探索再び
本日のラスト(`・ω・´)ゞ
時間を忘れて色々と物作りをしてしまった……。ただ、その作った物なのだが、現状直ぐにどうこう出来るような物ではない。
石レンガとか石レンガとか石レンガとか、正直石ころを石レンガにしておくと言うのは、石材としてストックしておくにしても便利だからな。思わず大量に作ってしまった。
後、昨日の内に森の中で確保して来た物の鑑定もしておいた。
しかしその大半は……到底食べられる様なものでは無かったようで。
鑑定物その1.カエンタケ。
ただしこのタケは、昔に聞いた事がある猛毒のキノコなどではなく……ガチで火を噴く名前通りのキノコだ。
このキノコに刺激を、それこそ踏みつける様な感じの攻撃を与えると、キノコが勢いよく炎を上げる。正直、これを確保した時に火を出さなくて良かったと思った。運が良かったのかな?
鑑定物その2.ボムベリー。
うん、これも名前の通りだ。
甘くて美味しそうな実と思うなかれ、これまた刺激を与えると勢いよくボム! と破裂する。
爆発自体は其処まで大きなものでは無いが、誤って口にでもしようものなら歯が粉砕されて歯無しになってしまうだろう。入歯必須案件である。
鑑定物その3.タケノコ。
これは普通に食べる事が出来るモノで、良く知るタケノコだ。
ただし、あく抜きはしっかりやっておく必要があるようで、それをやらねばとても食えたものではないえぐみを感じるらしい……それはそれは、地球で感じるモノとは全く違うレベルで。
鑑定物その4.薬草。
薬草キター! 鑑定してみれば判るが調薬には必需品とあった。
ただ、そのままでも使えるは使えるらしく、怪我をした患部に巻き付けておくだけでも効果が有るらしい。しかし、一つだけ注意しないといけない事があるらしく……ソレは次のモノなのだけど。
鑑定物その5.毒草。
薬草そっくりの毒草。触れる程度ならば問題は無い。しかし、怪我をしている場所に触れたり、口にするなどはもってのほか。
毒素次第では地獄を見る事になる。もしくは最悪死に至る事もあるだろう……なんて書かれていた。
「まぁ、これは鑑定が有るからこそ回避できる話だな。うん、アルケミストを選んでおいてよかった」
本当に、心からそう思うよ。
これ以外にも色々とサンプルを確保した物もあるのだが、その大半が〝食べる事の出来ない物〟ばかりだったというのは最初に言った通りで……ただし、その殆どが錬金術で使えそうな素材と思える代物。
ほらだって、ねぇ、カエンタケとかボムベリーなんて上手く錬金を行えば、消費アイテムを作り出せそうじゃないか。
こう、竹筒に蔦と合わせて火炎瓶やら爆弾とかなんかも作れそうな気配がビンビンで!
あぁ、他にもこの毒草を思いっきり抽出してから竹槍に塗るとか、いやいや、それよりも小さく鋭い石片を作ってからソレに塗って、竹筒の中にそれと一緒にボムベリーを仕込むとか……。
「やばい、これはアイテム作成の思考が加速する」
まてまて、ボムベリーだと爆発力は小さいから何とかして大きくせねば……カエンタケと混ぜるか? いや、それだけで火力が上がるだろうか。
もしかしたらもっと面白い素材がもっと転がっているかもしれない。これは探さねば!!
「あぁ、人が群れている煩わしさから解放されて、これだけ好き勝手に出来るなんて……此処は天国なのだろうか?」
もしかして、本当なら今頃俺は死んでいるとか? そして、既に荼毘に付されたとか。
うーん、それならそれでまぁ良いか。どうせ誰も悲しんでなんかいないだろうし、なんなら面倒な奴がいなくなったとせいせいしたなんて言っているかもしれない。
うちの両親……全く俺の言う事なんて信用してくれなかったからなぁ。
やれ「お兄ちゃんが言っているんだから!」とか「学校でこう言われたんだから!」とかって、全く俺の話を聞こうとしなかった。
そりゃ、俺が人間嫌いにもなるさ。それら全て……冤罪だったんだからな。いや、冤罪どころか、相手による確信犯と言うか……やめやめ! こんな楽しいところで暗くなる話は考えない!
