異界に殴り込みする
序
普段知覚できない人智を超えた存在を神と言う。
度々人前に現れては人々を導き、救い、信仰される存在だ。
その神が住まうとされる世界において、とある事件が発生した。
『人には容易く扱えぬ代物、危険なもの、人には渡してはならないものが盗まれ、更には何処かにばら撒かれてしまった』
神が人に渡す物を『ギフト』とする。
異世界に転生した人間がよく言う『神様から貰ったチート武器』だとかがギフトだ。
そのばら撒かれてしまった危険な『違法ギフト』を回収するために一部の天使や人間は日々頑張っていた。
有志が開発・運営している違法ギフト回収者専用サイト『あんそく掲示板』。
主に情報収集や考察、愚痴、その他諸々に使われている回収者による回収者のための交流サイトだ。
回収者に渡される特殊な端末により電波のない異世界間でも充電さえしておけば使用できる。
カナメは手馴れた様子でログインし、1つのスレッドを立ち上げたのだった。
◇
異界に殴り込みする
1:匿名調査員(2147/04/01 10:09:47)ID:H24YXX3D
とある歴史的重要人物(7段階指標Cクラス)が異界に迷い込み消息を絶った
今回は一週間以内に見つけて連れて帰ることが任務
世界線コード59030934
現代日本
・A子(仮名)
昨日の14時頃、突然位置座標が消失した
おそらく異界に迷い込んだと思われる
まだ一般人女性
【紫晦山】
桜の名所。標高は620m。
アスレチック広場だとかキャンプ場とかがある。
A子さんの位置が消失したのは登山口付近
ここも桜並木になってて花見客が多いナ
出店屋台もある
2:匿名調査員
一般人が異界に迷ったってだけでもかわいそう……
3:匿名調査員
高SABC←DEF低
一般人女性が重要人物C級?って思ったけど「まだ」ってことは
A子さん未来でなんかするってことか
4:匿名調査員
A子さんが未来で何かする
A子さんが関わった何かが歴史的重要になる
可能性があるとすればそのへん
5:匿名調査員
異界に入ったのって昨日だろ?自力で帰ってくるんじゃね?
6:匿名調査員
異界は差異があれど
・時間の流れが不安定
・現世の常識が適応されない
・即死級の地雷ルールがあったりする
っていうヤバい世界の癖に一般人の住む現世のあちこちに現れがち
珀核を持たない一般人ならまず何事もなく帰ってくるのは難しい
7:匿名調査員
>>5
異界初心者か?
例えば異界で三日過ごしたら現世時間では100年以上経ってるとかザラ
そして一般人は100年分の時間の加算に肉体が耐えられないから基本死ぬ
しかも異界に適応できるように肉体が変化しがちでどんな影響を受けるか分からない
その変質が起こりはじめる目安が大体現世時間1週間
浦島太郎を100回読み直せ
8:匿名調査員
>>7
きさらぎ駅じゃダメっすか
9:匿名調査員
儚げな人のことを「桜に攫われそう」っていうよな
まあ実際に異界に連れてかれてるんすけど
10:匿名調査員
つーかイッチはまだ?2人1組の原則あるんだからイッチサイドも状況教えろよ
11:カナメ
コテハンつけた
現地集合に時間かかったんだワ
これから実際に現地を探索する
そしてこれが今日の相棒
まさしく桜にさらわれそうな見た目してるだろ?
Upload:Picture……
12:匿名調査員
確かに華奢できれいな女性ですね
ところで手に持ってるのはたこ焼きですか?
13:匿名調査員
ねーよ
どう考えてもたこ焼き食べながら桜にさらわれる展開にはならねーよ
そもそも今からやべー所に行くのにたこ焼き食べ歩きして満喫してんじゃねーよ
お花見気分か
14:カナメ
ユリア
今回の相棒
盲目
特殊ステータス/霊視(?)
文字や色とかは見えないかわりにオーラ、気の様なもの、あるいは魂を見ていると言われている
儚げ詐欺師
じゃんけんで負けて来たベテラン
15:匿名調査員
この業界結構な割合で超能力者とかいるよなー
16:匿名調査員
珀核が大きいほど超能力に目覚めやすいらしい
俺らも一般人からして見れば超能力者に近いけどな
俺らが異世界や異界に放り込まれても無事なのは珀核があるから
珀核は第2の心臓とも言われる臓器
まだ謎は多い
17:匿名調査員
せめてじゃんけんで勝ったやつが来いよ
18:カナメ
消息地点まで来たが何も無い
Upload:Picture……
19:匿名調査員
場所が違うんじゃないか?
