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男の娘からの印象
ごめん
そう。あいつは、変なやつだった。
それどころか、どこか怖いとも、感じた。
それが、あいつだった。
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「あの、使います?」
俺は、こんなことを言ったと記憶している。
いつも男子となかのよくすることはない、あの人。
いつでも本を読んでいた。
低学年のとき病気で休んでおり、友達がいなかったらしい。
そんなその人の、
「どうしよう…」
という呟き。
おそらく無意識だろうなと思う。
今となっては古いことなので、真偽の程は定かではないが。
まあとにかく、お金を貸したのだ。
そのあとだった。
急に、近くにいたそのひとの友達が、
「なっちゃん、あなたのことが好きだって」
と、それはまあニヤニヤ、ニヤニヤとしながら言ってきた。
あのぶんげいしょうじょっぽさがいい!と、地味に人気のある子だったので、信じなかった。
あちらも、そうだった。