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僕と神様と願いへの道

神様と潤の会話です。

なので潤目線のお話です。

神様がいたら…きっとこんな感じかもしれないなぁって思います。

短いので暇潰しにでもどうぞ


「へぇ、そんなに会いたいのか?」

「……え?だ、だれ」

「お前が願ったんだろ、俺に」

「僕は、神様に…」

「だから、俺が神様なんだよ」


…かみさま?

この人は何を言っているんだ?

突然現れて、自分のことを神様と名乗るなんて。

確かに僕は神様に願いを叶えてほしいとは祈ったけど…。

この、自称神様と名乗る人はとてもそうは見えない。

だって、身長はそんなに高くなくて歳も僕と同じか少し上と言ったところだ。

髪色は黒色だし、服装も口調もいたって普通の人のようだ。

……もしかして僕をからかっているのか? 人が必死になっているというのに。

僕が悲しんでいる所を見て希望を持たせるようなことをいって楽しんでいるだけなのか?


「もしかして俺のことを疑っているのか?」

「そりゃ、自分で神様と名乗る人なんて見たことないし、そもそも根拠だってないじゃないか」

「ふーん…俺が神様であるという根拠が必要なのか? なんでそんなことを気にするんだ」

「なんでって…突然神様とかいわれても…わからないよ」

「なんでも何もお前が祈ったんだろ、俺に。それとも神なんていないと思ってたのか?」

「…………僕は、」

「ハッ、そうだとしたらなんでわざわざ神頼みなんてしたんだよ」

「………」


まるで会話になってない気がする。

…本当に神様なんだろうか。

もし、神様だとして。そうだとしたら僕の願いを叶えに来てくれた、ということなのだろうか。それなら優しい神様なんだろうけど。

でも…僕にはとても、そんなふうには見えない。

どちらかというと僕をからかって楽しんでいるようにも感じられる。


「お前が信じようとしないのならそれでもいいけどな」

「信じるとか信じないとかの問題じゃ…」

「確かに俺にとっては信じるか信じないかなんてどうでもいいけどな。でもお前、叶えたいことがあったんじゃないのか?」

「…僕は、茜に会いたい。だから君が神様だと信じていいのか迷っているんだ」

「俺は神様だ。それを証明するのは難しいんだよ。人間だって自分が自分であるとはっきりいえるものなんて持っていないだろう?」

確かにその通りなんだけど。

今話したいのはそういう哲学的な話ではなく、本当に叶えてくれるのかが大事なんだけど…。

どうも神様は『神様は神様である』ということ以外証明できないといっている。

それなら僕が神様を信じるために、とかそういうことはしてくれないんだろう。

そして追い討ちをかけるように神様は、


「それに、だ。お前にとって俺が神様か神様でないかは願いを叶えてくれるのかどうかという違いだけだろう。それなら可能性があるということにでも喜ぶべきじゃないのか?」

こう、言ったのだった。

確かにそうすべきだろう。騙されることを気にするよりも。藁にもすがる思いで、神様に縋ってみてもいいだろう。

だったら。…どうせ嘘だとしても。少しくらい夢を見てもいいんじゃないか。

だから僕は神様を信じることにした。

何より茜に会いたいという想いは本当だし、叶えてくれるのならそれに越したことは無い。


「それで?どうするんだ。

俺に願いを叶えてほしいのか?」

「…うん」

「よし。改めて聞かせてもらおう。

その、願いとは?」

「茜に、もう一度だけ…会いたい」

「わかった。その願い叶えてやろう!」

「……ありがとう」

よかった…。もしかしたら茜に会うことができるかもしれない。

逃げてしまったままで終わらずに済むかもしれない。

ただの自己満足かもしれないけど、それでも。


「だが、その願いを叶えるのにはいくつかの『試練』を受けてもらう」

「え?試練って……そんなの聞いてな」

「ただで願いを叶えるわけがないだろう。神様だって慈善事業(じせんじぎょう)じゃないんだぞ」

「願いを叶えるのが、神様の仕事じゃないの」

「全部の願いを叶えるのは無理だ。

なら神様の俺が選ぶのは当然だ」

「それに『試練』には本当にその願いを叶えたいという意思があるのかをわかるためという理由がある」

「本当に叶えたいのなら…乗り越えられるはずだろう?」


こうして神様に願いを叶えてもらえることになったのだけど…。

条件付きで叶えてもらえるかは分からない。

だけど…僕はあの時の約束を守らないといけないと思うんだ。

逃げて逃げて、真実(ほんとう)のことから目をそらしているのが僕だから。

向き合わないといけない。

高校生になって、再会できたのに逃げてしまった僕は。

僕から離れてしまったのだから。

それなら、僕が逢いに行かないと。

そのためなら…僕はどんな試練でも超えてみせる。


だから待ってて欲しい。今度こそ、茜に逢いにいくから。

茜に来てもらうのではなく、僕の方から行くから。

読んでくださってありがとうございます。

何かこうして欲しいとかの意見があったら書いて頂けると改善していくのでお願いします。もちろん感想等もしてくれると嬉しいです!

これからもよろしくお願いします。


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