでは? という思いがふつふつと湧いてくる。


「ま、まぁ……マップが強化されたし、これからはもっと細かくマップチェックを行えば、そういった漏れもないかも?」


 もっとフィールドワークを強化しようと思う発見達だったなと、しみじみと実感する結果だったね。

 しかし、今更第2フィールドの探索を行うのも……もう既に運転手チームの人達もそこで活動しているからね。これは、情報を提供して色々探ってもらうのが良いかもしれないね。

ブックマークに評価ありがとうございます!ヾ(*´∀`*)ノ

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