#72.2日目の結果
控室で小一時間ほど待って、結果が出た。
僕たちは再び、メイン会場となる、バトルフィールドに集められた。
「それでは発表いたします。2日目。決勝トーナメント出場8チームは・・・・・。」
司会の言葉にみんな祈る。
「1つ目のチームは・・・・・・・・。」
祈りながら、僕たちは待ったが、僕たちのチームではなかった。
あと7チーム。
「2つ目のチームは、ボーラン士官学校3年第1学級!!」
僕たちのチームではなかったが、ルーベルトが深く大きなため息をついた。
ルーベルトの視線の先に、ダコタとラピスが喜んでいる姿が見える。ほかのメンバーも一緒だ。
「ああ、ラピスとかいう子の学級ね。そりゃ決勝トーナメントに行くわな。」
アンソニーが言った。
そして、3チーム目。
「3チーム目は、同じくボーラン士官学校3年第2学級。」
なんと、ボーラン士官学校は代表2班すべてが、決勝トーナメント進出という快挙を見せつけた。
ラピスと同等な試合を見せた、サファイアという女の子が、こちらも喜んでいた。
「そうか、ラピスと、サファイアって、同じボーラン士官学校なのか。」
「ああ、かなり優秀な生徒が集まりましたね。ボーラン士官学校。」
確かにそうだ。ラピスと言い、サファイアと言い、あのような圧勝劇を見せつけたのだ。これは注目だろう。
4チーム目、5チーム目と呼ばれ残りは3チーム。
「6チーム目は・・・・・・。」
心臓がどきどきする。みんなも祈る。ここに来て、勝ちたいと思ったのだろう。
「セディア魔道学院1年5組、第5班!!」
やった。僕たちはやった。決勝トーナメント進出だ。
「すごいぞ、お前たち!!」
ピエール先生が僕たちを順番に抱き合う。カミラさんも喜んでいる。
「ああ、お前たちは私よりも超えてしまった。私がこういった学校にいたときは、予選で敗退が最高だったんだ。なのにお前たちは、しかも一年生で。」
カミラさんが、万感の思いで僕たちに言った。
「実は俺も、生徒だった時にはここまでこれなかった。やはり回復術メインだから、サポート役に徹していたということもあってな。」
ピエール先生も感無量だ。
僕たちは手を大きく上げて喜び合った。
ただ、ルーベルトは、ふうっと、一安心したかのように胸をなでおろしていた。
大丈夫だろうか。
やがて、決勝トーナメント進出が決定した。8チームがすべて発表された。
「決勝トーナメント進出の皆さまおめでとうございます。皆様はすでにベスト8。進出された皆様すべてのチームに、これからの決勝トーナメントで順位が付き、入賞者として、賞状が送られます。」
この司会の言葉に、僕たちはさらに喜び合った。つまり、8位入賞まで確定したということだ。これは快挙といっていい。
「いや、喜ぶのはまだ早い。さらに君たちには特典がある。」
とピエール先生は僕たちの肩をたたいて、いったんなだめた。
「そして。」
司会者がさらに続けた。
「この8位入賞までのチームが所属する学校と、チームの皆さんには副賞として、シード権を贈呈します。選ばれた学校に来年代表枠をもう一つ追加します。そして、2年生以下、および来年も在籍が決まっている生徒の班はそのまま、来年も学校予選なしで本戦に参加することができます。こちらの規定で行きますと、1年生ながらここまで進出した快挙を認め、『セディア魔道学院1年5組』の方々は、来年も本戦から参加できます。そして、見事な圧勝劇を遂げて、代表2チームとも決勝トーナメント進出した、ボーラン士官学校には来年4チーム出場することができます。2チームとも在籍している皆様は、最終学年ということですので、来年の大会のご活躍は見ることはできませんが、これを見ているボーラン士官学校の生徒諸君には、この素晴らしい先輩たちを見習って、学校の名に恥じぬ戦いを来年も期待しております。」
司会の言葉に僕はうれしさが湧いた。
来年も参加できる。このメンバーで。
「やった。本当に良かった。」
「すごいぞ、お前たち、2年生以下のシードは校内初だよ。頑張ったな。」
ピエール先生は僕たちにねぎらいの言葉をかけた。
「ああ。本当にみんなここまでよく頑張ったな。だけど・・・・・・。」
カミラさんが、水を差すように言った。そう、だけど・・・・・・。
喜ぶのはまだ早い。魔道武術大会はまだまだ終わっていない。
「さて、決勝トーナメントに進出された皆様は喜ぶのはここまででしょうか。明日は決勝トーナメント準々決勝が始まります。ぜひとも進出された皆様。悔いの残らない戦いを最後まで期待しております。」
司会の締めの言葉に、観客が総立ちになる。そう。また、明日がある。
「そうだな。まだ、まだ、大会は終わらない。集中して頑張ろう。僕はとても楽しみだけど、みんなはどうだろうか。」
僕は、みんなに語り掛けた。
「もちろんですわ。翔太朗様。」
ミランダが元気よく答える。ほかのみんなも同じだ。
僕たちは再び気を引き締めて会場を後にした。
しかし、シード枠が取れた、ということで心は少し踊っている。
「嬉しそうですね。翔太朗様。」
ミランダも嬉しそうだ。
「うん。決勝トーナメントがまだあるけれど、シードが取れたことに一安心だな。これからは追われる立場になる。頑張ろう。」
「はい。そうですね。」
ミランダも元気よく、僕と一緒に帰路に就いた。
その日のモナリオ家の夕食は、ポールさんもアルベルトさん、パメラさんもみんなで囲んだ夕食だった。そして。
「素晴らしかったよ。君を我が学院に入れて正解だった。何年かぶりのシードが取れたよ。」
ポールさんは、笑いながら僕に言った。
少し笑顔の食事だった。
そして、食事が終わったとたんに緊張した。本当の戦いが始まる。集中しようと。
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