モテない奴の作りモテ話は聞く必要は無い
エルブレス君?様?王様のお着替え退室の衝撃で頭がフリーズ仕掛けたカツヤとジーク
少し遅れてミーアとリーアがやってきた
近衛隊長に促され玉座から少し離れた位置に二人横並びミーアとリーアはカツヤとジークの後ろで控えて待っていた
その間女性の近衛魔道師団団長と王子様の頃の話しを聞いたりカツヤとジークの子供の頃の話しを談笑していた
ギルドマスターのがこの国の英雄だと言う話も聞けた
狐人族はエルフ族に続いて獣人族では最長年齢が高い種族だとカツヤとジークは初めて知った
カツヤとジークはギルマスがるーまるくと婚姻した事も初めて知った
カツヤとジークもミーアとリーアを紹介すると凄く驚かれた
楽しく談笑していると遅れて一団の騎士が騎士礼の挨拶もそこそこにヅラヅラと入って来た
「王宮で御座います!騎士様方、国王陛下に謁見為さるのであれば腰の物をお預け下さい!」
「我らを聖勇者教会の聖騎士と解ってのうえでそう申すのか?亜人風情が!!〘人族〙の勇者達の献身的な行いで平和を享受している事を忘れたようだなエルフの国は!我らの出迎えもせぬとは亜人ごときの国王も偉くなった物だ。騎士達、お前達の槍を一本預けよ。それで良かろう!」
聖勇者教会『人族至上主義』を掲げ多種族を見下し今ある平和は〘人族の勇者達が齎したもの〙〘人族は神の使い〙を自称する頭のネジが数本何処かに抜け落ちた人間の集まり。
魔王討伐の勇者徒党には人族は確かに一~二人いたらしいが多数の他の種族が多くで構成された徒党であったのに聖勇者教会と言う組織が台頭し事実をねじ曲げた勇者叙事詩と勇者英雄譚を作り流布した。
〘自称〙勇者の末裔達が無許可で起こした宗教団体。世界各国の国や町に無断で教会支部を作り市民からは法外なお布施や治癒治療費を毟り取り大物と言われる人族貴族達に賄賂やあらゆる〘取り引き禁止の奴隷も含む〙献上品で取り込み好き放題に暴れている本性はただの犯罪集団である。
一般市民に危害を加える事件が多くそれらを貴族達に揉み消させている。
横柄な青い髪色の髭を生やした若い騎士がヘルムを左腕に抱えカツヤとジークに近付いてくる
(青い髪自体で一般の人族では無い)
「私は聖勇者教会騎士団団長アビゲイル・デメルメルトと申す者だ。そなたらが件の自称〘魔王〙達だな?我ら聖統一教会にはそなたらがこの国に入国をしたと言う知らせは受けていないあとから連行させて貰う。我らに大人しく着いてくるようにな!」
「俺とジークは何の為に連行されなけばならない?」
「俺とカツヤになんのメリットがある?」
「我々の裁判にて処遇を決める。魔族の不法入国の処遇は処刑と決まっているがな。裁判を受けさせて貰えるだけ有り難く思え。貴族気取りの魔族共め。」
高圧的な態度で威嚇をしているつもりのようだか仔狼のフォレストウルフの方が威圧感がある
カツヤにしてもジークにしても敵ではない
「俺とジークは冒険者になりに来たのであってこの国に認められた正式な国家の組織でもない聖勇者教会とやらに俺達の入国許可を求める必要は無い筈。お前達の尺度で裁かれる謂れは無い。何か勘違いしているようだ」
「無駄に長ぇ肩書きだな。噛まずに言えた事は褒めてやる。だけどな俺達は冒険者になりに来たんだ。〘自称〙聖勇者教会に報せる必要があんのかよ?テメェらに裁判なんて権限がこの国から与えられてネェだろ。言い掛かりも大概にしろ!テメェらのやってる事の方が犯罪の隠れ蓑だろう!」