ほんとにそこで合ってる?
20:匿名調査員
道のど真ん中じゃないか
21:匿名調査員
両サイドの桜が満開で綺麗だなーと思った
いいなー、俺も桜が綺麗な公園に遊びに行きたい
22:匿名調査員
端っこに写ってるトルネードポテト持ってピースしてる人は無視でいいんですか
23:カナメ
位置座標も世界線も同一
確かにここで存在が消えている
ユリア「何か足りないのでしょうか」
24:匿名調査員
よくある異界が開く条件は時間
例えば星辰とか、月齢とか
25:匿名調査員
1週間じゃ解決ムリじゃん
26:匿名調査員
でもA子さんが消えたのは昼間なんだろ?
なら時間は関係ないんじゃないか
27:匿名調査員
A,全部「なんとなく」で起きてる
28:匿名調査員
は〜これだから非現世キメてるやつは
29:匿名調査員
あとは特定の行動パターンとかな
30:匿名調査員
全裸になって五体投地し
「I can fly!」って言いながら
じたばたする
とかか?
31:匿名調査員
>>30
それで異界入りはバカすぎる
32:匿名調査員
>>30
こんなので開く異界ちゃんはちょっと……
◇ 2147/04/01 13:22:30
「どうする?肝心の異界が開かなきゃ何もできないけど」
長い黒髪に長身痩躯な方、ユリアはカナメの問いかけにじっとその場所を見据えた。
桜が咲く山の入り口。
「それは勿論――登ってみるしかないでしょう」
「……歩いて?」
「車移動だと微細な変化に気付きにくいですし、道も狭いですから急に止まることになったら他のお客さんにも迷惑になります。……そういえばエイコさんはどうやってここまで来たんでしょうかね」
「車で来たんじゃないのか?」
「車で来たのならこんな所ではなく山にある駐車場を使うでしょう。車ごと誘引された訳でもなさそうですし。」
「車じゃないなら交通機関を使ってきたんだろ」
「『なぜこの場所である必要があったのか』」
「……花見したかったんじゃねーの?」
「ご近所にもお花見スポットがあります、わざわざ自宅から遠いこの山にした理由はなんでしょう、それも、1人で。」
「知らねぇなァ、そういう気分の時だってあるだろうし」
「せめて1日前からの行動が分かればいいんですけどね。」
今回不可解なのは情報規制の多さであった。
2人ともスレッドに書いたことくらいしか情報を知らない。
被害者のプロフィール、消えた時間、位置座標、そしてタイムリミット。
それ以外のことは意図的に伏せられているようで、情報開示要請はスルーされている。
タイムリミットまでに探せとか言う割に非協力的なのマジムカつくワ、とカナメは憤っていた。
「行きますよ」
◇
39:カナメ(2147/04/01 13:35:27)ID:H24YXX3D
今から山登りするワ
マジで歩くの?
Upload:Picture……
40:匿名調査員
標高600メートルくらいなら頂上まで歩いて2時間くらいか?勾配やペースにもよるけど
がんばれがんばれ
41:匿名調査員
一般人だって歩いて登ろうとしてんだから文句言うな
42:カナメ
>>41
一般人は山頂には車で行くのがスタンダードなんすワ
歩行者用コースはあれどわざわざ通る人は皆無
むしろなんでA子さんは歩いて行こうとしてたのかが気になるくらい
43:匿名調査員
直前までの行動分かんないの?
44:カナメ
何故か情報開示されない
開示請求しても却下される
45:匿名調査員
理由はわかる?
俺の時は『階級の不足』って理由だったけど
46:匿名調査員
『上位権限者からの承認が必要』とか意味わからんよな
事件は会議室で起こってるんじゃない、現場で起きてるんだってのに
とっとと吐けよ情報
47:カナメ
『反逆罪にあたるため』
は?
48:匿名調査員
は?反逆罪ってことはつまり神の方針に逆らうって事だろ?
こんな事で敵認定されんのかよやってられんわ
49:匿名調査員
>>48
スケールデカすぎ……と思ったけど上司の上司、天使ちゃんのトップは神様でしたね
反逆も何も信仰心すらそんなにないけど
50:匿名調査員
A子さんの過去を知ったら反逆罪って
A子さん何者だよ
51:ユリア(2147/04/01 14:12:40)ID:Y224FXX35
(音声入力を開始します)
>>50
A子さんは普通に衣料メーカーのOLさんですよ
今は
52:匿名調査員
あれ?カナメは?
