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夢と僕とあの子との約束。

少し思い感じの話かも知れません。でも男主人公も、女主人公側も誰もが少しは感じると思う感情を書いてみました。

恋愛だけど、どちらかと言うと友情や愛といったものになると思います。

『またね! また明日!!』

『うん!』

 あぁ、またか……


『なんで、なんでなの!一緒に居てくれるって約束したのに……』

『ごめん……』

『嘘つきなんて、大っ嫌い!!』

『ごめん…………。本当にごめん……』

 また、このシーンか……


『絶対に戻ってくるから!そしたらまたあの場所で一緒に遊ぼうね!』

『うん……。ぜったい、だよ。約束だからね。忘れちゃ、ダメだからね。』

 また、この夢か。

 もう、忘れたいのに。でも……忘れちゃ、いけないんだ。次、会えたらあの時みたいに……

 あの子を、1人にしないために。僕は約束を守らなきゃいけないんだ。



[ピピピッ!ピピピッ!ピピッ]

[バン!!]

はぁ、はぁ、はぁ……。

またあの夢だ。もうずっと前のことなのに。

昔の僕はもう……いないんだ。

あの子と会えたとしてもきっと、今の僕では約束なんて、守れない。

あの子はきっと、取り繕っただけの僕なんて嫌いだろうから。だって、嘘つきが嫌いだったから。



僕の名前は赤瀬あかせ じゅん

高校1年生で桜ヶ咲高校に通っている。部活は入ってない。客観的に自分のことをいうとしたら明るくて、誰からも好かれる。とかフレンドリー、とかだと思う。

……そう見られるように、僕がしたから。

本当の僕は感情がなくて、誰にも愛されてなんかいない。明るくもなければ好かれるなんてもってのかほかだろう。

でも、そんな僕を知ってるのは……1人だけ。子供の頃、離ればなれになった青山茜あおやま あかねという女の子だけだ。



〜あかねSide〜

「どうして……わたしばっかり! ……もうイヤ」

私はどうしていつも上手くいかないんだろう。私ばかり。私の周り、ばっかり。

等しい幸せなんて、絶対にない。そんなものがあるなら、私も……彼もきっと幸せだ。



私は小さいときから人と馴染めなかった。

……馴染もうとしなかった。だってみんな、嘘つきだらけだから。笑顔で話してても実は相手のことを嫌いだったり。親友といってても、実際は裏で悪口を言ってたり。

だから私は……『人間なんて大嫌い』

こんなこと言ったらハブられるのは目に見えてるから言わないけど。

でも……1度だけそんなことを言ったとき、笑って受け止めてくれた人がいた。

たった、1人だけ。でも今は、離ればなれになってしまった、だから次会えるかわからない。その人の名前は黒崎潤くろざき じゅんという男の子だった。

彼はきっと、約束のことを覚えていて、守れなかったことを責めてると思う。私が、嘘つき扱いしたから。だからもう一度会えたら……謝って、あの時みたいに……


それにしても明日から新しい学校か。いやだなぁ。新しい学校は………『桜ヶ咲高校』か。


あかねSide終了

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「転校生?」

「そう、転校生が来るんだってよ!それも女子だぜ。女子」

「え、どこのクラス?」

「さぁ……」


……転校生?今の時期に転校生か。いまは6月だから、もうグループとかもできてるし、なじみにくいだろうなぁ。もし、機会があったら話してみるか。


「……でさぁ今日ね。……がさ…………」

「まじで!?うわぁ!大変だな〜」

「ほんとだよ。」

「ドンマイじゃん笑」

「でねー……」「きゃあっ!!」


[ドンッ!!][バサバサバサッ]


あ、誰かとぶつかちゃった。

「大丈夫!?ごめんね、怪我してない?」

大丈夫かな?前見てなかったから……

あれ?この制服、この学校のじゃない……?

「え、、、?あ、だ、大丈夫です。すいませんでした。失礼します。」

「え、あ、うん」

行っちゃった……もしかして転校生ってあの子なのかな……?


「なあ、赤瀬。例の転校生知ってるか?」

「転校生?なんかあったの?」

「その転校生、なんかめっちゃ愛想悪いらしくて、もう孤立してるらしいぜ」

「うーん、、、人見知りとかじゃ……」

「でな、その転校生さぁ。青山 茜って言うらしいぜ」

「え……?」

あおやまあかね? 今、こいつそう言ったよね。

まさか……そんなわけ。

僕の知ってる青山茜は『愛想が悪い』『孤立してる』といった感じ。

今見た子も。

前もそうだった、そんなことで悩んでた。もしかして、茜なんじゃないのか。もし、茜だとしたら……

あの時の約束を、果たすべきなんじゃ。

でも……僕は、嘘つきのままだ。会いに行っても、許してくれないかもしれない。それに……本当の僕を知ってる茜に会ったら、取り繕った僕が壊れてしまうんじゃないか。

……また、僕の周りから離れていくんじゃないか。



茜かもしれないということを知ってから、なんとなく僕は落ち着かなくなっていた。



そして……『かもしれない』ではなく、茜なのだろう、ということもわかった。何度か、僕に話しかけようとしてくれたことがあったからだ。でも僕は、気付かないふりをして、もしくは都合が悪いという感じで茜と話そうとしなかった。

数日経っても、一ヶ月たっても、僕は茜に会いにいくことができないまま、過ごしていた。







読んでくださってありがとうございます。

これから先も続くので読んでくださると嬉しいです!

共感していただけたら大変嬉しいです。

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