さぁ冒険だ……と、直ぐにはならない朝
朝目が覚めて真っ先に思い浮かぶのは……朝食の献立。
ただ、残念な事に今この環境下だと、沢山のレパートリーがある訳じゃない。なので少しでも変化が加えられるようにと言う事で、昨日考えていた山椒モドキを鑑定しなおしてみよう。
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サンショー・ポット(普通)
特徴:ピリピリ
山椒に近いモノが大量に入った実。見た目は緑のレモンだけど中身は違うよ!
後、緑色の皮に見えるけど、実はかなり硬い殻。だから割るのも一苦労するかも? 専用の道具を作るか、ステータスで力押しをすると良いかもね! あ、でも戦士系じゃないと辛いかも(>_<)
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あれ? 名前が変わっているな。前鑑定した時は〝山椒もどき〟だったのに。
これはシステムが修正したのか、それとも鑑定のレベルが上がった為に起きた現象なのか……まぁ、どちらにしても、この緑のレモンっぽいのは〝サンショー・ポット〟という名前って事だね。そのまんまだなぁ。
で、特徴だけど……それは特徴なのかな? いや、言いたい事は分かるけどね。でもそれを特徴として書くかって話だよ。あぁ、なんかやっぱりシステムなんだなぁ。
そういえば追記も少し変わってるかな? 前はもっと単純だったと思う。
確か〝山椒っぽいもの! 調味料の一種だよ!!〟的な感じの鑑定結果だったハズ。追記も名称と同じで、修正されたのか、もしくは鑑定レベルが上がったから内容が変わったのかもね。
さて、それにしても皮だと思ったけど実は硬い殻だそうで……そうなるとちょっと今直ぐ使うのは無理かな。触れた感覚は〝皮〟って感じなのにね。なんなら少し柔らかい気もするよ。
「この島特有の植物って事なんだろうなぁ」
ただまぁ同じ植物に見えて、大体同じ内容だったとしても、何処か違ったりする部分もあるみたいだから、全ての植物が島特有のモノと言った感じなんだけどね。だから今、俺達は大量の新種を発見している! んだけどなぁ……残念な事に、これらを発表する機会は今のところ皆無なんだよね。戻る方法なんて見つかっていないし。
「ん? ってあれ? なんで俺、戻る方法とか考えているんだ……」
なんだろう。オカシイな。とってもとってもオカシイな。
だって俺は、女子達の前では絶対に言えないけど、この島に来て思わず「よっしゃぁぁぁぁ!」と叫びたくなるほど、解放された気持ちでいっぱいだった。そしてまた、戻りたいとすら……いや、戻るという発想すらなかった。だって、俺にとって、この島は戦う事はあるけど天国だとすら感じた訳だし。
ふむ……これが意識の変化と言う奴なのだろうか? 俺自身は今でも戻るつもりなんて無い。出来ればこのままでなんて思っても居る。
とは言え、女子達は俺の家と違って普通の家族が待っているんだよね。女子達とも「元の場所に戻るには」なんて話をした事もあるけど。はっきり言おう。俺はその会話の時全く真剣に会話をして居なかった。
「なのに今は、出来るなら彼女達は戻してあげたいって思うようになってるんだよなぁ」
むむむ……最初の内は余り関わるつもりなんて無かったのに。本当にどうしてこうなった。いやまぁ、分かり切っている事ではあるんだけどね。
ただ、もし戻る事が出来る場合、その時どういった状況になるのかが分からない。
全員が強制的に戻されるのか、残るかどうかの選択が可能なのか、はたまた選ばれた人のみが戻れるのか。だから最悪、俺も戻るなんて事がある可能性も考えておかないといけない。……とは言え、それは現状まだまだ分からない話。だって、帰還する方法なんて影も形もみえてないしね。
「ただ、戻る事が有ったら……この島の植物達で世界が驚愕するんだろうなぁ」
持ち帰って新種発見! と発表をする。うん、本当なら戻る事なんてしたくない俺だ。それでも戻る事が有るのなら……これぐらいの楽しみがあっても良いと思う。
てか、この島って何処にあるのだろうか? そこも気になる所だよね。
「っと、ヤバイ。考えすぎていると朝食の準備が遅くなってしまう……とりあえず、このサンショー・ポットはアイテムチェストにしまっておくとして」
後で道具を作るとしよう。硬いモノ割るのだからそうだなぁ。胡桃割り人形とか裁断機みたいなのを作れば良いかな。折角いい素材を手に入れたばかりだしね。ただ、錆びてはいるんだけど。
あ、そうなると今日はやっぱり鉄を弄った方が良いかな。山椒を取り出す道具を作るついでに生活必需品を揃えるのが良いだろうし。そうだね、今日の行動方針はそれで行くとしようかな。