53:ユリア
スレの皆さん、おはようございます
カナメさんの相方ユリアです、よろしくお願いします
初めて音声入力使いましたが便利ですね、これ
54:カナメ
テスト
Upload:Video……
55:匿名調査員
わ〜桜綺麗
56:匿名調査員
25秒あたりの
「カナメさん、知ってますか?桜の花びらが地面に落ちる前にキャッチできたら願いが叶うらしいですよ!」
桜の花びらで遊んでる場合か
57:匿名調査員
とりあえずはよ登れよ
58:ユリア
人はなぜお花見する時何か食べたくなるんでしょう……
今はあったかいお味噌汁と塩にぎりが恋しいです
59:匿名調査員
あなた先程たこ焼きとトルネードポテト食べてましたよね?まだ食うんですか
あとこれは任務であってお花見ではないです
60:カナメ
紫晦山公式ホームページ
http://www……
約1200本の桜のトンネル
Upload:Picture……
なんとなくだけれど狭苦しく感じる気がする
圧迫感?威圧感?
まだ3分の1くらいしか登ってないしそもそも酸欠になるほど高い山でもない
61:匿名調査員
運動不足か?
62:匿名調査員
写真見たけどなんとなくわかる気がする
なんというか……天井が低いような
63:匿名調査員
俺はそうでもないからお前の気のせい
64:匿名調査員
私も写真見たけど、私は何も感じないけど一緒に見てた私の連れが閉塞感を感じてます
65:ユリア
私は何も感じないですね
66:匿名調査員
まあそうでしょうな
67:匿名調査員
閉塞感を感じてるやつがそこそこいるな……
もしかしたら異界が近いのかもしれない
前兆では
68:匿名調査員
画面越しに誘引とかされない?よな?
69:匿名調査員
>>68
異界ちゃんの力量による
70:匿名調査員
圧 倒 的 異 界 ち ゃ ん の せ い
http://www……
71:匿名調査員
>>70
急になんだコイツ……って思ったわ
よく発掘してきたな
72:匿名調査員
>S県里野市紫晦山付近で行方不明者見つかる
>5ヶ月前に居なくなった■■■■(自動削除)さん(24)が発見された。
>体に目立った怪我はないが臓器だけが急激に老化しており
>死因は老衰であると
>>死 因 は 老 衰<<
73:匿名調査員
異界ちゃんによる改造テロに耐えられなかったでござるか……
(-∧-)合掌・・・
74:匿名調査員
( -_-)/Ωチーン
75:匿名調査員
(-人-)
76:カナメ(2147/04/01 15:42:33)ID:H24YXX3D
Upload:Picture……
77:匿名調査員
手ブレが酷いな、何かあったのか?
そもそも何を写そうとした?
78:ユリア
私は残念ながら無事です
カナメさんが居なくなりました
79:匿名調査員
やっぱり前兆だったか……
80:匿名調査員
状況は?
81:ユリア
ここで残念なことに私は文字が見えないので……
見えても読めないので独り言を呟く場になってしまうんですよね
82:匿名調査員
そんなんでよくベテラン調査員になれましたね
83:匿名調査員
せめて異界から連絡が取れればな……
84:ユリア
こんな今にも桜にさらわれそうな可憐な乙女が1人なのは大変危険なので増援を呼ぶ……呼び方分かりません
端末使えないから増援呼べませんしくしく
なのでこちらで出来ることをやるしかありませんね
85:匿名調査員
お前はもうベテラン名乗るな
86:匿名調査員
自分で可憐な乙女とか言うなよいけ図々しい
87:ユリア
そもそもなんでカナメさんの方誘引しちゃうんですかね
私なら降り注ぐ隕石の如くスピード解決をお約束できますのに……
88:匿名調査員
更地にすることを解決とは言わんのよ
89:匿名調査員
カナメはやく戻ってきてくれ、無法地帯が過ぎる
◆ 2147/04/01 15:45:54
登山も半分を過ぎた所だった。
空は晴れているのにどこか薄暗い。
桜で出来たトンネルが続いていたからか、余計にそう思ったのだろうか。
桜の白は風が強く吹き付ける度に点々と降ってくる。
「もう少しでこのトンネルも終わりですね」
トンネルはキャンプ場行きとアスレチック広場行きのY字路の手前まで続いている。マップ上では山の3分の2は何事も無かった事になる。
異界が開く条件。そしてエイコの行方。
