誰・に・し・よ・う・か・な・?
広場で言いたい事を言って少しスッキリとしたカツヤとジークは広場から少し離れた場所で仕入れの買い忘れが無いかお互いの荷物袋のなったを見て確かめていた
「「調味料ok ポーションok 野菜果物もok 武具の簡易メンテナンス用具ok 良し、あとは水とジュースと調理済みの料理と酒だー!」」
「まだ数日間は街でゆっくりするから取り敢えずこんな物かなジーク?」
「そうだな。数日間は街でだらだらと過ごしたいし足りないモノがまだあれば思いついたら買い足せば良いよなカツヤ!」
「「カツヤ下着類の換えを忘れてる!ジーク服の着替えを忘れてる!後で買うぞ!オウ!」」
「さて、そろそろ買い取り査定終っている頃かな?」
「そうだな、まぁ急ぎじゃ無いから明日でも良いんだけど」
「まぁ飯を食うついでに買い取り受付に行って見よう」
「うん酒とジュースを買うついでに行くとするか!」
「「オー!」」
カツヤとジークは露店商を一通り見て周り冒険者ギルドの素材買い取り受け付けに向かった
素材買い取り受け付けはいつも通りに沢山の冒険者が並んで買い取りを待っていた
素材はなるべく早く新鮮なうちに買い取って貰いたいがここで騒ぎを起こすとここでの買い取りをペナルティーに応じて一定期間買い取って貰えなくなり商店街や露店商でしか鮮度や良し悪しに関係なく定額でしか買い取って貰えなくなる。
なので思いの外買い取り受け付け前は冒険者同士の争いや諍いは無いに等しい。
しかし買い取り受け付けでは冒険者と買い取り査定との間では静かな攻防で激しい火花を散らしている
少しでも高く買い取って欲しい冒険者、査定評価の低い品物を多く安く買い付けたい買い取り受け付け。
にこやかな表情に青筋が両者の額に浮かび上がっている
「ジークまだかかりそうだな?」
「ああ、カツヤ酒場に行くか?」
「そうしよう。休憩だ、休憩」
「空いている席は、お!あった!ステージの前が空いている!行こうぜ!」
「ああ、珍しいなステージ前が空いてるなんてな!」
吟遊詩人や流れの楽士隊や歌姫達が上がる酒場の大ステージ照明や演出で演目者を引き立て盛り上げる仕掛けがあって争奪戦の激しい席だ。
前の席は上位級冒険者や最上位級冒険者達で埋まって
めったに空いていない。
ステージの見えにくい後ろの席で新人冒険者達は音楽や吟遊詩人の語り唄や音楽士隊の演奏を聞いて酒場の雰囲気を感じて楽しむしか出来ない
カツヤもジークもこんなステージ間近の席に座れる事はなかったので食事の楽しみが増してワクワクしていた
「飲み物はいつものを二杯づつと揚げ物とウィンナーとソーセージとハムの盛り合わせと山キクラゲの甘煮炒めと山豚の野菜炒めと取り分け皿とナイフとフォークを六人分くらいお願いシマース」
「ハーイ、マスター魔王様魔王陛下スペシャルオードブルと魔王様スペシャル二杯と魔王陛下スペシャル二杯づつでーす!」
「ハイよー!任せな~!飲み物先に持ってけー!」
「「マスターお任せも一つ追加でー!」」
「アイヨー!お任せ一つ追加かだー!」
「うぃーす!」
酒場の喧騒の中カツヤとジークの探知魔法使用者がに数ヶ所のテーブル席からカツヤ達に使用されている事に気付いた
街の中で憂さ晴らしを終わらせた二人は〘聖者タイム〙で〘大人スキル〙も発動していた
酒場なのだから情報集めは当たり前。ましてや新人冒険者の能力やスキルを視て優秀な人材を自分達のパーティーに引き入れればパーティーの戦力や能力の底上げが出来る酒場はスカウトの場でもある大人の社交場だと二人はある種の余裕を醸し出していた
「クッ余裕見せ付けてくれるぜ」
「隠蔽はしていない」
「数値は新人達と比べれば高いが冒険者としては上位級冒険者ならば平均値という所だな」
「やっぱり噂の基本スキルの応用スキルをあたしらも研修し直すべきじゃない?」
「ワタシもそれに一票。彼らをパーティーに誘ってワタシらが基本の応用も出来なかったら彼らは誘いを断ると思うし」
「ねー、研修の空きの予約はとれたの?」
「任せろ!六人分取れたぜ!」
「「「「「グッジョブ!」」」」」
「オイ、向こうは研修枠取れたらしいぞ」
「このまま魔王様達が上位級冒険者に昇級したら美味しい依頼を持って行かれる」
「俺達も研修を受け直さなければあの二人を仕止めるなんて絵に描いた餅だと笑われる」
「クソッ魔族なんぞに追い抜かれてたまるか!」
「黙れ!魔族との争いは二百年前に終ってんだ!」
「魔族に人間が劣るというのか!」
「敵意を抑えろ!」
「そいつらをダマラセロ」
「任せな『眠り姫の夢』」
「「フガ?グーガーグーガーグーガー」」
二人の男冒険者が椅子から人知れず蹴落とされた!
