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追い込み

 ラストスパート! だというのに、纏まってしまったシュンメー達。

 さぁどうしよう? という話なんだけど、これは結構単純な方法で答えを出す事が出来た。


「拠点内にトラップを仕掛けたら良いんじゃないかなぁ?」


 なんて事を口にした春野さんに、俺達は揃って思わず「あっ」と声を出してしまったんだよね。

 そうなんだよ。トラップを仕掛けておけば問題は解決するんだよ。ってなんで気が付かなかったんだろうと思う。そもそも、海辺に拠点を構えていた時には砂浜に大量の地雷を仕掛けていたというのに……。


「……雨天が悪い」

「あー……雨であの地雷群は使い物にならなくなったからね。それ以降は地雷を使う考えが無くなったんだっけ」


 地雷の中身が湿気ったり、水に流されて何処ぞかへといってしまったりと、地雷そのものが機能しなくなった。そんな事が有ったために、地雷=雨季には使えないモノという構図が出来上がってしまっていた。

 そして、余り雨が降らないとはいえ、全く降らない訳では無いこの新フィールド。ちょっとだけ降った雨を見て、地雷という選択肢は自然と脳内から排除されてしまっていたんだよね。


 だけども! 別に雨が降っていない現状。戦闘の保険として使うには十分といえると思う。という事で、俺は手持ちの……ってしまった。


「爆発系が無い。あるのって焼夷筒だけど、あの魔改造でもない限りは火属性のシュンメーにはダメージが入らないと思う」

「あー……でもあれって、作って即起動するのよね?」

「そうだね。だから地雷としては使えないかな」

「となると、バブルボムを使う感じ?」

「かなぁ。それも麻痺仕様かな。毒でダメージを与えるのも良いけど、それだとシュンメーは暴れる事が出来るからね」


 麻痺らせて足を止める。そこを皆でふるぼっこ! 多分これが一番安定すると思う。

 という訳で、あるだけのバブルボム(麻痺)を、そこら中へと仕掛けていく。

 当然だけど、人からは何処に埋まっているかが直ぐに分かるようにはしておく。……自滅したら意味が無いからね。


「てか、走行中の奴に投げつけるのはダメなん?」

「それも良いけど、そうなると他が巻き込めるか微妙だからね」


 それに、何時麻痺が解けるか分からない。割と早く麻痺から解放されてしまったら、使ったバブルボムが勿体ないって話になってしまう。

 だからこそ、確実に倒せる状況で使った方が良いって話なんだよね。


「後は私のゴーレムクリエイトね。まだ能力は低いけど、麻痺をした相手を抑え込むには十分だと思うわ」


 秋山さんの新しい魔法であるゴーレムクリエイト。

 現在はまだまだ能力的に微妙といえる魔法なんだよね。何せ足は糞が付くほど遅いし、大きさも其処まで巨大と言う訳では無い。えっと、冬川さんよりは大きいと言った感じかな。ただ、土などで出来ているから重量だけはある。

 だから、麻痺した相手を抑え込むには十分な魔法だったりするんだよね。


「まだまだ壁役に使えないのは残念なのだけどね」

「……精進が必要」


 精進って……。

 ただ恐らくだけど、ジョブがアップしてスキルを割り振れば一気にゴーレムの能力も向上するんじゃないかな? って皆予想している。というよりも、このままだと使い物にならなさすぎる。

 正直な話。これがフィールドボスを討伐したボーナスで良いのかよ! って思ってしまう内容だからね。だからこそ、恐らく成長性が有るんじゃないかな。


「そしたら流れをおさらい。まずは夏目さんの弓で先制攻撃。そこから俺も混ざって矢とダーツを連射。シュンメー達がある程度接近して来たら魔法の雨を降らせるって感じで」

「後はシュンメーの行動次第って所ね。逃げる奴は放置して、飛び越えて来た奴はトラップに引っかけるで良いのかしら」

「……誘導」

「飛び越えた時の着地点は予想出来るから、後はそれに合わせて位置取りをする……だね!」


 しっかりと方針を決めておく。

 これで、誰一人として怪我をする事が無い……と思いたいなぁ。


「とりあえず冬川さんだけど、ちゅー太にはくれぐれもトラップゾーンでの挑発はしない様にお願いしてね」

「……任された」


 折角仕込んだトラップを、あのスズメ達の襲撃で破壊されたくは無い。

 なので、ちゅー太には少し離れた場所でスズメを引き付けて貰う役割をして貰う。そうすれば、スズメによるトラップの起動は無くなるハズ。


「そしたら、レベルを後2と3かな? 上げるだけだから、そこまでがんばろー!」

「「「おー!」」」

「……もきゅ」


 ……何やら1名が不思議な声を出したけど何だったんだろう?