何一つ分からないままである。
スレッドの書き込みはあまり動きが活発とは言えない。書き込まれる度に情報共有のためユリアに対して読み上げてはいるが、ユリアも何も分からない、感じないらしかった。
「ユリアは端末持ってても意味ねぇなァ」
「文字読めないのでこれはただの板切れに過ぎません」
「せめてもう二世代新しいのにすれば音声読み上げソフトも使えただろうにな、こんな旧式の初めて見たわァ」
「最新機種にこだわりはないので……生存確認と位置情報と緊急コールができれば十分だと」
「音声入力ができればまあスレの住民の質問には答えられるか。ん?」
70:匿名調査員
圧 倒 的 異 界 ち ゃ ん の せ い
http://www……
「マジかよ」
「どうしましたか?」
提示されたURLをタップする。
そこにはこの山での過去の異界遭遇者の情報が残っていた。
「10年以上昔のニュースサイトの記事だなァ」
「この方が見つかったのも山の麓、ですか」
「この山付近、って書いてあるな」
「可哀想に」
「あちらに長く居たのですね」
背後から風が吹いた。
トンネルから半身が外に出る。
顔を端末から上げた時、咄嗟にカメラモードを起動して写真を撮って、そのままスレッドにアップロードした。
若干写真はブレたかもしれないが。
「どうやら詳しく確認してる暇は無さそうだなァ……」
目の前には誰もいない。キャンプ場とアスレチックのY字路でもない。
紫のしだれ桜が悠然と咲き誇っていた。
「桜に、攫われる」
警戒しつつ、その中に歩いていった。
先程と違いアスファルトの無い地面は道として整備されていた。
山の中とは思えないくらいの広さがあり、見る限りは平地である。
振り返ると当然のように来た道は無く、桜の林があるばかりだ。
紫色の枝垂れ桜に向き直る。
かなり大きな木だが、品種などは分からない。
ただ、作り物めいた美しさだと感じた。
写真に収め、スレッドを開く。
逡ー逡後↓谿エ繧願セシ縺ソ縺吶k
1:蛹ソ蜷崎ェソ譟サ蜩。(2147/04/01 10:09:47)ID:H24YXX3D
縺ィ縺ゅk豁エ蜿イ逧?㍾隕∽ココ迚ゥ(7谿オ髫取欠讓僂繧ッ繝ゥ繧ケ)縺檎焚逡後↓霑キ縺?セシ縺ソ豸域?繧堤オカ縺」縺
莉雁屓縺ッ荳?騾ア髢謎サ・蜀?↓隕九▽縺代※騾」繧後※蟶ー繧九%縺ィ縺御ササ蜍
「やっぱりダメか」
特殊な端末でもない一般人でも異界では何故か電波が遮断され他の機能が使えなくても掲示板サイトでは連絡が取れやすいという謎があるが、今回はその謎のジンクスが通用しないタイプの異界らしい。
99:カナメ
こっちは無事だワ
最初にあげたやつはやっぱりブレてんなァ
こっちに咲いてる桜はこんな感じだ
これからA子を探しに行く
Upload:Picture……
◇
99:繧ォ繝翫Γ(――――/――/―― ――:――:――)ID:H24YXX3D
縺薙▲縺。縺ッ辟。莠九□繝ッ
譛?蛻昴↓縺ゅ£縺溘d縺、縺ッ繧?▲縺ア繧翫ヶ繝ャ縺ヲ繧薙↑繧。
縺薙▲縺。縺ォ蜥イ縺?※繧区。懊?縺薙s縺ェ諢溘§縺?
縺薙l縺九iA蟄舌r謗「縺励↓陦後¥
Upload:Picture……
100:匿名調査員
>>99
共通語でおk
と思ったらそのIDはカナメさん
生きてはいるっぽいな
101:匿名調査員
紫色のしだれ桜?
なにこの品種
102:匿名調査員
画像を見る限りだと藤枝垂、およそ100年前に品種改良されてできた品種で、名前の通り淡い藤色の一重咲の花が特徴。開発者の名前から羽純枝垂とも呼ばれる。ただここまで濃い紫色だと別の種類な気もする
103:匿名調査員
ありがとう植物ガチ勢の人
104:匿名調査員
アーカイブで調べてみたけど紫晦山に藤枝垂は植樹の記録は見られない
105:匿名調査員
そりゃあ異界なんだから山関係ないでしょ
106:繧ォ繝翫Γ
逕ー蝨
Upload:Picture……
闢ョ豎?
Upload:Picture……
豌大ョカ?滄囂蛻?商縺?サコ迚ゥ
Upload:Picture……
107:匿名調査員
異界、思ったより整然としてんな、日本庭園みたいで
108:匿名調査員
混沌無秩序が圧倒的に多いとはいえこういう人の手が加えられているようなのは
あっ
109:ユリア
隠れ里
ですね
110:匿名調査員
異界と隠れ里は何か違うのけ??
