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第二話

「あれ?どこだここ」


 目が覚めると暗い世界に一人倒れていた。確か僕は襲われている美少女を助けようとして、変な薬を飲んで...もしかしてここ地獄?


 いやいや、そもそも僕地獄に堕ちるような悪い事した記憶無いし、じゃあここ何処なんだって聞かれたら答えられないんだけどさぁ。まぁ考えていても仕方が無いし取り合えず状況把握をしよう。状況把握大事!!


 周囲を見渡してみても真っ暗で何もない、体をペタペタ触ってみたら僕が裸な事がわかった。って裸じゃん僕!?え?何地獄って皆裸なの?それだったら変態わき放題じゃん。あれ?もしかしてここは地獄じゃなくて天国だった?


「アホが、妾が封印されておる間に人間とはこうもアホゥに成り果ててしもうたか」


 うん?どこからか声が聞こえたような気が....


「こっちじゃこっち...おい聞いておるのか?」


 聞こえた方に振り返ってみれば、美女がいた。いや美女と言うには少し幼いだろうか。まぁそれでも十分可愛らしいい女性と言うか....うん?服を着ている?じゃあ何で僕だけ服着てないんだ?


「っていうか見るな~えっちぃ~」

「はぁ~全く面倒な奴め、ほれこれでも着ておれ」


 そう言って女性は布のような物をこっちに投げてくる。僕はそれをそそくさと拾って体に巻いた。お嫁に行けなくなるところだった。危ない危ない。


「なんだ(わっぱ)?嫁に行きたいのか?随分と変わった趣味じゃのう」

「いや別に本当に行きたいわけじゃないけ....あれ?今の言葉に出てた?」

「うんやぁ?出ておらんよ妾が勝手に貴様の思考を読んでおるだけじゃ」


 なってこった。死んだと思ったら地獄に行って美女とこんなに話せるなんて、待てよ..この感じこのまま美女と話していい感じになって美女の問題を解決して、惚れられて地上に返してもらえるって定番の奴なのでは?そうとなればまずは...


「おい妾の話を聞いておったか?」

「もちろん聞いてるに決まってるだろ!任せてくれよ自慢じゃないけど僕最強なんだ」

「ほぅ~最強か、してその最強の童がどうしてこんな所に素っ裸で眠りこけておったのかのぅ?」


 むむ...答えづらい質問を受けたな。と言うか普通は驚いたり、力を借りようとしない?そんな適当に流すように言われると流石にへこむわぁ~


「凹むくらいなら最初からそのような言葉で喋るべきでは無かったな」

「なんだよ、さっきから僕の心の中を読んでるみたいに喋るじゃん」

「だから言っておろう!!妾は貴様の心の中を読んでいるのじゃ!!」


 まじか...心の中を読まれていたのか。そりゃあ心の中を読まれてたら惚れるわけも無いよなぁ。

あれ?と言うか僕の心を読めるってもしかしなくても神様?って事は僕はこれから転生出来るってこと~!!


「ん?何を言っておるのじゃ?遂に会話も成り立たんくなったかのぅ」


 そうだよな。よくよく見てみたらこの美女黒髪に赤い角、それに浴衣姿これはどこからどう見ても神様と言う奴に他ならないはず、いやぁ~遂に僕も転生かぁ~異世界に行ったらどんな能力に目覚めるんだろうなぁ~。やっぱり王道系の剣聖とか?いやいや、最近だと話題の外れスキルとかだったり~。


「ワクワクしている所すまぬが、妾は貴様の事を転生なぞさせられないぞ?」

「へ?」

「そもそも妾は悪魔じゃからのぅ~その手の物とは真逆に位置すると言っても良いじゃろう」


 なるほど、悪魔か。僕もまだまだだな。死んだ後に悪魔に出会って、何だかんだ殴りあって、気に入られるんだよな。で私の力を貴様に授けるみたいな展開に....


「ならんならん、そもそも人間と妾とでは自力の差が違かろうて~童には1000年経っても倒せぬよ」

「じゃあ何で出てきたのさ?僕は死んだんでしょ?わざわざ悪魔が出てくる理由も無くない?」

「ふむ、その話をしようとしておったのに童が変な話ばかりするからであろう?」


てへ☆


「まぁ、簡単に言うならなぁ...妾は数百年だったか数千年だったか前に封印された悪魔でのぉ...正直退屈しておったんじゃ。大体の奴は妾の封印されている薬瓶を飲めば消滅してしまうからのぉ~ただ面白い事に目の前に適合した童がおった」


 なるほどなるほど、つまり、超古代に封印された悪魔さんを偶然通りかかった僕が飲み込んで適応したってわけか。うん。うん。きたぁぁぁぁぁあぁ!!!!これは絶対なろう展開だ!!!!


