今日も平和
ポカポカとした日差しが差し込む
風に揺らされ小さく芽吹いた草花が動く
「暖かいねぇ修也〜」
「コン!」
柔らかい風に吹かれふわふわの尻尾の毛先のみが白い狐と薄い黄色の髪が揺れる
のどかな春にある稲荷神社の縁側に響く怒声
「コラァァ!またサボってる!早く掃き掃除しなさい!」
「えぇ〜縁側で日向ぼっこしてたい!ねぇ修也」
「コンコン!」
セミロングの黄色の髪を後ろに結えた姉らしい人が竹箒を片手に立っていた
側に居る首に紅い布を付けた純白の狐の口には竹箒を咥えていた
「貴方がそうだから修也も喋れなんですよ」
「そうだ!もっと言ってやれ香希!」
「貴方もですよ、彩音。姉なのだからもう少しきちんと行動というものを!」
キッと細い目が開き彩音と呼ばれた姉の方を振り向く
カランと口に咥えていた竹箒が地面に落下した
その様子を楽しそうに見ながら足をパタパタさせながら眺める気付いた彩音は手に持っていた竹箒で葉月を指す
「葉月だって言われてるのよ!」
「それくらい分かってるよ〜さぁ〜て掃除しょうかなぁ〜修也行くよ!」
すっと立ち上がり香希が先程まで咥えていた竹箒を広い上げ一人と一匹の間を風の様に走り去る
響く怒号。
今日も一日落ち葉まみれの神社を綺麗にしましょう。
「あの子達は全く…」
「仕方がありません、私達で大方済ませましょう」
流石に狐の姿では竹箒等咥える事は可能でも掃く事は出来るわけ無い、が、白狐には代々変形の術がある。
これは、特別力のある狐だからと言う訳では無いのだがある特定の力とがあれば出来る技で滅多にないがこの力を持って人里に踏み入ることもある。
「さぁ、やりますわよ」
キリッとした細い目に赤いライン
真っ白な髪の毛は長く腰まであるそれを赤い紐で一括に纏める。服装は葉月や彩音と同じ巫女装束
片手には竹箒
そしてお前かのようにふわふわな尻尾と耳
人に変形しきれていない所も多々あるがそれは目を瞑ろう
「それじゃ、香希もやる気になった事ですし、やりますか」
先程の煩さとは打って変わって静けさがます、その中に竹箒の石を組作られた地面を撫でる音と遠くでやはり遊び混じりに掃除をしているのだろう葉月と修也の楽しそうな声。参拝客は殆どなし、オンボロ神社は
今日も平和です。
始めまして!柊木月華と言います!
新人故に言葉の間違え、誤字脱字の雨霰ですが見つけた際はそっと「ここ違うんだけ」と声をかけて下さい!泣いて喜びます!
不定期でちまちまと更新していくつもりなのでどうぞごゆっくり!
少しでも貴方の暇な時間が楽しく埋めれたのなら幸いです。