111:ユリア
僅かですが霊域になっている気配があります
ご存知の通り異界というのは
神の作る神域
人類の作る霊域
それ以外の要因、異郷
の3種類あると考えられています
どちらも別の位相にある、現世と違う理をもつ世界です
皆様がよく使われる異界とは、3つ目の異郷を指すことが多いですね
隠れ里は中でも仙人が作る霊域とされています
仙人を人類に含めるかどうかはこの際置いておいて霊力を用いて作られているので便宜上霊域です
隠れ里は山奥やトンネルなどを通って行ける理想郷
その時間の流れは現世の時間と異なる例が多く、異郷に間違えられやすい
霊域は理論上誰でも作れます
ある程度の霊力と
霊力の力場があれば
112:ユリア
この山は浮遊霊すらいません、霊力は満ちているのに
つまりこれは、霊が集まりすぎて大気に溶けだしているか、別の場所に霊が集められているか
いずれにせよ悪いものもいいものも一緒になってどこかに集められているので一般人には心霊デトックス効果が期待できますね
問題はどうやってそれを行っているのか、です
113:匿名調査員
仙人が現代の民間人が来るような山の中に何百年も隠れられるわけが無い、つまりこれは誰かが意図的に起こしている
おそらくは、ギフトを使って
114:ユリア
おそらくは違法ギフトでしょうし、このまま霊力の高い場所を探してみます
運が良ければ私も隠れ里に入れるかもしれません
115:匿名調査員
カナメは桜のトンネルを抜けて隠れ里に
被害者は山を降りて桜のトンネルを抜けたから隠れ里に迎え入れられた
トンネルはどちらから入っても入口で出口だ
◆
106:カナメ(――――/――/―― ――:――:――)ID:H24YXX3D
田園
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蓮池
Upload:Picture……
屋敷?随分古い建物
Upload:Picture
桜の林を抜けると、手入れの行き届いた日本庭園であった。
大きな池を中心に水路が引かれ、小規模ながらに稲や蓮、杜若と植わっている。
稲はたわわに実った穂を揺らし、花は不思議な魅力を持って咲いている。桜の時期にはまだこの状態にはならない筈だが、季節は関係ないようだ。
池の中には島があり、水車のついた茶室が建っている。
池の水は澄んでいて、大きなまだら模様の鯉が何匹も泳いでいる。
向こう岸に渡るには橋を通って一直線か、池の周りを周回するかであるが、橋を渡った。
橋を渡った先には椿の生垣があり、その先には古い木造建築の家があった。2~400年前ぐらい昔の様式だろうか?門構えからして武家屋敷だろう。
「ごめんください」
返事はない。
門は開いている様だったので堂々と侵入する事にした。
玄関でもう一度、
「ごめんください」
と扉を叩くも、なんの反応もない。
そっと扉を開くと案外すんなり開いた。
靴は脱がない。いざと言う時靴がなくて外に出られないと困るし。
屋敷内をあらかた検分してみたが、見事に誰もいない。
しかし、生活感というものは残っていた。
厨房には料理こそ無かったが、取ってきたばかりのような野菜が積んであったり、箱膳や高価そうな食器が保管されていた。
書院造の部屋では、何か書き物をしている形跡があった。文机の上には巻物が置いてあり、書いている途中で居なくなったかのように放置されていた。試しに見てみるも古い言葉やくずし字なので全く読めない。
135:カナメ
屋敷のクリアリングした
見事に誰もいねぇ
Upload:Picture……
Upload:Picture……
Upload:Picture……
Upload:Picture……
これ誰か読めるやついる?
Upload:Picture……
◇
121:ユリア(2147/04/02 06:16:11)ID:Y224FXX35
何度も山を往復してみましたが何も起こりませんでした
結局キャンプ場で夜を過ごしました、おはようございます
122:匿名調査員
結局夜の間もカナメからの連絡はなし、か
123:匿名調査員
向こうでの1時間はこっちでの何時間に該当するんだろうな
124:ユリア
キャンプ場は誰もいなくて、心細かったです
夜の間、駐車場とかも見回ってみたんですよ
そしたら1台だけ隅っこの方に車が止まってたんですね
ナンバー照会したらA子さんの車でした!!
のでちょっとえいってして何か無いか探ってみたんですよ
125:匿名調査員
それ、車上荒らしって言うんすわ
126:匿名調査員
軽やかな表現して車を破壊するな
127:ユリア
ところでシャベルとか、ランタンとかキャンプに使います?
