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異世界に召喚されたはいいが俺のステータスがALL1でオワタ式なんだが  作者: はくゆーせい
【EPS:1】異世界に召喚されたんだが・・・
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【STO:4】異世界モノと言えば混浴風呂を期待してしまうのは俺だけじゃ無いはず

あの奇跡的な生還から更に数時間。

日も落ち、辺りはすっかり暗くなっていた。

夜の街は蛍光灯やネオンなんて無いからだろう、松明が灯されて正直不気味だ。他の光源といえば家の窓から見える部屋の明かり位なものだ。

俺は早速宿を探して泊まろうとする。が、何処に宿屋があるのかわからん!人に聞こうにも殆ど歩いておらず、見回りの兵士らしき人物が訝しげに此方を見ている。


しかし人に聞かなければ行けない身である俺は、そんな兵士の態度にも気にせず宿を尋ねる。

幸い近くに宿がある事がわかり、俺は自転車に乗ってそこへと走る。

数分足らずで宿屋へと到着する俺は、自転車を降りて引きながら宿屋の中へと向かう。自転車はこの異世界じゃ珍しいモノなので流石に外に置くことが出来ないしな。

木造の柱に白い石膏のような壁の小綺麗な宿屋を感動した様子で見渡しながらフロントへ。


「一番安い部屋を・・・」

「申し訳ございませんお客様、当宿は生憎満室でして・・・」


唖然とした。聞けば宿屋など宿泊施設は、なるべく昼間に予約しないとすぐに埋まってしまうそうだ。完全に失態である。

特にココは城下街は旅人や冒険者が多く集まる場所でもあり、他の宿屋も何処も一杯だろうとフロントの人は教えてくれた。


ーー流石に疲労も限界な俺は、他の宿を探し回り一縷の望みに賭けて部屋を探す気力は無い。


・・・だが、俺みたいに泊まれなかった冒険者や旅人は一体何処に泊まるんだ?


「宿泊出来なかった冒険者や旅人は何処で寝泊まりを?」

「大抵は街の外に集まっての野宿が多いですね。後は・・・馬小屋に泊まったりでしょうか?」


馬小屋・・・あまり野宿と大差無いような・・・。馬小屋は雨風を凌げるだけマシらしい、しかし、こんな晴れた夜なら馬小屋に僅かな金を支払って寝泊まりするよりかは街の外のがいい、って考えが多いそうだ。魔物に襲われる危険性があるから出来れば野宿は避けたいが・・・。


仕方なく宿を出て、俺は馬小屋を尋ねた。

銅貨2枚で泊めて貰えるとのこと、金取るのか。野宿よりマシか。そうか。

確かに野宿よりマシではあるが、獣臭く、藁にたまに馬のフンが付いている。

俺はふと鞄の中を見る。今日購入した銃と金貨に加え、先ほどの支払いで崩れた銀貨と銅貨。正直な話最初に貰った時より重くなり、もし自転車が倒れたら俺の筋力では持ち上げられそうも無い。


ーーこの異世界はステータスだけじゃなく俺の日常生活にまで冷たいようだ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


朝日がのぼり、馬小屋に日の光が射す。よほど疲れていたのか思いのほかよく眠れた。

そして、起きたら自分の部屋だったという事も無くがっかりした。


まだ命の危険はついて回るのだと。


昨日の情報を元に俺は冒険者のギルドを探す事にした。冒険者なら俺も良く知っている。ゲームや小説なんかで依頼を受けて仕事をこなす連中の事だろう。

ファンタジーモノの中でも憧れる職業の一つだ。

だが冒険者になりに行くわけじゃない。当然だ、こんなヒョロヒョロステータスで出来るような仕事なんてないだろうさ。

目的は簡単、俺のレベル上げを手伝い護衛してくれる冒険者を雇う為だ。


冒険者ギルドを街の女性に教えて貰い、ギルドの扉を開く。ギルドと言っても中はまるで酒場のようになっており、二階に宿泊する部屋もあるらしい。

さしずめ壁に張り付いた張り紙の数々はクエストと言ったところだろう。俺もステータスさえまともなら・・・。


無いものを強請っても手に入らないものは仕方ない、早速カウンターに向かいギルドの受付けの人だと思われる人物へと話しかける。


「依頼をしたいのですが・・・」

「いらっしゃい、なら此方の紙に書いてくれるかね?」


・・・紙に書く?


しまったー!!俺異世界の文字書けないよ!!困ったなぁ・・・


「あの、俺この国の文字が書けなくて・・・」

「あぁ、なら言ってくれればワシが書こう」


って、書いてくれんのかい!!

そんな心の中でツッコミ入れながらギルドの受付けのおじさんに依頼したい内容を事細かに話す。報酬もいまいち良くわからないので聞いてみたが、銀貨60枚が妥当だろうと教えてくれた。やった!軽くなる!


「へぇ、一度も被弾せず戦闘して鍛えたい、ねぇ・・・?」


いつの間にか背後から覗き込むように依頼書の内容を覗き込んでいる男が居た。

黒いツンツンとした髪型に額で一度捻って巻きつけたようなバンダナ。瞳はあのヘラリカよりも深い真紅色で、頬には十字の傷跡がある。


「ロデオ、お前が請けるようなレベルの依頼じゃないぞ?」

「なぁに、暇潰しにはなるだろうよ。依頼主に怪我を負わせるだけで依頼失敗。面白いじゃねーの」


この二人のやり取りからすればよほどの実力ある冒険者だとわかる。それなら断る理由は今の俺には無い。


「ではロデオさん、俺の依頼お願いします!」

「さんなんていらねぇよ、ロデオでじゅーぶんさ」


ロデオはぽんぽんと軽く肩を叩き気楽な態度で俺の依頼を受けてくれた。

朝夜「仲介料は依頼と別料金なんだな・・・」

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