1話
絶賛スカイダイビング...否、最高速で落下中だ。
笑い事ではない、このままだと確実に死ぬ、きたねえ花〇だ落下死ver.になる自信がある。
そしていつかのネットで見た、<ホ〇と飛ぶ! スカイダイビング体験記>で書いてあった通り、口が全く開かない。
というよりは開けない、開いたら120%唇は戻ってこないとわかるからだ。
〔さて、異世界一発目の景色が目も開けられないほどの大空とはな...あのクソホスト、次会ったら絶対泣かす、まあ今はそれどころじゃない、この状況を何とかしないと、とりあえず飛べそうな魔法を唱えてみるか? いや、口が開かないんだった、ならば無詠唱で...≪フライ!! ≫〕
おおっ!! 体が浮いてる感覚が...なんてこともなく、まさに〈ケイトの体には何も起こらなかった〉だ。
〔こりゃあやばいな。こうなったら生活に必要なものを入れたって言ってたアイテムポーチを見てみるか、ん? まずどうやって開けるんだこれ、まあド定番のセリフでも吐いとくか≪アイテムポーチオープン≫〕
ブオォン
〔うおっ! 脳内イメージみたいに頭の中にディスプレイが現れんのか、まあいいとりあえず中身の確認だ〕
・旅のしおり(笑)――――簡易マップ
・歯ブラシ
・水筒
・ビニール袋
・ハンカチ
・ティッシュ
・酔い止め
〔...待て、これはどこの修学旅行生のバックだ? いくら俺が高2で修学旅行控えてたって言っても、この編成はないだろクソホスト、まあ最後まで見てやるか、このまま最期になりそうだけど〕
・バンドエイド
・日焼け止め
・トランプ
・マスク
・ドライヤー
・くし
・耳栓
〔あ、これ詰んだわ完全に詰んだ、しかも後半完全にJKの持ち物だし、終わった...〕
・金貨10枚・銀貨100枚・銅貨1000枚
・失われた魔導書
・神様からのお・く・り・も・の☆
〔おお、終盤にかけてとんでもないものがでてきたな、そしてこの最後のウザさMAXのアイテム...ん? 光ってんなこれ、押してみるか〕
パンパカパーンパパパパンパカパーン!!!
〔なんだこのクソBGM、キレるぞ、人生最期で最大のブッチ披露するぞ〕
『は~い、景都くん☆ キミはきっと今、絶望からの驚愕からの怒りに変わってるだろう! でもちょっと待ってくれないか、ちょっとした説明をさせてくれyo!
まず、言語については問題ない、読む書く聞く話すなんでもいけるよ!
そしてお金に関してもその金貨銀貨銅貨でどうにでもなるから、詳しくは現地の人にでも聞いてネ!
そして持ち物については8割がたが冗談だから気にしないとして、簡易マップはこの世界全体、そしてキミの現在地が表示される、割と貴重なものだからなくさないようにネ!
んでんで~、キミが一番気になってるであろう、失われた魔導書についてだけど...正直、僕にもわかんないけど、たぶんキミの記憶を取り戻すことにも関係あると思うヨ!
あとは魔法...いやキミの場合は魔導だネ、地上についたら魔導書を開いてみるといいヨ!
さあっ! ややこしい話はここまでにして、はいっパラシュートてーんかーい☆ あ、全自動だから着陸は安全だヨ、じゃ、またのご来店をお待ちしてマース!! 』
<いろいろと突っ込みどころあるけどナイスううううううううう!!!!! 確かに浮いてる! 浮力が働いてる、しかも全自動か、お、目も口も開けれるかもしれないな>
目を開けた、長らく目を開けてなかったから日差しがきつかったけど、そんなことはどうでもよくなるような景色が視界に広がった。
「ははっ、自然見渡す限りの自然、あきらかに地球にない色とりどりの草木、森、湖、山! しかもなんかでっかいの飛んでるし」
空気も澄んでるし最高じゃないか!!
「よし、そろそろ着地だな、でも森の中の着地になりそうだけどこれ大丈夫か? よくある木に引っかかったりしそうな気がするんだけど...うおっ!? 」
なんとびっくり、木にぶつかりそうだなと思ったらワープしたかのように俺は地面に着地してた。
「着地まで全自動とは言ってたけどまさかここまでとは...、しかもパラシュートまできれいに消え去ってるとは、中々やるなあのホスト神、もしかしてアイテムボックスに戻ってたりするのか? アイテムボックスオープン! 上記のアイテムは相変わらず、っと、ん? ☆神☆からの最後のメッセ? 魔導書の前にこっち読んどくか、なんか大切なことかもしれないし」
俺は正直ホスト神をここまではある程度信用してた、パラシュートくれたし、一応便利なアイテムもそこそこ入ってたし。
でもやっぱ、クソホストはクソホストだった。
『うんうん、無事着地おめおめー、ホントは最初いた場所から転移で行けたんだけど、スリルっていうかさー、なんていうの ブチッッ』
途中で切った、正直これ以上やつの声を聴くと頭がおかしくなりそうだ。
「やっぱあのクソごみホスト、次会ったら、殺〇、絶対〇す」
結果、ホストへの殺意が増大しただけだった。
次は魔導書との...お楽しみに!!