そして車ごとそれを置いてくる意味って何でしょう?
朝ごはん食べてきます
128:匿名調査員
ランタンはともかくシャベルはいるか?
129:匿名調査員
山には車で来たんなら帰りも車使えばいいよな?なんで置いて?
130:匿名調査員
足がつくのを防いでる
131:匿名調査員
死体遺棄
132:匿名調査員
まだそうだって決まった訳じゃないだろ?
怖いこと言うのやめろや
134:匿名調査員
たまたま置いてあるだけとかかもしれんじゃん
135:繧ォ繝翫Γ
螻区聞縺ョ繧ッ繝ェ繧「繝ェ繝ウ繧ー縺励◆
隕倶コ九↓隱ー繧ゅ>縺ュ縺
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Upload:Picture……
Upload:Picture……
Upload:Picture……
縺薙l隱ー縺玖ェュ繧√k繧?▽縺?k?
Upload:Picture……
136:匿名調査員
カナメもおはよう
137:匿名調査員
無人の日本家屋って何でこうも怖いの
そして最後の謎文書はなんなの
138:匿名調査員
ょぅι”ょだから旧字体草書体わからないなの!
古文研究してる有識者に任すなの!
139:匿名調査員
>>138
オッサンが幼女なりきりとかキッついわ
140:匿名調査員
>>138
うわ
141:匿名調査員
>>138
有罪
142:匿名調査員
伊勢物語
散ればこそいとど桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき
要約すると「散るから桜は美しい、この世の中で永遠などありはしないのだ」
って言おうとしたけど>>138はないわ
143:匿名調査員
有識者解説ありがとう
>>138は>>142に頭を垂れてつくばえ 平伏しろ
144:138
すいませんでした……酔った勢いでした……
145:ユリア(2147/04/02 08:27:50)ID:Y224FXX35
やっぱり吉里予家の朝定食は神ですね
146:匿名調査員
空気読まないバカばっかりか
147:匿名調査員
>>146
バカだけに?
148:匿名調査員
クソギャグじゃん
149:ユリア
計5回山を往復してみましたが何も起こりません
やはり何らかの条件があるのは確かなようです
150:匿名調査員
もうユリア隠れ里に嫌われてるんじゃね
151:ユリア
それよりA子さんはどこに何を埋めたんでしょうかね
タイムカプセル?
152:匿名調査員
多分だけど違うと思う
153:匿名調査員
人の心理としては、「視界の中にあるけれど心理的に遠い場所」に隠す事が多いって聞く
たとえば木を隠すなら森の中
154:匿名調査員
山の中に隠すなら?
155:匿名調査員
>>154
隠れ里
156:匿名調査員
>>155
そりゃそうだけどさー
157:匿名調査員
あとは目印とかになりそうなものの近くとか
思い出の場所とか
158:匿名調査員
あと山の中に埋まってそうなのってそれこそ金とか死体とかじゃないか?
159:ユリア
あ
160:ユリア
警察来ちゃいました、なんか車上狙いが出たとかで
161:匿名調査員
知ってた
162:匿名調査員
案外早かったな、カナメが帰ってくるまで逮捕されんなよ
163:ユリア
警察が居て大っぴらに探索出来そうにないので別のところ探します
全く、こんな時に事件発生とかついていないです
迷惑な人も居たものですね
164:匿名調査員
おっ、そうだな、ここから通報してやろうか
165:匿名調査員
カナメ早く帰ってきて、ユリアの犯罪歴が増える前に
166:ユリア
アスレチック広場まで来ましたよ
ちびっ子家族が遊んでますが駐車場に警官がいるので大人にちょっと警戒されてます
167:匿名調査員
大人の判断は正しい
168:ユリア
広場はサッカーで遊べるくらいには広いです
遊具もたくさんありますし、遊ぶにはいい所ですね
霊力はそんなに感じないのでお子さんが誘引されることはないでしょう
169:匿名調査員
子供が巻き込まれるのは地雷だからはやく解決できるといいな
170:匿名調査員
今度は親に通報されないようにしなねwww
◇
屋敷を出て再び外にでる。