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家から出て顔を洗い朝食の準備をする。
今では女子達と一緒に準備をしているんだけど、本当にこれが当たり前の風景になってしまったよ。
「雪は皿の準備ね」
「……調理は?」
「暗黒物質を食べたいなら自分の分だけでお願い」
「……むぅ」
こんな会話も何時もの会話と思えてしまう。……てか、なんで素材を切るだけでダークマターが出来上がるのだろうか。とっても不思議だよ。
とりあえず、冬川さんには包丁も火も使わせないと言うのが、皆の共通認識なんだよね。皿を運ぶのは問題無いから、彼女にはそれだけをやって貰っているかな。
「そう言えば今日の事なんだけど、俺はちょっと鉄を弄ろうと思ってる」
「確かに鉄が使えると今後楽になる事が多いのよね。でも良いの? 新天地に行って色々と探索もやるべきだと思うのだけど」
「だよね。特に望月は鑑定持ちじゃん。望月が居ないと新しい発見とか厳しいと思うんだけど?」
「……もっちー仕事が一杯」
あぁそうか。確かに新天地ともなると鑑定する物が一杯だよね。
それに、モンスターも鑑定してどんな相手かを最初に知るのは大切。例えシステムの教えて来る特徴や追記が微妙だとしても、それでも手に入る情報は多いからね。
うーむ……困ったぞ。言われてみると確かにとしか思えない。だから、新天地に行く方向へと心がぐらついている。……元々、新天地に行きたい気持ちもあったしね。あぁでも、鉄も気になるんだよなぁ。
「そうだ! それなら午前と午後で行動を変えたらどうかな? 午前中に鉄を弄るとか」
「あぁまぁ確かに。鉄を弄るとは言ってもやりたい事って少しだけだしね」
サンショー・ポットを割る道具と包丁に鉈や斧を作るぐらい。だから時間もそこまで掛からないと思う。午前中と春野さんは提案したが、あれやこれやと考えず、とりあえず作るだけだったら一時間も掛からないんじゃないかな。
それに試験的な意味合いも兼ねているしね。だから確かに凝った物を作る必要も無い。そもそも、錆びた赤い鉄がしっかりとインゴットに出来るかどうかも怪しいし……。
とまぁ、そんな会話を皆で食事をしながら行った。
そして、今日の方針としては、まず鉄がどうなるか試してみる。そしてその後、出来具合次第でもあるけど、新天地の探索を行うと言う事に決定。
そんな訳で、食事の後片付けは女子達が進んでやってくれたので、俺は食後直ぐに錬金台へ。
「さて、まずは錆びた鉄をただの鉄にしないと」
取ってきた錆びた鉄を数個鍋の中へ。
錬金台を起動させて、錬金用の杖を鍋に突っ込みかき混ぜる。イメージするのは、錆び取り……いや、錆びとの分離かな。
ぐーるぐると杖でかき混ぜて行くこと数分。ピカッ! と鍋の中から光が飛び出した。そして、鍋の中には……。
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鉄(低品質)
特徴:劣化
無理やり錆びを取り除いたために劣化してしまった鉄。うーん……錬金術のレベルが足りてないんじゃないかなぁ? でも、この鉄でも道具は作る事が出来るよ(`・ω・´)b
ただ性能自体は石器よりもマシ程度かなぁ(-_-;)
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あちゃー……そうなるのかぁ。
低品質で更に劣化してますとか。それ、最低品質と変わらないって事じゃないのか? と思えてしまうよ。そして、石器の道具よりはマシ程度の道具になるのか。それは微妙だなぁ。
「とは言え、折角作ったから、これで何か作っておこうかな」
とりあえず山椒を手に入れる道具にでもしようか。それなら多少鉄の質が悪くてもね。包丁とかを作るよりはマシだろうし。
とりあえず、裁断機っぽい感じで作れば良いと思う。体重をかけて押しつぶして断つ。そんな仕組みな訳だし。
ブックマークに評価などなど、ありがとうござーいます!(o*。_。)oペコッ
そう簡単に弄らせませんよ! しっかりとレベルを上げて来てください(゜∀゜)
この後に前話について触れます。ちょっと気になる誤字報告を受けたので。ですので、そんなの知るか! と言う人はスルーしてください。
雪ちゃんの接続について。
彼女は接続ですがレベル的にも現状は〝視野の共有〟しか出来ません。ですが、誤字報告で〝視野〟を〝感覚〟とされた人がいました。
あくまで感覚まで共有してしまったのは、雪ちゃん自信が恐ろしい程感受性が高かったからです。彼女の固有能力と言う奴ですね。
そもそも、本文にもその事が書かれているのですけどね……雪ちゃんの感受性についてと、接続について拡張されるだろう予想が。
とはいえ、これは〝現状〟の話ですので〝視野共有〟で正しいのですよ。と言うお話。