しかし二人の男冒険者は眠ったままだ!
「フゥ危なく尻が終る所だった」
「地獄堕ちに俺達を巻き込むんじゃねぇ!」
「上位級冒険者の俺達が研修の枠が取れねえってのに!」
「尻に花を咲かされて転がされてたまるか」
「俺はノーマルでいたいんだ!」
「俺もだ!」
「コイツらを広場に捨てて来い。」
「囮だな?」
「そうだ囮だここで意気がったのはコイツらだけだ」
「尻に花を咲かせるのはコイツらだけで良い!」
「任せろ!行くぞ!」
「「あっすいませーん。コイツら寝ちゃったんで宿に置いてきまーす!」」
「ハーイ!」
「ふふふ、イキノイイ玩具が手に入りそうね?」
「ウフフ、誰・に・し・よ・う・か・な・?」
「グフフ、玩具が増えそうよオネエサマ」
「ウフフ、アタシの出番ねぇ行ってくるわ~んトゥッ!」
「デュフフ、オネエサマ ワタクシもお共しますわ デュワッ!」
一陣の風が酒場を駆け抜けて行った
「新しい玩具が手に入る事を祝して」
「街にイキガイイ玩具が沢山転がる事を祈って」
「魔王様と魔王陛下様にカンパーイ!」
「「「「カンパーイ!」」」」
カツヤとジークの知らぬ所で様々な策謀が張り巡らされ渦巻いていた
「あー、検索で思い出したジーク俺達もそろそろパーティーメンバーを揃えなきゃな」
カツヤは今後の昇級試験や昇級後の依頼に関して色々と考えていた
「そうだな。カツヤ各専門家のいるパーティーを揃えなきゃこの先行き詰まる事は目に見えているからな」
拠点殲滅依頼や盗賊討伐依頼や群殲滅依頼を受けるため為、上位級依頼はパーティーが必須条件の依頼で締めている
ハグレの二~三匹討伐ならば二人でも奇襲を掛ければ苦労せずに討伐出来るが群れや集落程になると広範囲殲滅系のスキルが無い二人では〘バーサーカーモード〙と〘バトルジャンキーモード〙でもそれぞれの死角が出来てしまう
遠距離からの攻撃には二人だけでは防戦的な戦いになり次第に包囲され撤退を余儀なくされてしまう
上位級の依頼成功達成にはパーティーメンバーを揃えるという事が大事な事だとカツヤとジークは痛い程に痛感した
「やっぱり遠距離職は欲しいよなジーク?」
「そうだな広範囲系も欲しいよなカツヤ?」
「「言えてる!」」
「薬師系の回復職と信仰系魔道師もだな」「武具装備修復もだな」
「「それも言えてる!」」
「長期の探索依頼だと頻繁に街に戻る事が出来ないからな」
「ああ、探索依頼の途中で撤退して他のパーティーに目標の討伐をされて落ち込んでた奴らいたからな」
「「あいつらの二の舞は避けたい可哀想過ぎた!」」
「ストレージにはまだ色々買い出す物がある筈だ」
「確かにストレージにまだ買い忘れているものがある」
「「次の採取依頼にはパーティーメンバーを揃えて手応えを確認して昇級試験を攻略するゾー!」」
「あ、こちらにいらしたんですね!お待たせしました!査定が終りましたので受け付けカウンターまでお越し下さい。〘盾の魔王様と剣の魔王陛下〙の御二人様!」
「「ハーイ!」」
カツヤとジークが買い取り受け付けカウンターに行くと幾つか袋が置かれていた
「今回の納品の品物はとても良い上物の品物で買い取られる方々からかなり高額で買い取られる事になりました!査定が終ると当時に入札が始まり品物は瞬く間に買い取られて行きました!ギルドとしても大きな収益となりました!こちらが査定と収益の一部を還元させて頂いた硬貨袋になります黒い硬貨袋は大金貨、赤い硬貨袋は大銀貨、黄色い硬貨袋は通常通り金貨、青い硬貨袋は通常通り銀貨、白い硬貨袋は通常通り金貨銀貨大銅貨と銅貨が入っています!どうぞ納めて下さい。本日は本当に良い納品の品物をありがとうございました。このあとからギルドマスターからお話しがあるそうなのでお食事後に係の者が声をかけに参ります」