ここにエイコはいなかった。
「そういえば、虫がいないな」
これだけ自然があれば、羽虫の1匹や2匹いてもおかしくは無いはずだが、羽虫どころかあり1匹視界には映らなかった。
「ユリアが居れば、生き物の存在なんかすぐ分かるんだろうけどな」
残念ながらユリアとは連絡がとれない。
スレッドも文字化けになっていて詳しい内容が読み取れない。
何事もなければいいのだが。
歩いていくと池に繋がる小川と小高い丘が見えた。
そこに登ればこの辺り一体がよく見えそうだ。
「まさかとは思うが、エイコと違う異界に入ったとかじゃねーよなぁ?」
あまりにも気配がないと不安になってくる。
丘の上では想像通り、今まで通ってきたところがよく見えた。通ってきたところは誰もいない。ぐるりと見回して、一点。
小さな池の傍に東屋のような建物がある。
その建物の影に誰かが居た。その場まで駆け出す。
息を整え、その姿を見る。少しやつれた様子ではあるが、怪我や変質は起こっていない用で、何事かとこちらを伺っているようだ。
「アンタは綾織エイコだなァ?」
いきなり名前を当てられたことに驚いたのか、エイコはその眦を上げる。
「あなた誰ですか」
「カナメって呼べ。アンタをここから連れ戻しに来た。」
1歩近付けば1歩下がる。かなり警戒されているようだ。
「連れ戻しに……」
「ここは危険な場所だ。長居してはいけない。アンタは既に行方不明扱いになっている。だからアンタが嫌でもここから連れ帰らなきゃなんねェ。」
「尚更、私は帰らないことにするわ」
「アンタの事情なんざ知らねぇワ。」
「知らないなら、放っておいてくれませんか」
「無理だナ」
「……ここを出たら、私はきっと死ぬでしょう。分かったら諦めて」「無理だナ」
「私は死にたくないので」「無理だナ」
「私は」「無理だナ」
「……あなたに人の心は無いんですか!!」
「なんでアンタがここを出たら死ぬことになってんのかさっぱり分かんねぇ。必ずしも死ぬとは限らないだろ」
「私はある人に命を狙われて追われています。だから行方不明になっているなら、好都合です。私は死にたくない。ここを出るつもりは無いんです」
「ここに居座るのはダメだ。よそに行け」
「ここの関係者ですか」
「違う。だが早くここからアンタを連れ出せと命令されている」
「もし、ここから出たとして。それで私が死んだらどうしてくれるんですか」
「何もしねぇ。仕事は終わってるからなんの関係もない。」
「じゃあ、せめてここを出たら私を守ってください」
「自分に戦闘能力とかねぇし。命を狙われているなら警察に匿ってもらえよ、合法的に」
「それができたらどれだけ良かったか。……もういいです、私はここでしばらく過ごします。貴方だけで勝手に帰ってください、さよなら」
駆け出していくエイコの背中。追いかけない。
追いかけた所でお互い出られないなら、しばらくは放置しておいていいだろう。
しかし非協力的なのは面倒だ。多少強引な手を使う必要もあるし、どうしたものか。
◆
195:ユリア(2147/04/02 19:42:30)ID:Y224FXX3
エイコさんはどこに違法ギフト埋めたんでしょうねぇ
196:匿名調査員
は?どっからそんな話になった
197:匿名調査員
今までも会話が成立しているように見えて実は会話してないぞ
198:ユリア
霊力が比較的高そうな所まで来ましたが……うーん、一般人なら迷いそうです
周りは桜でもなんでもない普通の広葉樹ですし
目印も何も無さそうなんでこれは骨が折れそうです
199:匿名調査員
カナメが戻ってこないと進まないパターンか?
200:匿名調査員
カナメの方は大丈夫なんだろうか
201:ユリア(2147/04/03 00:11:43)ID:Y224FXX3
ありました
霊力を集める箱のようです
202:匿名調査員
おおおお!!進展したな!!
203:ユリア
これで霊力を1箇所に集めて、桜のトンネルを隠れ里と繋げる霊道にしたのであれば、これを停止させればカナメさんたちは戻ってくるかと思います
スイッチとか見つかりませんね
あれ
がしゃん
ん?
204:匿名調査員
まさかと思うが壊してません?
205:匿名調査員
カナメー!!早く戻ってきてくれー!!
