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プロローグ

 今から30年ほど前、突如世界中で巨大な穴が複数観測された。

 はじめは(ヴォイド)と呼ばれ、後にダンジョンと名付けられたその穴の先は、地球とは異なる法則によって成り立つ異世界であった。


 常人離れした肉体を与える『レベル』に、『ステータス』。

 何もないところから物品を取り出すことの出来る『インベントリ』。

 摩訶不思議な効果を齎し、時としてダンジョンの外でも機能する『アイテム』

 そして、超常現象を生み出す『スキル』という、埒外の現象を常識とする異世界。


 当初は、地球に存在する架空の概念を元に作られた、仮想世界のようなものであると推定された。しかし残念ながら、そこは仮想世界などではなく現実であった。

 中で死んだ者は外に出しても死んだまま、脳死などでなく、中で外傷によって死んだのならば、それが死因となった。

 ダンジョンの調査は難航した。そこが実在する異世界ならば、何かしらの意図があって作られたはずだ。現代人に分かりやすいゲームの法則を採用されたのならば、地球人の仕業ではないか――そうやって次第に脱線していく世界中の調査班をあざ笑うかのように、ダンジョン関連の法規制が最も緩かった日本で、とある高校生グループが世界で初めてダンジョンを攻略してみせた。


 ――そう、どうして作られたのかはどうでもいい。

 ――そう、どうしてそれがそこにあるかはどうでもいい。

 ――ただ、そこに在るから進むのだ。そこに居るから、倒すのだ。


 一つ目のダンジョンが攻略されると、すぐに日本には二つ目のダンジョンが生まれた。それはまるで、こちらの動向を伺う神様(・・)の存在が疑われたほどであった。

 実際、そこに神など居なかった。異世界で生まれ育った人間が居ただけだったのだが、それが分かったのは、随分と後の話だ。


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