「「ハーイ!」」
「そうだ、昇級試験って納品みたいなものだと聞いたのですけど目標の品物は判りますか?」
「はい隠れキクラゲですね」
「あー、隠れキクラゲか」
「昇級試験の受験者受付終らせたら探しに行こうぜ」
「あ、お二人は納品されていますので依頼受け付けに行かれるとギルドタグの昇級更新になると思いますよ?」
「「えっ?昇級試験は?」」
「ですので昇級試験の品物が納品されているので昇級試験は終っていますが?」
「「マジですか?」」
カツヤとジークは楽しみにして凄くワクワクしていた昇級試験が気付かぬうちに終わらせていたことに膝から崩れ堕ちた
「手当たり次第採取するんじゃなかった!」
「称号目当てに採取するんじゃなかった!」
二人は立ち上がり項垂れたまま査定金を受け取るとうつ向いたまま飲み物と食べ物が用意されている自分達のテーブル席に戻った
「ジークこれからは先に昇級試験が採取のときは納品品物を確かめて採取と納品しよう」
「ああカツヤ次の昇級試験の納品品物は確かめて採取品の納品を確かめてしような」
「「昇級試験の楽しみが消えないようにしような」」
二人は呑み物に少し塩気を感じた
「おー二人共どーした?素材買い取り金を貰って懐温もったじゃないのか?」
「ああ、ギル、懐は温もったけどワクワクが消えたんです」
「うん、ギル、高まってたウキウキが消えたんだ暫くただ街ブラをするだけになったよ」
「俺で良ければ話を聞くぞ?」
「「笑わない?」」
「話しによっては約束は出来ない!」
「「笑う気マンマンじゃーん!」」
カツヤとジークは事の次第をジンギルドに話した
「ふわはっはっはっ!昇級試験の目標達成を気付かないうちに終わらせたなんてこの冒険者ギルド始まって以来の出来事だぞ!ふわはっはっはっ!」
「やっぱり笑った!」
「笑うと思ったよ!」
カツヤとジークはいじけてナイフでテーブルをイジイジと穴をほがすように突き刺していた
「まぁ、でも昇級試験クリアおめでとうだ!カツヤ、ジーク!中々探し出せない者もいるんだ隠れキクラゲは別名忍び茸と呼ばれて上位級冒険者でも期限切れで諦める場合もあるとてつもなく見付けにくい事で有名な難易度A級の納品品物なんだ。それを二人分の数を集めていたことは凄い事なんだぞ!早速胸を張ってタグを新しいものに換えて貰って来い!二人共!」
「「うん、判ったギル!」」
カツヤとジークは冒険者受け付けに向かいそれぞれのギルドタグを新しい物に換えて貰えた
二人はシルバーへと昇級した
「ジーク、良いのかな?飛び越え昇級なんて目立つんじゃないか?」
「カツヤ、良いんじゃないか?十分目立ってんだ如何様の昇級じゃないんだし。堂々としてようぜ」
「ああ、そうだな!」
「なぁ、俺達あと三~四時間でテストプレイ終わったらクーローズドテストは無いんだよな?」
「ああ、俺達のこのアバターはAIでの仮想思考で行動させて最上位級冒険者に昇級させる事が一応のゲームクリアみたいだ」
「だから一人六時間、内在時間30日間ものデータを集めるんだな。納得、俺のコピーデータが俺としてプレイを続けていくのか。不思議な感じだな」
「六時間あればプレイヤーの基本人格が大体解るからな。それぞれの〘人〙として成長していくって課程をデータとして集めているらしい」
「街の人達一人一人が全てそういったプレイヤーデータ達なんだろう?凄い人数だなー」