◇
隠れ里が軋みをあげたように感じた。
そこまで広くない隠れ里の化けの皮が剥がれたような、隠れ里の隠されていた部分が顕になったような、そんな直感がしていた。
「外でなにかあったんかなァ」
その頃ユリアがやらかしているのだがカナメは知る由もない。
時刻は昼過ぎで、まだ日が高かったのだが急に時間が加速したように夕暮れになり、そしてあっという間に月が空に昇った。それまでの所要時間、体感30分と言ったところか。
紫のしだれ桜がカナメの前に立ち塞がっていた。
「散らねェ花、枯れねェ花、永遠に続く美しさなんてクソ喰らえだワ、そんなもん、造花と一緒だ」
桜は何も答えない。
「いつかは終わるからこそ今を生きるのが尊く美しいんだと思ってんだがなァ」
「それでも、今終わるなんて受け入れたくないでしょう」
背後には刃物を持ったエイコ。恐らくあの屋敷にあったのだろう包丁をカナメの背に突きつけていた。
「ここはもう終わる。お前も現実に戻るんだワ、だから自分を刺しても意味が無いぜ」
「私には、死ぬ運命しか残されていないのね」
「全員だ。直ぐに死ぬか、何十年後に死ぬかの違いだなァ。」
カナメの背後でエイコは崩れ伏した。
包丁はその場に転げ落ちる。
「生きてたい、私まだ生きたいのに」
周りの景色が遠くなる。
自分たちが移動しているのか景色が移動しているのか分からないが、隠れ里は姿を消し、辺りは人気のない深夜の駐車場になっていた。
嗚咽混じりのエイコの声が一段と大きくなり、カナメは振り返る。
「ちゃんと外で生きる努力をしろよなァ、最後まで抗ってみれば1日くらいは生き延びれるだろうぜ」
「こんなの嫌だ、嫌だ」
エイコの泣き叫ぶ声が深夜の山に響くのを、カナメはただ見守るに留めていた。
◆
213:ユリア(2147/04/03 06:21:13)ID:Y224FXX3
カナメさんとA子さんと合流しました
214:匿名調査員
乙
215:匿名調査員
まあなんとか任務成功して良かったな
216:カナメ(2147/04/03 06:40:30)ID:H24YXX3D
数時間ウロチョロしてるだけと思ってたのにもう2日も経ってたのか……違和感ヤベーなァ
217:匿名調査員
カナメおかえりー遅かったね
218:匿名調査員
異界はどうだった?
219:カナメ
A子は隠れ里の鍵を持ってたから回収した。
どっから入手したのか口を割らないけど、尋問は今回仕事に含んでないからまあいっか
220:ユリア
今回の経緯としましては
霊力力場を作るための装置(壊れた箱)と鍵を使って意図的に隠れ里に入ったらしいです
なんでも自分の死期を悟ったようで
自分の未来が分かる能力、便利ですがこういった時は難儀するんですねー
221:匿名調査員
何最初から壊れてたみたいな書き方してんだ
どう見てもユリアが率先して壊してただろ
222:匿名調査員
A子さんも珀核持ちなのか
やっぱり普通の一般人じゃなかったんだな
223:匿名調査員
そのA子さん、発狂してない?大丈夫?
224:カナメ
発狂してたが今は落ち着いている
今は幽鬼みたいになってるがナ
225:匿名調査員
これはご自身で予知したとおりに死にますわ
226:匿名調査員
ダメじゃん
227:ユリア
とりあえず、任務はこれで終わった事ですし撤収して朝ごはん食べに行きましょう!
夜遅くまで起きてたんでお腹ペコペコなんですよね
228:カナメ
という事で適当にスレは落としといてくれや
付き合ってくれてありがとなァ
終
2147/03/31 11:30:26 紫晦山山頂
「貴女、このままだと死んじゃいますよ」
白い服、白い髪、白い肌。全身が真っ白のその人はそう言った。
「僕が助けてあげましょう、この箱を見つからないような所……例えばこの山の中とかに隠して、この鍵を持ち歩くんです。ここは隠れ里に通じる場所、鍵さえあれば出入りできます。そこで3日過ごせば貴女は自由に生きることが出来るでしょう」
「なんで、死ぬって断言できるんですか」
その言葉にその人はにっこりと笑う。少年のような笑顔を浮かべたその人は楽しそうに答えた。
「僕は平行世界の未来から来ているからです」
そっと手を取って、額と額がくっついた。
思わず目を閉じてしまったが、目を閉じたあとに見えたのは暗闇ではなく、幾つもの自分が死ぬ間際の光景だった。
「これは、貴女がこの幾つも存在する平行世界で死んだ時の映像です。貴女は1週間後に追手に捕まり殺されています。死を回避するにはこの日まで姿を誰かに見せないようにすることです」
こうして、震える手で箱と鍵を受け取ったのだった。
2147/04/07
「無事に綾織エイコの死を確認しました」
「そうかヨ」
「落ち込んでるんですか?」
「いや、死ぬのは確定事項なんだろ?情が移ったわけでもないし。いちいち気にしてたらやってけねーって」
「お疲れ様でした、カナメさん」
「おう、お疲れ様。」
晦
(かい くら)
その月の終わり。
くらます。見えなくする。分からない。