エピローグ(3)
ムルシエラゴが死に、パジャッソはテロリストから足を洗うことになった。
爆撃の中で振り返ったときを最後にパジャッソの元からAIのハルカも消え去り、同時にハルカアカウントへのログインもできなくなった。
その後、ハルカは同じアカウントで独自にキラキラパフォーマンスに姿を現すようになった。パジャッソは以前ほどキラパフォにのめり込めなくはなったが、そのハルカの影を追うためゲームを続けた。ハルカの姿はフェアリーステップの巨大少女として有名になっていたが、その姿でハルカを名乗り続けていることにパジャッソは正体不明の満足を感じた。
あまり時を置かずキラキラパフォーマンスはサービス終了となったが後継作品や類似の作品などにも同じ姿のハルカは姿を現し、証拠を掴むことはできないがパジャッソはそれが彼のハルカであることを確信していた。
ハルカの影を追う日々の中で、時にはパジャッソがハルカのライブを見ることもあった。
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マイちゃんは、アケビとハルカちゃんのことを親に話したが信じてはもらえなかった。
アケビはあの時以来、また元の平凡なペットロボットに戻ってしまった。
マイちゃんは成長とともにこのことを夢と思うようになり、アケビは「大切なお友達」としてその子供に贈られた。マイの子はアケビをいつしか失くしてしまった。
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リストラクテッドペルソナと化したハルカは、メイジの気まぐれでヨミに取り込まれた。
フェアリーステップに巨大な姿を表したのと同じ外見だったが、その姿は広く流行したので埋没し、特に注目をあつめることは無かった。
時が経ち、ヨミの洗練を経て、ハルカが脚光を浴びる日がまた来るのだが、それは別の話。




