男の娘は練り歩く(?)
これ、練り歩くであってんのかな?
結局諦めて、服を着た大河。
どこからか寄付お金をふんだんに使い、いま人気のデザイナーたちが本気でデザイン。本人のサイズを完璧に採寸したことで、学園祭には到底似合わないような服。
しかし、絶世の美人と言っても過言ではないほどの大河がそれを着たことにより、服に着られている感じもしない。
とにかく、とてつもないほどに似合っていた。
まあ、着替え終わったのだが…
「は?練り歩く?」
「ええ、練り歩く…と言っていいのかわからないけれど、会場をずっと回るの。」
「きょ、去年はなかった…よな!?」
あまりの驚きに、驚愕の表情を顔につけ、つい黒子に迫ってしまう大河。
しかし、それに動じず黒子は…
「今年から追加されたの。来年もある…と思うわよ?」
「はあ!?」
大河に絶望をもたらすのであった。
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「…………」
「…………」
あまりに無心になりすぎて、黒子と似たような無表情で歩く大河。
いつもの若干恥ずかしがっている表情と違い、何だか女神様みたい!ということで人気になっている。
周りに他の踊る人がいるため、女王様のようにも見える。
さながら、竜の王国の王妃…と言ったところか。
まあ、中身はこれでも男子なのだが。
ともかく、喧騒をかき除け…いや、勝手に割れているところを歩いていく大河一行。
後ろの方で、
「へへ、この写真をネットに…」
「させません」
「グホオ!」
「何やってんの海里いい!」
後ろの方で、運良く取れたそれっぽい写真を投稿しようとしたやつが叩きのめされた。
そいつとともに来ていた女の子が、アホか!とでもいうように叩いて、軽蔑の視線を向けている。
彼女がいるって、いいなあ…と思い、『海里』と呼ばれた男を羨みながらも、どこかで見たような…それでいて、自分と同じようなものを女の子に感じる大河であった。
伊月達と絡ませようと思ってたら、変わってた。『海里』は、もう一つ(https://ncode.syosetu.com/n1161fz/)の方で出すつもりです。(まだ一話目なのに、何を考えているのか…)
あ、それと、当分は一個だけです。