「ふむ、なろう展開と言うのはよぅ分らんが、まぁ妾の暇つぶしに童に力を渡そうと言う話じゃ」


 え?そんな簡単に力譲渡してくれる物なの?普通はもっとこう試練とか、妾を倒してみよ雑種とか言うと思うけど....


「ホントに可笑しな童よ、先も言った通り妾は暇しておるのじゃ。言わば暇つぶし、蟻んこに試練与えて楽しむ道楽なんぞ興味ないわ」


 あぁまぁこういう物か。現実は小説より奇なりとは言うけど、逆に何も求めてこないのも怖いな。ていうか普通は主導権とか奪おうとするんじゃないの?


「あぁ、主導権か奪えるなら奪いたいが生憎と妾の力も今ではそこまで強力では無いのじゃよ強欲の悪魔の名など誰も覚えておらんからのぅ」


「強欲の悪魔ねぇ...じゃあ僕が覚えてあげるよ君の名前」


 僕がそう言うと、悪魔は一瞬変な顔をした後笑いやがった。何がおかしいんだよ!全くこれだから悪魔は困るな。人間にも分かるような精神構造でいてくれよ。いや、僕でも分かる精神構造なら今頃惚れてるか。


「クッククあははは...妾の名を童が」


 なんだ、この悪魔ツボに入ったのかずっと笑ってやがる。はぁ~ムカつく。何で笑われなきゃ行けないんだよ。別に変な事は言ってないだろ!!はぁ~...忘れられるのは辛いからね。


「いやぁ~すまないすまない~まさか童っが.....ゴホン」


 悪魔はツボに入ったのかそれから10分くらい大爆笑し続けていた。因みにこいつツボ浅い悪魔の癖に大爆笑している姿でも美しく、絵になるなぁと思ったのは内緒だ。


「クック本当にすまない童。まさかここまで笑えるとは思わなくてのぅ」

「はぁ~もういいから名前教えてくれない?」

「ふむ、分かったわかった。ゴホン、聞いて驚け、妾の名前は強欲の悪魔■■■■■である」


 強欲の悪魔の口から発せられる声はおおよそ人の聞き取れるような声をしていなかった。地球の物で表現するならその音はラジオが壊れた時に出すようなノイズ音みたいな感じにしか聞こえなかった。


「むむ...そうか人の子ではやはり、聞き取る事すら不可能か」


 心なしか、目の前にいる悪魔がシュンってなっている気がする。別に表情が変わったりしているわけじゃないんだけど、何となくそう思った。


「ていうかさ、その音が発音出来ないなら僕たちみたいな人間に発音できる名前教えてよあだ名みたいな感じの」


「あだ名じゃと!?これでも妾は強欲の」

「あ~はいはい、そういうの良いから」

「むむむ....クッ...」

「...だ」


 何かボソリと呟いたみたいだけれど声が小さすぎて何も聞こえなかった。っていうかさっきまで大きな声で喋ってたんだから腹から声出しなよ。


「クッ....マイじゃ!!マイと呼ぶが良い」

「なるほどね良い名前じゃん」

「ふん、当たり前であろう妾は強欲の悪魔なのじゃからな」


 何気に黒い着物に鬼の角、そして美女のようなすらしとしたルックス..うん。マイいい名前だなぁ。は!?僕とした事が関心してどうするよ。こういう何かが進展した時こそ押すに限るでしょ。さぁマイちゃん名前もわかっちゃったからね。僕は止まらないよ!


「マイって言うんだいい名前だね。君に会っている可愛いらしい名前だ」

「はぁ...童よ、先も言ったが貴様の心の声は聞こえておるのじゃ。それに意味はないぞ?それにそんな言葉ごときで落ちる女なんてこの世どこ探してもいない事を覚えておくんじゃな」


 ごふ....鋭い一撃。というかそうだった。僕の心の中読まれっぱなしだったんだった。


「やっと思い出したかあほぅ...まぁよい。取り合えずは感謝しようわっ、ハルトよ」


「急に名前で呼ぶじゃん?」

「ふん、妾も名前を呼ばれておるんじゃ別によかろう、そんな事より能力じゃ」


 そう言ってマイは振り返るようにそっぽを向くとそこには先ほどまで存在していなかったガチャガチャが出現していた。


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