「NPCキャラクター同士の結婚とかで産まれた人もいるから全て本当の人のデータって訳じゃないぞ。まぁ、冒険者ギルドの受け付けさんとかはプレイヤーデータで酒場のマスターとかも料理人さんのプレイヤーデータらしい。大きなお店の店主さんとか最上位級冒険者達は実際の声優さんや武術家や格闘家や傭兵経験者の人のプレイヤーデータらしいけど」
「成る程なカツヤはだから〘人〙として関わるようにしろって言ったんだな。ログインした時に」
「ああ、チィジイチャンが言って居たように『〘人〙として敬うべき上位者にはたとえ素性や本性が〘人〙でなくとも〘人〙して敬い敬意を持って相対しろ』で対応しているんだよ。ジーク」
「プレイヤーデータと言っても本当の中身は〘人〙だからな。間違いなくそうあるべきだな。カツヤ」
「このゲームのストーリーは『人間と魔族の大戦という戦が終わり魔王が絶対悪とされていた時代は過ぎ去った。しかし少数の一部の人間達は密かに魔族の民を隷属し蔑んでいたぶり嬲り悦に浸っていた。亜人達の国の民も隷属し嬲り悦に浸っていた。獣人達の国の領土を奪い世界の全ての支配を目論んでいた。ようやく訪れた世界の平和を乱さんと密かに企て王族の許可なく禁忌とされた勇者降臨の儀式を取り行った。召還された若い勇者達に呪縛印を刻み世界の虚偽を吹き込み勇者達こそが正義の使者だと信じ込ませた!呪縛印を消し勇者達の世界に帰還するには魔王の魂と魔族の根絶しかないと!この世界の風向きを変えるも変えぬも貴方次第だ!』ってのがメインストーリーは憶えているか?」
「憶えてるぞー」
「人間側が悪になるストーリーは好き嫌い分かれる所だけどジークはどうだこのシナリオは」
「まぁ、人間側が正義っていうストーリーも飽きて来てたから良いんじゃないか?」
「『どちらかに分かれるかどちらかに付いてどちらかを倒すのかはプレイヤー次第のお任せデース』ってお姉さん言ってたし俺達は表装擬装しないと魔族キャラ決定だったから擬装したけどバレたからな誰かさんは翼まで出すし」
「そだなー『瞬歩』を使ったら生えただけなんだ だからカツヤも『瞬歩』は気を付けろよ多分カツヤも翼生えるぞ目立つ外装って事で誤魔化せているけどな!」
「了解、気を付けるよ」
「「目立ち過ぎると二人で遊べなくなるもんな!」」
「ジークはもう暫くはこっちに居れるんだろ?」
「あとニ~三日かな?」
「次ぎ会うのはまた正月の剣舞披露かな?」
「多分、兄貴寂しがるのはまだ早いまだ遊びの途中」
「ああ!そうだな!騙される勇者達て赤間達だなー」
「赤間達は悪の人間達に騙されて悪の道を疑いもなく突き進む悪の勇者達だな?あのままなら」
「騙されたまま最期に『騙していたのか・・ガクッ』てポックリイク悪の勇者達だなー赤間達は」
「己ーとか言ってフェードアウトしていきそうだな」
「「まぁ、ストーリーは横に置いといてそれじゃギルに〘人〙として昇級の祝いに大人のムフフなお店でご馳走になろう!おー!」」
カツヤとジークはジンギルドの奢りで〘最高級〙の大人のムフフなお店をたっぷりと堪能して〘最高級〙の大人の香りに包まれて眠りに付いた。フニフニと柔らかいモノで身体の至る所をフニフニポフポフムニムニされて目が覚め美しく綺麗なお姉さん達と別れて冒険者ギルドの酒場に朝御飯を食べに二人で来ていた
昨夜は高級品の酒をジンギルドに呑ませて貰い見るも素晴らしい光景を目にして素晴らしい体験をした
「大人って凄いんだなジーク」
「大人って大人なんだなカツヤ」
「「最新鋭技術革新て最高だな!この次は自分達で〘最高級〙の大人のムフフなお店に行けるようになろうな!」」