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プロローグ
瞬くほどに輝いている星
数えようともいくつあるのかわからない。
星…
…ぼくの手に舞い振るほどある無数の星たち
そうぼくはずっとこの世界で生きてきた。
なぜならば、ここがぼくの故郷だから
言い換えればここの外の世界はわからない。
プラネタリウムがあり星の精たちが住んでいるこの町
だけど、外の世界に興味がないとは言い切れない
「この世界の外には何があるのか」
ぼくはずっと疑問を抱いていた。
「きっと楽しい世界がありますよ」
気づくと僕の手を少女は握っていた僕とは違い暖かい手だった。
そして少女は微笑んだ。
「ぼくはここから外の世界に旅立てるの?」
「旅立てますよ、色々話したいことがありますが」
「私はいかないといけないのでお別れです」
「待って、ぼくも連れて行って」
(・・・ぼくは取り残されたこの世界に)
あの少女はどこに行ったのか
ぼくは気になって懸命に叫んだ、それでもその声は届くことはなかった。