「フン、浅ましい魔族が〘人族〙の勇者の末裔である騎士に跪ずかずに話しかけるとは無礼千万。ここが謁見の間でなければ切り捨てておったものを。所得の低い冒険者はまともに女も抱いた事とも無かろう。女の口説き方でも私が教えてやる。頭を下げて傾聴するが良い。ほう、そなたら良い女人を連れておるな?良かろう私に差し出せ。女の奉仕する態度次第で減刑を免じてやろう」
偉そうに腕を組みふんぞり返り言うアビゲイル。
カツヤとジークの堪忍袋は爆裂寸前であった。
「お前は馬鹿か?嫁をテメェに差し出す理由がねぇよ。うるセェよ。童貞と話す必要はねぇ。俺もカツヤも婚姻を結んでいる。テメェみてぇに人の女に手を出す程、女に飢えてねぇよ。童貞のテメェの様にな。〘自称〙聖勇者教会が何者か知らねぇがテメェに下げる頭は持ってねぇ。第一俺達は聖勇者教会信者じゃねえ。」
「同じく。妻をおたくに差し出す訳が無い。おたくは常識を知らない馬鹿の様だ。敵対者に下げる頭は持ち合わせていない。冒険者ギルドと聖勇者教会とは関係は無い。〘自称〙のジョブの多い童貞の相手をする暇は無い」
「「モテねぇ童貞の作り話なぞ聞く価値も無いわな。ハッタリ世襲騎士で親父のお陰のパワーレベリングで上げた見せ掛けのLVにビビるとでも思ったのか?誰がテメェに諂うかつうの」」
二人がウンザリしつつ偉そうに話しをしている騎士団長のステータスを見るとウンザリとした
アビゲイル・デメルメルト〘人間〙
シグナルカラー レッド〘エネミー〙
〘パワーレベリング経験者〙戦士LV45
自称〘聖騎士〙自称〘勇者の末裔〙〘世襲没落貴族〙
自称〘モテ男〙童貞
ハッタリLV15 詐欺LV20 経験値泥棒LV20 強盗LV20 性犯罪者LV20 人売りLV30 殺人LV18 賞金首
〘冒険者ギルド 狩人ギルド 賞金首ギルド 闇ギルド 衛士騎士団それぞれから高額賞金が掛けられています。総額6,800,000ジル 聖勇者教会所属その他の配下達、『自称』聖騎士達も全て以下同文 DEAD OR ALIVEの賞金首です〙
騎士達全員に犯罪者を示すジョブが刻まれた賞金首達だ。
犯罪性騎士団のコイツらと言葉を交わす必要は無い
「カツヤ、見事なくらいの犯罪者達だな」
「ジーク、存在する事自体が恥の塊だな」
アビゲイルの顔が真っ赤になり額に青筋が破裂しそうに膨れ上がっている
「己!!『勇者の末裔』を愚弄しおって!余程死にたいらしいな!そなたらが魔族領の何処の出身者かを調べだしその魔族領を討ち滅ぼしてくれる!我ら『勇者の末裔』とは教会からその権限の力が与えられているのだ!貴様達が何をするためにこの地を訪れたのかを話すがよい!」
そのような権限など自称『勇者の末裔』には与えてられてはいない。
魔族に手出しをさせ魔族領に攻め込み手柄をあげる為の口実。
そのような口実に乗る浅はかな魔族もいない。
「おたくと話す為に俺達はここに来た訳じゃ無い。下がってくれ。俺とジークはそれなりに忙しい。俺達を切り捨てる?俺達を的藁と勘違いしているのか?勇者気取りの人族の奴らは何処でも高飛車だな賞金首共」
「小癪な!たかが魔族風情が〘人族〙の聖勇者教会聖騎士団を愚弄するのか!私は正統な勇者の末裔なるぞ!高々二匹の魔族など構わぬ切り捨てよ!」
『自称』聖勇者教会騎士団達はこの場が何処なのかを興奮し忘れて抜刀した!
