男の娘は家族に説明する
思ったより多くの人が読んでくれたので、これ以降は17時に投稿したいと思います。二日に一回、出来たら毎日投稿で。
「わあああ⁉︎男の娘になっちゃった!!!!!!!!」
やばい、やばすぎる!ふざけてる場合じゃない!明後日の合唱コンクールが!
いきなりソプラノとか、まじで無理!
…ま、まあ、一応全てわかるけど…
いや、そうじゃなくて!
しっかり歌えないだろうし!主旋律歌えるのは嬉しいけど!
…べ、別に、主旋律歌ってみたくて練習したわけじゃないから!
パートリーダーとして、まともな人がいないからだし!
…こんなネタ、誰が面白いと思うんだよ…
…どこぞのツンデレかよ…
「お、落ち着いてください!」
ん?誰だ?ああ、母さんか。
「あなたは誰ですか?ほんとに。」
…?…あ、ああ!俺が誰かわからないのか!
「俺だよ、俺。大河だよ。」
「嘘だ!大河は男ですよ!」
「大河にいちゃんは間違っても美少女じゃないし!」
ん、弟よ、いたのか。よくもまあさっきはブスだとか言ってくれたな、おら。
まじで許さんぞ!
「ふざけんなよこのでぶ!」
「や、やめてくださいよ!」
「誰が止めるかこのぼけなす!あんぽんたん!」
リビングは喧嘩場になった。
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小十分後…
「はい謝る」
「「ごめんなさい」」
上から『うるさい』とか言って起きてきた父さんに止められていた。
喧嘩の結果だが…
弟はやっぱり弱い。ボッコボコだ。
でも俺が怒られない。やっぱり俺が誰かわからない、というのがきいているようだ。
「それで?あなたは大河ですか?」
「はい、そうです」
ぶっちゃけこれ以外に何を言えと。
「では聞きます、昨日の夕ご飯は?」
「焼き魚と白ごはん」
「塾の成績は?」
「そもそも塾に行ってません」
「あなたの学校は?」
「東京都立白鳥高等学校附属中学校」
「今読んでいる本は?」
「『空に羽ばたけ』の歌い方講座」
「うん、本物だと思います」
ふう。よかったよかった。
と、いうかなんでこれだけの質問で信じたんだろう?
「ぶっちゃけ代われそうになかったし、第一大河にこんな家に来るような友達いないから」
「おまえはボッチって言ってんのか」
はっ、また突っ込んでしまった。
「そのノリと突っ込み具合からして、大河だね」
「だな」
「行ってきまーす、帰ってきたら教えてー」
「なぜそのノリで登校するのだ弟よおおお!」
「「行ってらっしゃい」」
「平然と送り出すな!」
「ところでなんでそんな姿になったの?」
「…スルーしやがったな」
はあっ、ほんとにこの家族の相手は疲れるな。
ニヨニヨと笑っている2人に、こんな姿になった理由を簡潔にいうことにしたのだった。
…まあ、わからんからわかることだけだが。
やっぱり一話より読みにくいと思います。