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メイジ:リストラクテッド・ペルソナ(1)

 メイジは、フェアリーステップのテーマパーク側の住人。『スメラ』と呼ばれるAIホストキャラクターのうちの一人である。

 スメラたちは『リストラクテッド・ペルソナ』、つまりフェアリーステップのテーマパークでゲストをもてなすため『再構築』された『人格』。一連のシリーズとして再構築された数十あまりのペルソナのうち、メイジは名前にちなんでトリックスター的な性格付けをされていた。


 メイジをはじめ、フェアリーステップのホスト達はリストラクテッド・ペルソナと呼ばれる動作モデルで稼働しているAIである。フェアリーステップの強力な演算力を武器にして、『判断フラグメント・エルフ』の集合(の集合(の集合(の集合……)))による階層的な判断の集合で最終的な動作を導いている。エルフというのは小さめの機能単位で、小人さんというぐらいの意味である。

 判断フラグメントとによる階層的な判断といっても理解し難いが、要はマンガで見かける天使と悪魔の囁きのどっちを選ぶのかという選択を延々と行っていると言えばなんとなくイメージができるのかもしれない。その天使と悪魔がなにを囁くのかを小人さん──というかAIのエルフ──が決めるし、どちらを選ぶのかもエルフが決める。リストラクテッド・ペルソナというのはそういう仕組みである。

 元々は、亡くなった芸能人や遺族のための一時的な対話など、特定の人間の『振る舞いの再現』をするために生み出された動作モデルであるため、『リストラクテッド・ペルソナ(再構築された人格)』と呼ばれている。リストラクテッド・ペルソナに利用されている各種の『判断フラグメント』は、実人間たちの行動をサンプリング/解析して精製されたアルゴリズムであり、そのフラグメントを組み合わせて一個の作動する人格を作る場合、それが誰かの再現でなく新規の人格の生成である場合も、慣例として『再構築(リストラクト)』と呼ばれることになっている。

 そもそも知性そのものの探求が目的でなく、表面的な振る舞いの模倣という工学的な動機で開発されているが、高度な計算能力と精緻な構築による繊細な振る舞いにより簡単には人間との見分けをつけられない場合が多く、充分に高度なものに限って人口知能の一種として数えられることになった。


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