離れていても伝わるよね。
突然の応援にびっくり!順子は観客モードで手を振る。体育館は青春真っ盛り!!
ピ―――――――ッ。
試合終了のホイッスルが鳴った。7対42。圧倒的に負け。
「ナイスパス、小枝!!」
傍聴席から順子の声がした。順子はほんの一ヶ月前までうちらのキャプテンだった。バスケも上手かったし、私と一番仲良かったのも順子だ。運が悪かった。親の工場が潰れ、学校も辞めて、今は知り合いのところでバイトしているらしい。
「もぉ、来るなら連絡ぐらい入れてよね。みんなびっくりするでしょ?!」
わたしは頬を膨らましていたけれど、順子が見に来てくれて嬉しかった。
「ごめんっ。連絡入れようと思ったんだけどさ、携帯忘れちゃって……だから、ね」
はぁー。こいつはもぅ。
手を顔の前で合わせて、すまなさそうに許しをこう順子は可愛かった。しばらく見ないうちに外見が大人びていて、別人に見えた。でも、(あぁ、順子だ)と思う。今更ね☆
「うちの喫茶店のクリームソーダーで手を打とうっ!!」
うしろから長身の少女が二人の肩に手をかけてきた。『きゃっ』とうしろを振り返って一言。
『―――瑞希っ!!』
二人のハモリに「相変わらずだね」と微笑む。
瑞希もバスケ部の一員だ。手も足も長くって、モデルの仕事もこなしている。もちろん、学校にバレないようにね。
「寄って行くでしょ?」
気が付くと、喫茶店『花・花』に来ていた。私は順子を見て、返事を待つ。
「せっかくだけど、帰るよ」
一言だけ残して「じゃあ」と去っていった。相変らず、せわしないヤツっと苦笑して、瑞希の部屋へ行った。
読んでくださった方、心からお礼申し上げます。女子バスケを中心とした五人は数々の問題を抱えている。これから、のお話に期待してください!!では、感想&評価の方是非、是非・・・お願いしますっ。