「さてと、此処は気分を変えて罠でも見に行くか……昼食は取らないにしても夕飯は確保しないとだし」
鑑定した結果。食べる事の出来る物は殆ど無かったんだ。だからしっかりと確保しに行かねばならないだろう。
確かに鞄の中にはお菓子やらなにやらと残っているが、それらは賞味期限がまだまだあるので保存食として取っておきたい。
そして、出来れば香草とかの類も回収しておきたいからな。塩味以外の味のレパートリーを増やしたいんだよ。
という事で、少し物作りによって時間をたっぷりと使ってしまったが、今から探索を行うとしよう。
持ち物はスマホと竹槍……あ、石槍を作ったんだから石槍を持って行こうか。それと石斧とボーラ。後は念の為の薬草に、無害な葉を錬金して作った包帯。
「後は水筒と塩かな。最悪は塩を舐めて水を飲めば当分生存できるしな」
そしたら、後は鞄を例の場所へ隠しておくとして、これで準備は完了だ。後は森に入って夕飯を探すだけ。
森の中を進んで行く。
残念な事に、ウサギ用トラップはまだまだ俺の臭いが染みついているのか、何も獲物は掛かっていたなかった。
しかし、それにしてもと思う事がある。
この森の中。もっと虫などが居るかと思っていたのだが、虫除けを塗ったからなのか、それとも虫殺しの煙を焚いたからなのか、虫の姿を全く見ていない。
あ、一応だけど、虫除けはハッカなどの草から、錬金術を使ってエキスを取り出して作った物だったりする。
今も専用の竹筒の中にその液体が入っていたりするんだけど……。
「これだけ虫を見ないとなると、虫除けって要らない子?」
虫除けが効きすぎているのか、はたまた最初からこの場所には虫が存在しないのか……。
はっ!? 虫が存在しないとなると……これは、最悪の状態になった際の非常食が無いと言う事になる!! 某動画の退役軍人の冒険家が「ウジ虫だって貴重なたんぱく源」と言っていたじゃないか!
とか言ってみたけど、正直そんなモノを口にする勇気は俺には無い。
誰が、あんな、うにょうにょとした群れを、手に取り口の中に入れる事が出来るかぁぁぁぁぁぁ! って話。
いや、言っていることはわかるんだよ? 確かに生死の分れ目ではそう言ったものも貴重だって事は。でも、でもだ! こう、日本と言う箱庭で過ごして来た俺の感性が、ウジ虫……と言うか昆虫食を否定しているんだよ。
確かに、田舎の方とかに行けば! イナゴの佃煮とか蜂の子とかあるけども!! 正直、ごめんなさいと言いたい気分になるのは俺だけではないはず。
「ただなぁ……今後の事を考えると虫も食えるようになるべきなのだろうか?」
正直、悪食の一種だと思うんだけど、しかしそれしか食べれないとなれば……ぐぬぬぬぬ。
「いやいや! 此処は、食に困らない様にしっかりとした調達を行えば良いか。有難い事に海とかも近くにある訳だしな」
それに、今この場で虫は全く目にしていない。
もしかしたら、木の表皮を剥がしたり、土を掘り返してみれば、うにょりと存在しているかもしれないが。……其処までやって確認する必要なんて無いよな?
という事で、此処は虫が居ない事に感謝して探索を進めるとしよう!
何、奴等が出てこないお陰でスムーズに歩めるのだから、色々と気に掛ける時間が短縮できるというもの。
そんな風に考えてたのが間違いだったのだろうか?
折角スムーズだったというのに、挑発して来たウサギなど人形のように可愛いと思える存在と、俺は今エンカウントしてしまった。……本当これ、どうしよう?
主人公がはちゃけだしています。
周りに苦手な人がおらず、もくもくと自分のペースで行動が出来る。現状の彼にとっては最適な環境なのかもしれません。
ですが、当然問題は起きる訳で(-"-)