「王宮の謁見の間での抜刀など宣戦布告も同然!マジョーナ魔導師団長、近衛隊長!『自称勇者の末裔』を取り押さえよ!」
「はっお任せを!『荊薔薇呪縛 』続け!」
「はっ!『麻痺毒縛』」
「近衛隊この地を荒らす愚か者達を全て捕らえよ!」
エルフの男性〘爺やさん〙が守り庇う様にエルブレス君を抱え一声叫ぶ!
魔道師団長のお姉さんが右手の杖を掲げ魔法を放つ
『自称』勇者騎士団は麻痺毒と太い荊の鋭い刺の生えた蔓に縛り上げられバタバタとその場に倒れ伏す。
近衛隊士達によって騎士団達は次々と後ろ手に手枷と両脚に足枷を手際よくはめられていく。
「う、動けぬ、ほどけ!!卑怯者め正々堂々と戦えぬのか亜人共め!亜人風情が〘勇者の末裔〙の我ら〘人族〙にこのような狼藉を許されると思っているのか!」
「何を勘違いしておるのだ自称〘勇者の末裔〙達!そなたらの蛮行は許しがたい!第一、勇者の末裔と言われる方々はおられぬ!勇者達の真の末裔は一族郎党全てが魔王討伐の功績を上げておらぬ貴族や王族に恐れられ討ち滅ぼされた。さ迷う勇者達の魂の怒りに触れたその国は〘世界の敵〙と化身した勇者達の魂と共に滅亡した。聖勇者教会と言う詐欺宗教団体の云う〘勇者の末裔〙などおらぬ事は全ての国の周知の事実そのような常識も知らぬとは余程の田舎者達であるな!」
「何を!うっ嘘を言うな!切り捨ててくれる!ほどけ!」
「そなたら自称〘勇者の末裔〙殿方にも付き合って貰わねばならぬ案件があるのでそれはならぬな。まだそなたらの処刑は少し先だ。自称〘勇者の末裔〙と公言している貴方方にうってつけの依頼でな」
「我らが偽物だと言うのか!亜人風情の混ざり者が!勇者の末裔の我らにうってつけの依頼?そのような依頼など受けられるか!ほどけ!」
「いや、承けざるえないかしかそなたらの生存の許しはない。先頃より近隣の森に出るカイブツ調査兼退治でな。」
「ふん、カイブツとはまた大袈裟な、貧弱な混ざり者のエルフが大袈裟に騒ぎ立てているだけの森の魔物だろう。」
「そのカイブツと相対した冒険者達によると中位階魔法を速射連唱でうち放ってくるまさしくカイブツとのこと。更にはそのカイブツは〘人族の人間〙であったとの事でな。勇者の末裔にも魔法に長けた者がいるとの事ですな?その者の所在は何処ですかな?」
アビゲイルは青ざめている。
「し、知らぬ!勇者の末裔が森を荒らし混ざり者の冒険者に危害を与えていると申すのか!」
「そのエルフの国に危害を与えているカイブツを貴方方自称勇者の末裔達に調べ討伐をして頂きたい。危害を与えているものが勇者の末裔なければよし。もし勇者の末裔が危害を与えているのであれば聖勇者教会を我が国に滞在して頂くわけには行きますまい。二週間以内に調査報告を上げられよ。出来なければ此度の狼藉を聖勇者教会の宣戦布告としてこの国内の教会活動の全て取り潰しと致す。良いな?自称勇者の末裔殿。では出立の日和まで自称勇者の末裔殿を牢に引っ立てぃ!」
「何!ま、待ってくれ!話を聞いてくれ!」
「聞く必要など無い!早々に連れていけ!!
「〘爺や〙〘爺や〙僕の出番は?」
エルブレス君は頬を膨らませますます可愛い顔になっている。
「おお、国王陛下のお仕事も御座います。お耳を」
『爺やさん』が国王陛下の小さなお耳に何か耳打ちをする
国王陛下は可愛いらしく何度も頷いて聞いている