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#83.鷲眼の術VS獣王眼の術


 魔道武術大会決勝、セディア魔道学院の勝ち抜き戦。

 僕たちのチームは残り僕一人。


 相手は双子のエルフ、エミリア。『獣王眼の術』の使い手だ。


 「セディア魔道学院最後に一人は、級長の翔太朗選手。『鷲眼の術(イーグル=アイ)』VS『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』の一騎打ちとなりました。翔太朗選手が負ければ、優勝はボーラン士官学校3年第2学級に決定します。翔太朗選手。負けられない戦いが今スタート。」


 最初から一気に行くしかないよね。

 僕はそう思い、『鷲眼の術(イーグル=アイ)』を使用する。


 「面白い戦いになりそうでうれしく思います。翔太朗さん。準決勝までの活躍を見ていますから。」

 エミリアは僕を見て笑った。最初の顔合わせの挨拶を終えて、試合開始だ。


 「シロン、ユキナ。行くよ。」

 僕は、シロンとユキナを召喚する。


 「『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』の使い手が現れた。これが今回の相手。森のエルフ、弓の達人だよ。気を付けてね。」


 「はい。ご主人様。」

 シロンは素直に答える。

 「『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』・・・・。ですか。本当にあったのですね。『鷲眼の術(イーグル=アイ)』もですけれど。」

 ユキナは驚きながら僕の顔を見る。


 エミリアの弓矢が飛んでくる。

 「油断なさらないでくださいね。」

 エミリアは、一気に弓矢を射る。


 『鷲眼の術(イーグル=アイ)』は弓矢の動きがよく見える。もともと早く移動するのに、適性を見出したような術なのだから当然だ。

 『肉体強化~速さ~』の魔法を使う。


 一気にスピードに乗っていく。

 相手の背後を取りつつ、だんだんと至近距離へ詰めていく。大きな赤い虎はシロンとユキナに任せよう。その際、シロンとユキナに弓矢攻撃を受けないように。


 『鷲眼の術(イーグル=アイ)』と速さを利用して、エミリアの背後はとれる。

 「トルネードカッター!!」

 攻撃の風魔法を利用して、エミリアにダメージが入らないか模索する。

 

 しかしエミリアも背後を取られることに慣れているようで、すぐに向きを変えてくる。森で育ったエルフの体の身のこなしというものをフルで使いながら。

 

 おそらく、『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』も魔法攻撃のダメージを軽減する作用があるのだろうか。

 かなり威力の高い魔法をぶち込まないといけない。それか、至近距離で魔法なしの武器攻撃勝負になるか。


 エミリアは赤い虎を召喚する。

 赤い虎は、シロンとユキナが相手をする。

 

 「ユキナ、目を狙うわよ。一時的に見えなくできれば。」

 「了解、お姉ちゃん。」

 シロンとユキナは赤い虎の目を鋭いくちばしで狙ってくるが、赤い虎の爪にはじき返されてしまう。

 

 それでも狙い続けるシロンとユキナ。

 それを弓矢でエミリアは狙う。


 そうはさせないと、必死にエミリアの狙いをそらす僕。

 

 だが、『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』を持つ相手、簡単にはいかない。

 わずかな隙を突いて、弓矢を放ってくる。


 ふと、ある戦法が僕の中に浮かんだ。『密林の賢者』と呼ばれていたよな。それならば・・・・。

 うん。魔法陣も描けそうだ。これに掛けてみよう。


 僕は一つ、突破口を見つけたような気がした。


 まずは、エミリアに気付かれないように魔法陣を描かないといけないため、シロンとユキナに気をそらすように仕向ける。

 

 「シロン、ユキナ、一気に行くよ。あの赤い虎を一気に攻めよう!!」

 僕の号令の下、シロンとユキナは一気に攻める。

 

 するとどうだろう、エミリアはシロンとユキナを狙ってくる。

 エミリアの気をシロンたちにそらして、僕はエミリアに気付かれずに魔法陣を描いた。


 成功だ。


 

 僕も一気に赤い虎に向かって攻める。

 虎は爪で僕たちの攻撃をはじいていく。


 そして、エミリアが弓矢を放つ。

 弓矢は僕の背中に命中した。


 「翔太朗君!!」

 「翔太朗様!!」

 僕たちのチームの悲鳴。ミランダと、リリアンだろうか。


 これまでかという表情をしているが・・・・・・・。


 ボン!!

 僕の体は、岩に変わった。


 「えっ??」

 エミリアが驚く。そして、赤い虎も、目が点のように変わっている。

 シロンとユキナ、そして僕の学級の仲間もポカーン。


 「トルネードカッター!!」

 エミリアの真上から僕は風魔法を放った。


 エミリアは僕の攻撃をかわし切れなかった。

 そしてそのまま、『ウォーターサイクロン』の連続攻撃を仕掛け、ついに僕の速さがエミリアを上回った。

 エミリアは手も足も出ず、座り込んでしまった。


 「試合終了、そこまで、翔太朗選手の勝利!!」

 司会の声がする。


 やった、やったぁ。僕はまず安堵の表情を浮かべる。


 「変わり身の術。大成功!!」

 そう、忍者学校で習った変わり身の術がここで初めて役に立った。印を結ぶのが遅かったが、魔法陣はすぐに組み立てることができた。そのため、素早く、変わり身の術を用意することができたのだ。



 「すごかったです。あの戦法は見たことがないです。」

 「いえいえ、間一髪でした。やっとできるようになった戦法です。」

 エミリアは僕を称えてくれた。それに素直に答える僕。


 やはり予想通りだった。森のエルフということで、やはり忍者という存在は知らないのだろう。

 そこにかけて、変わり身の術で攻めた。

 結果は大成功だった。

 

 握手を交わしエミリアは去っていく。


 そして、そのエミリアと入れ替わるようにフィールドに出てきたのは、エミリアと瓜二つの双子のエルフの次女だった。


 『鷲眼の術(イーグル=アイ)』VS『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』第一ラウンドは『鷲眼の術(イーグル=アイ)』が勝利というところだ。

 双子、ということならわかる。ここに今立っている、エルフの妹も、『獣王眼の術(ティーガー=アイ)』が使えることを。

 そして、僕の変わり身の術を一度見たことがあって、わずかながらでも対策を考えていることを。



今回も読んでいただき、ありがとうございました。

続きが少しでも気になる方は、是非、ブックマークと高評価をお願いいたします。

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