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第12話 答え合わせ

「ライトできた? 俺、結構自信あるぜ。」

 嬉しそうに自慢してくるジャン。

「まぁ俺も書けるだけ書いたって感じ。」


 微笑み仮面の司会者が巨大な模造紙を抱えて入ってきた。


「それでは、合格発表です。こちらに貼り出しますので、自身の番号の確認をお願いします。」


 受験者は一斉に立ち上がり、貼り出された数字の羅列の元へ向かう。俺たちも例外ではない。


 

  1 7 12 17 18 19 24 32 33 41 42 43

 44 50 52 61 64 72 77 80 84 85 92 100

 101 108 113 114 115 116 121 124 131

 138 144 150 152 156 160 163 164



 44…44…44…!


「42…42…!」


「「あった!」」


 ジャンと声が揃った。

 よし…これで一歩進めた…

 他の受験者も悲喜交々の声をあげている。


 ん? 落ちたはずの43も載ってるぞ。


「お気付きの方もいるかと思いますが、2次試験で負けた方にも同様の試験を実施し、優秀成績だった者を追加合格としました。それではお入りください。」


 入り口の扉が開いて何人か部屋に入ってきた。

 その中心にいたのは、

「シャルル!」

「やぁ、ライト。結構すぐ会えたね。」

「あ! 悪魔女もいるぞ。」

「ジャン、あんたはあとで一回ぶっ飛ばしてやるわ。」



「それでは、これよりランドトロイア攻略の説明を行います。敗退者の方はご退出願います。」


 後ろのドアが開いた、その時。


「納得出来ねぇなぁ! よく知らねぇギルドでよ! 不気味な仮面つけやがって! こんな怪しい奴らに向けて能力の詳細なんて書けるわけねぇだろうがよ!」

 見知らぬ男が突然大声を上げた。


「合格基準点は75点です。能力をすべて記入していなくても考察が出来ていれば十分合格の可能性はありますが。」

 仮面の司会者が話す。仮面越しでも睨んでいるのがわかる。


「黙れ。そんなに能力が知りてぇなら教えてやるよ!」

 凄まじい殺気が会場を包む。


 その殺気を放っているのはこの激昂する男──




 ─ではなく、仮面の司会者であることに気づいたのは、男の腹を細い光が貫いた後だった。


「なっ…」

 男はその場にうつ伏せに倒れる。


 あまりにも一瞬で起きた出来事に俺は気づかなかった。

 悲鳴は上がらずただその場を皆見つめていた。ただただ呆然とする。何事もなかったかのように他の仮面達が男を運んで行く。


 仮面の司会者の方を見ると、周りに光のエネルギー球がいくつも浮かんでいる。これを操る能力だろうか。そして一息ついてから喉元の機械に触れた。


「一撃か。その程度で歯向かうなんて。」

 変声機を切ったその声は女性のものだった。

 自身の仮面に手を掛け、そして外す。

 留められていた長い金髪を振り解いた。

 鋭く碧い瞳で、合格者を見つめる。


「私の名前はステラ=メルメダル。順番が前後しましたが、私たちはギルド《古の恋心(シーラカンス)》ではなくギルド《槍星の探索者達(ランスシーカー)》です。単純な文字の入れ替え(アナグラム)ですから気づいていた人も多そうですが。」


 会場がざわつく。


「おい、あいつそんなにすごいのか?」


 小声で聞いてくるジャン。いや、俺も正直わからないから聞かないでくれ。


「世界三大ギルドの一つだよ。ランドトロイアの踏破者が何人も所属してる。人が最も所属しているギルドだから強さはピンキリだけど、彼女のデザイアを見ると、相当ランクが高そうだね。」


「なるほどなぁー、物知りだな、シャルル。」


「いやこれくらい知っといてよ。デザイア初心者?」


「んだと⁉︎ ライトだって知らない顔してるぞ。」


 ギクっ。


「ライト君は仕方ないよ。ベルニアの王子なんだから国外の情報入って来ないんでしょ。」


「ええ!王子かよ! なんで言ってくれなかったんだよ。」


 ジャンの驚いた声をよそに俺は考えていた。

 そんなすごいギルドがなぜ一般選抜試験なんてしているのだろうか? ギルド内の人間で攻略すればいいのに、わざわざどうして。


 ステラは続けて話す。

「そして、合格したあなた達と共にランドトロイアへ向かう精鋭を紹介します。出てきなさい。」


 カッとステージ側が光ったかと思うと、次の瞬間には20人ほど一列に人が並んでいた。その中には…


「長髪眼鏡!」


「どうもライト君、邪魔して悪かったね。俺の名前はフィクサー。よろしく。」


「ここにいるもの全てではないが、我々のスタッフを含め1次試験では1部屋に1人こちら側の人間を配置させてもらった。」



「おい、ライト。なんでギルドの奴らが潜り込む必要があったんだよ。」

 ジャンがまた聞いてきた。


「え…俺の能力を封じるため?」


「それは俺らの部屋限定じゃん。」


「多分、1次試験をクリアしやすくするためさ。1次試験で誰もデザイアを話したがらないのは目に見えてるでしょ。」


「「うん。」」

 シャルルの話に俺とジャンは聞き入る。


「その膠着状態で1人がデザイアを明かし始めたらどう? 脱落したくないからみんな釣られて話出しちゃうんじゃない?」


「なるほど、その役をギルド側の人間にさせた、仕込み(サクラ)ってことか。」


「そう、そのほうがスムーズだしね。嘘を見抜くデザイア使いがいるからこその作戦だね。」



 ──ステラは、一度咳払いをしてからひときわ大きい声で宣言する

「明日4月3日! こちらの精鋭20名と合格者41名の計61名で〝古代都市ランドトロイア〟攻略を行う! そして今後は私の指示に従ってもらう。」


ここまで読んで下さってありがとうございます。古代都市突入目前の目前でございます。

いいね、ブックマークよろしくお願いします。


お恥ずかしいことにようやく気が付いたのですが、今まで段落の始めを空白を空けておりませんでした。私としては、セリフ多いのであまり違和感を覚えなかったのですが、今まで読みにくかったらすいません。空白が空いてるほうがやはりいいのでしょうか…

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