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第三話

 今時ガチャガチャって流行らなくない?


「な!?妾が開発した物を知っているのか」

「いやだって知ってるも何もガチャガチャだし」


 心底驚いたみたいな顔してるけど、人間世界じゃだいぶ前に作られてるんだよなぁ。あ、取り乱してるの可愛い。


「えぇい!そんな事はどうでも良いそれより、さっさと引いたらどうだ?念願の能力ゲットじゃろ!」


 おっとそうだった。そうだった。でもこれ系のガチャって大体中身ショボいんだよなぁ。


「ショボいとは何だショボいとは!これでも妾の権能が入れてあるのじゃ。そこら辺の異能では太刀打ちも出来ぬような強い物が出てくるわ!」


 なるほどね。まぁ僕的にはどちらでも構わないけどね。あぁ....これから出てくるのはどんな能力かなぁ...やっぱり強欲の悪魔の権能だし、略奪とか?いや、この場合コピーとかでもありか。まぁ待て焦るな。能力なんて無限大だ。略奪じゃなくたって支配の可能性もある。やっぱり回してみないと分かる物でもないしね。


 僕は勢い良く、ガチャガチャのノブを右に回す。ガラガラと小気味いい音が鳴ったかと思うと、一つのカプセルが出てきた。ふむ、これが能力なのかな?


「うむ、表面にランクが書いてある筈じゃ!」

「え?能力にランクなんてあるの!?」

「ん?ないぞ?妾が暇過ぎて勝手に付けただけじゃからのぅ~まぁ妾の独断と偏見で付けた能力ランクと言う奴じゃ」


 ふぅ~んランクね。別に期待してるわけじゃ無いけど、やっぱり貰えるからには良い物が良いよね。まぁ別に本当に期待してるわけじゃないんだけどね!!


「あぁ因みに上からSS、S、R、Nって感じの評価基準じゃ因みにNは一個しか入れておらんからそうそう当たらんよ」


 ご丁寧に最近のソシャゲと同じ感じなんだ。さてさて中身はなんじゃろなぁ~.......


『能力ランク:N 感情顕現』


「...........」

「...........」


 え?出たんだけど、種類がどれだけあるのか分からないけど、出たんだけど!?!?!?


「まぁ~そのなんじゃ。ドンマイ」

「ひゃっはぁぁぁぁぁぁああ!!!!!最底辺能力きたぁぁぁぁぁ!!」

「ふぁ!?なんじゃ!?いよいよ気でも可笑しくしたか!?」


 いやいや、だって最底辺能力だよ?それってつまり最強能力じゃん!!


「いや、何がどうしてそうなったら最弱能力が最強になるんじゃ!!」


 いや、だってお約束でしょ。なろうじゃ定番だよ。最弱スキルの〇〇覚醒して、魔王を滅ぼしてしまった件みたいな感じのさぁ!!


「な、なにを言っておるのかよう分らんが、まぁハルトが良いなら良いんじゃないかの?」


 うん、これで良いよむしろこれが良いよ!!感情顕現って事は感情を顕現させれるって事かな。こと感情を顕現させるの意味が良くわからないけど、これ使いようによっては化けるんじゃ、うぁあ早く使いたいなぁ。


「それでこの能力どうやって使えるようにするの?」

「ぬ?急に戻るのぉ、取り合えずそのカプセルを開ければ能力が使えるようになるはずじゃ」


 マイちゃんに言われるがまま、僕はカプセルを開ける。すると中から黒い液体のような物が湧き出てきて、まるで僕に融合しようと言わんばかりに張り付いてくる。なんか気持ち悪いな。全身にスライムを付けられてるみたいな感じだ。


 そんな風に考えていたら、スライムが少しずつ溶けるように僕の体に入っていた。


「うむ、これで能力が使えるようになったはずじゃ」


 僕はよくなろう系で言われている。自分自身に意識を向けてみる。すると文字が見えた。


『異能:感情顕現』


 本当に僕の体に異能が...と、取り合えず使い方。そうだよ。使い方が分からなかったら宝の持ち腐れも良いところだったよ。


「で、マイちゃんこれどうやって使うの?」

「マイちゃん言うな!!」


 あはは...口で言うのはダメなんだ。


「なんじゃ?その異能の事か?簡単じゃよその異能は怒れば力が増す、泣けば涙が具現化するまぁようするに自分の感情に左右される能力じゃ」


 なるほどね。だからランクNなんだ。こうやって言う感じ、普通の能力は発動しようと思えば発動させれるっぽいね。因みにこの異能マイちゃんの権能とか言ってたよね?マイちゃんはどうやって使ってたの?


「はぁ...喋るか考えるかどっちかにして欲しいものよ....まぁ良いか。その能力妾は基本自分では操っておらんかった。大体はブチ切れて勝手に発動しておったはずじゃ」


 なるほどね。マイちゃんでもそういう感じの使い方だったんだ。まぁでもそりゃそうか。感情顕現なんて、感情が起伏しないと発動出来ないだろうし、まぁでも僕なろう系でも覚醒が遅いタイプってあんまり好きじゃないんだよね。って事で。


『感情顕現:憎悪』


 次の瞬間僕の目の前には真っ黒に燃える炎が存在していた。やっぱりこういう使い方出来るんだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 異世界に行って活躍したかったのに、現実の方で現実離れしたトラブルに巻き込まれて、異世界転移主人公のようなノリで関わる…と、現実の方でも実際に出てきそうな展開なのがいいですね。
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