ξレディフック 共通シナリオ 人魚と海賊
私は幼い頃に海で溺れたことがある。
国の争いで親を失って、私も命を狙われて海に投げ捨てられた。
幼いながら死を覚悟し目を閉じて、ただその終わりを待つ
意識が消えかけるそのとき、助けてくれたのは優しい海賊の頭だった。
それから私は――――――
「アッハハ!」
敵の船に的確に爆弾を当てられるまでになった。
人は私をレディ・フック・アリアと呼ぶ。
ついでに私はあの船長のようなフックはないが、海賊っぽいからそう名乗っている。
「楽しかったなあ~」
私は塵になった敵の船を尻目に砂浜をかけていた。
「助けて…」
人魚の男が打ち上げられていた!
「私は…どうする?」
【爆弾をなげつける】
→【保護する】
まさか貴重な人魚に爆薬をぶつけるわけがない。
というわけで保護した。
「ありがとうお姉さん」
「私年増に見える?」
お姉さんなんて呼ばれるとなんか変な感じ。
この人魚より私の方が若いと思うんだけど。
「うーん」
【ひっぱたく★】
【なでる】
→【なにもしない】
「ありがとうありがとうございます」
「ぎゃあああ足に昆布だかワカメだかわからないものが!!」
「なにやってんだフリア」
騒ぎを聞き付けた私の恩人にして船長のベルディスが船から出てきた。
彼はフックアリアを短縮してフリアと呼ぶ。
ベルディスに限らず仲間達はそう呼ぶ。
「さて、現れたベルディスに私はなんといおうか?」
【この人魚を始末して!】
→【海草を海に投げ捨てて!】
【船長助けて!】
「昆布か?」
船長は足に巻き付いた昆布だかワカメだかわからない海草を海に捨ててくれた。
「お前ら金魚…じゃなくて人魚を捕まえて船に乗せろ」
「へい!」
人魚の男はまるで捕獲されたマグロのように担がれた。
「見た目にそぐわず重いな」
「人魚っても男だしなどうせ担ぐなら人魚姫がよかった」
「バーカ人魚姫だったらお頭のもんだろ」
人魚姫が流れ着いたら船長がその人魚と結婚してしまうの?
「そんなの…」
→【杞憂か】
【いやだ】
【むしろ歓迎】
人魚は船医のところに運ばれた。
「センイさーん」
「君達何をやっているんですか」
東洋の男は眼鏡をくいっと上げ、知性アピールをしている。
「見ての通りだろ人魚が漂流していたんだ」
「人魚姫ですか?」
「どっちかっつーとプリンスだな」
「あ、僕プリンスじゃないです人魚界でいうとパンピーというやつです」
つまりしたっぱか。
こいつがしたっぱなら王子は超絶イケメンに違いない。
「王子の写真とか持ってないの」
「あ、どうぞ」
「きゃー!」
気絶しそうなくらいの美形であった。
「人魚の王子なら売り飛ばすか肉を食らうところだが、パンピーじゃしかたねーな」
「パンピーでよかった!」
「で、アンタ名前は?」
「エベレフェです」
「変な名前だな」
「人魚はみんなこんな感じですよ名前かぶると間違えるし」
「あー美形ばっかで?」
「で、彼をどうしますか?」
【海にかえす】
→【ここにいてもらう】
こうして人魚と海賊は出会った。
◆
「あー船飽きた。早く陸地のレストランで旨いもん食べたーい」
「たべたーい」
私はソファで脚をバタバタさせた。真似してエベレフェもピチピチ跳ねた。超面白かった。
―――
「今日も暇ですね……馬鹿は風邪ひかないといいますからね」
―――――――――――
「着いたな」
私は船から降りて各々、アクアルド星の観光をすることにした。
「船のことはセンイに任せて、そこらの店にいくとするか」
エベレフェは脚が乾かないと外に出られないらしいのでおいていく。
―――さてどうしよう。
【ベルディスについていく】
【やっぱりエベレフェをまっている】
【センイさんにお土産を買う】
→【一人で行動する】
私は一人で市場を観光することにした。
服はどこにでもいる田舎娘のようなありふれたものに替えている。
これなら海賊が来たとか、民や兵士に騒がれることはないだろう。
アクアルドの食事は海苔……後は辛い何かか。ちょっとイメージしていたのと違うわね。
噂では皮だけ食べるというペケンダッケという鳥肉料理の店がある。なんとも勿体ないが美味しそうな匂いがする。
入ろうか迷っていると、別の店から騒がしい声がして、なんだろう見てみるとなにやら人だかりができていた。
――――なにこの人だかりは?
→【みにいく】
【そんなことより肉】
「見ろよあの兄ちゃんめっちゃくちゃ食いまくってるぜ」
「若いな胃もたれしてきたぜ」
「今までに食いきったやつはいないって話だ」
どうやら店の代金がタダになる系の大食い大会のまっ最中らしい。
――――こんな野次馬が集まるくらいだ。どんな男なのか気になり、周りの者共をかきわけて隙間から観てみる。
少年と青年の間くらいのグレーに赤メッシュ髪の男。白いジャケット、帽子……それは海軍の制服である。
「あー食った食った。つーわけで、タダでいいんだよな?」
「く……持ってけドロボー!」
彼は涼しい顔で平らげ、店の代金をチャラにした。あのくいっぷり、海軍のくせにどこの海賊王?
――なんて、考えている暇はない。もし顔バレしているならこんなところで会いたくない。
ベルディス達なら心配しなくてもヘマはしないだろう。
とにかく私は逃げなくては―――――
【ベルディスと合流したい】
【エヴェレフェが心配】
【はやく船に戻ろう】
→【万が一尾行されていたら……】
【いっそ海賊やめて海軍に転職を】
尾行が懸念される為、ここはとにかく移動して、もしもつけられていたら~のテイでまこう。
――お腹がすいたけど仕方ない。アヒイジェ食べたかったわ。
「やあそこの娘さん」
黒いローブのツラはまあまあより結構上くらいの男に声をかけられた。
なんだかいかにも怪しい開運アイテムがありそうな露店だ。
「幸せの石とか買わないから。私そういう幸運を招くとかアテにならない占いみたいなの信じないタイプだし」
「悩みのない人間はいませんよ、なにか困っていることの一つや二つあるでしょう?」
「ないこともないけど、開運ブレスレットとか買わないわよ、運は自分で切り開くものなんだから」
あ、私いまちょっとかっこいい事いった。
「悩みあるんですね~じゃあ、まあ、お話だけでも」
「相談料とかぼったくるつもりね」
「初回無料ってことで今回はタダにしておきますよ」
まあ興味ないけどタダだからやるかって軽い気で意外とハマって継続、からの課金パターンよこれ。