 気になるけどそれはスルーしておくとして。とにかくラストスパートだ。ここで30になってしまえば、この後がきっと楽になるはず。

 いや、色々生産をしないといけないから楽では無いかも? まぁ、楽しいからそれはそれで良いんだけど。


 ともあれ、シュンメー達はこちらの思惑通り動いてくれるだろうか。しっかりと麻痺ってくれたら良いんだけど。それ以前に、さっさと余った奴は撤退してくれる方が一番良いんだけどね。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 馬狩りを行って数時間。それはもう、猛烈と言う勢いでシュンメーを討伐して行っている。


 そもそも資材には困らない。だってアイテムチェストの中には石材と木材をつめ込んで来ているし、ダーツの強化に使うモンスター素材はシュンメーが自ら運んで来てくれている。そしてまた、ちゅー太によるスズメ狩りも順調だ。なので素材に困るなんて事は無い。

 多少気になるとすれば、石材と木材の消費だけどね。こっちは補充する事が出来ないから。

 一応だけど、破損したダーツは回収してしまえば修理する事が出来る。その場合は、制作時よりも少ない素材で修復できるから、出来るだけ破損したダーツは回収。まぁ、ロストしてしまった物はどうしようもないけど。


 てなわけで、俺は錬金台を出しっぱなしにして、戦闘と戦闘の合間に錬金術。

 消費している魔力も、しっかりと休んで回復させるんだけど、錬金術を使っているから女子達よりも少々その回復スピードが遅い。だけどそれは仕方ないよねって事で。


「魔力回復系のポーションが欲しくなるなぁ。現状は傷を回復したりする物しかない」

「あはは……でも、飲み過ぎるとお腹タプタプになっちゃうんじゃない?」

「その可能性は否定出来ないなぁ。これだけスキルと魔法攻撃と錬金術を行使してると、魔力が幾らあっても足らないし」


 ぐったりと倒れながら目を瞑って回復に勤しむ。現状はそれぐらいしか回復する手段が無い。


「お米を食べるってのも手かもしれないけど……」

「調理する時間が必要になるのよね。それに、食べ続けるって訳にもいかないわよね」


 そんなのポーションを飲むよりもお腹がタプタプ……いや、ぽっこり状態になってしまう。そんな事になれば、食べ過ぎた状態になって、苦しくて動けなくなってしまうんじゃないかなぁ。


「ま、まぁ。まだ回復するアイテムなのかどうかわからないし。とりあえず、それらは今後調査するって事で」

「……食べないの?」

「雪はお腹が空いたのかしら?」

「……幾らでも入る」


 なんて羨ましい。ってか、その小柄といえる体のどこへ食べ物が入っているんだ……。いや、胃だってのは分かってる。分かってはいるんだけど……明らかに俺達よりも食べている量多いよな?


「……おにぎりがいい」

「今は作れないから……とりあえず、拠点に戻ってからね?」

「……残念」


 と、とりあえず。

 おにぎりを楽しむかどうかは別として、このペースで狩りを続ければ今日明日の内に皆のレベルが30になるかな? なると良いな。

 ただ、その為にはもう少しブラックなデスマーチと言える戦いをしないといけないけど、なんか女子の皆さんはノリで乗り越えちゃいそうなんだよなぁ。……これ、気にしているの俺だけかな?

ブックマークに評価などなど、ありがとうございますm(_ _"m)



効率を求めた結果。狩場に座り込んで次々とモンスターを倒す。ネトゲあるあるですよね。

トレインをして、範囲持ちのお方にぶっぱなしてもらって、ヒーラーに回復してもらう。基本戦術ではありますが、魔力回復の為にトレイン役以外は座り込んでお喋りをするまでが基本。……トレイン役の人が少し可哀そうだなぁなんて思ったりも。ただ彼等はMですので、喜んでモンスターを引っ張ってきますよ?(まて

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― 新着の感想 ―
[気になる点] トレイン役はMなのは、あまり否定しないけど… [一言] ただのスピード狂と言う説も。 加速バフ貰って釣ってヒャッハー俺!最速!ってやって、釣り過ぎでラグって床ペロまでが定番
[良い点] MMOに良くある作業部分のあの雰囲気がめちゃくちゃ再現度高い… あのちょっとグダッとしてくる感じ…
[良い点] MMOに良くある作業部分のあの雰囲気がめちゃくちゃ再現度高い… あのちょっとグダッとしてくる感じ…
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