#70.大会二日目
大会2日目の朝を迎える。
今日もカミラさんとともに朝のアップをして、闘技場の控室に待機する。
「大会2日目、最初の種目は、シングルバトル、つまり、1対1の試合を各チーム3試合ずつ、行います。試合時間は昨日と同じ10分。10分立っても決着がつかない場合は、ポイント投票による判定勝ちになります。それでは、各チーム、3試合に出場する選手を決定してください。ただし昨日同様、必ず3名を選んでください。一人の人が重複して、試合に出ることはできません。」
なるほど、誰を選ぶかだ。
「そしたら、昨日、出ていない3人で行くのはどうだろう。僕も戦ってみたいし。」
ルカが提案してきた。
「問題ない。腕がなる。そして、越えるんだ。」
ルーベルトも同じような感じで言うが、この魔道武術大会が始まってからだろうか。かなり闘志を燃やしている目つきをしている。
「私も頑張ります。楽しみです。」
マリアもやる気に満ちている。
ということで、試合に出る3人はルーベルト、ルカ、マリアに決まった。
早速、この第5班の1人目の試合が始まった。
1試合目に出場するのはルカだ。
「セディア魔道学院の魔道騎士、ルカ選手の入場です。」
昨日の僕たちの試合もあったのだろうか。1年生ルーキーということで、かなり注目されているようだ。その分歓声が大きくなっている。
客席には、ポールさんや、アルベルトさん、パメラさんの姿もある。そして、魔道学院の先生もちらほら見える。そして、セディア魔道学院の生徒らしき人も確認できた。
このチームを応援してくれる人がたくさんいる。頑張らないと。
試合開始の合図が始まる。
ルカの相手は、小柄な男子だ。だが、魔法を使うのは切れがある。
キレの良い魔法で、ルカを追い詰めていく。
「なるほどね。わかったよ。」
ルカが少し笑う。
「『重量変化!!』、『肉体強化!!』」
ルカが魔法陣を発動する。
それと同時に小柄な男子も魔法を発動する。大きな炎がルカに襲い掛かってくる。
「まずい。ルカ!!」
僕は、叫んだが、そんなものは杞憂に終わる。
ルカの剣は、少年の炎の魔法を打ち消した。
そして、そのまま、思いっきり剣を振り回していく。
すごい、すごすぎる。
「なんか、ルカの剣。重くなったように思うんだけど。」
アンソニーが言った。
「私と一緒に、修業して、重量変化の魔法を会得したからだと思います。ルカはもともと力があったので、剣の重さを重くする魔法を使ったのでしょう。」
重量変化の魔法。なるほど、マリアの旧い魔法にはこのような魔法もあるのだな。
剣が重くなったことによって、一撃、一撃の威力が増してきている。
ルカの剣は炎を打ち消しながら、少年を吹き飛ばした。
そして、少年はかなりのダメージを受けて、その場に座り込んだ。
「勝者、ルカ=ウィンター選手!!」
司会の一声で、勝敗が決まった。
「やった!!」
「ルカ、ナイス!!」
ルカが控室に戻ってきた。僕たちは拍手で迎えた。
「なんだか照れ臭いね。みんな応援してくれてありがとね。」
ルカはそう言って、僕たちに微笑んでくれた。
小一時間挟んで、次はマリアの試合になった。
マリアの相手は、女子生徒だった。その女子生徒は、ルカみたいな戦法で攻めていくことが得意だった。
つかさず、級長を決定する際の模擬戦の時に披露した、結界魔法で、相手の攻撃を防ぐ。ルカもこの結界魔法で、歯が立たなかった。今回もその生徒は歯が立たないのかと思ったら。
なんと、つかさず、魔法を放ってくるではないか。
しかも高威力の水属性魔法。そして、その魔法の水を氷に変えているのだろうか。
水の圧力を一転に加えて、結界を打ち破ろうとする。
そして、なんと、結界の境目がジワリ、ジワリと動いてきた。
さすがのマリアも苦しそうな表情を浮かべるが、少し深呼吸する。
マリアは、結界をやめて、攻める方法へと変更した。
その結界が解かれる隙を付かれたか、マリアの左わき腹に、水魔法のダメージが当たる。
マリアは、少し涙目になるが、立ち上がる。
それでこそ、強い、ドラゴンに鍛えられ、育てられた少女だった。
つかさず、回復魔法で、もとの動きに戻すと、ものすごい勢いで、閃光を放つ。光の閃光魔法。マリアの、そして、ドラゴンのお家芸。
魔力の圧倒的な差で、マリアは完勝したのだった。
「いや~、ダメージを受けたときはヒヤッとしたよ。マリア。」
ピエール先生が控室に戻ってきたマリアをポンポンと叩きながら言った。
「ごめんなさい。心配かけて、てっきりルカみたいに武器で攻めてくるかなと思ったので、そういった攻撃用の結界しか張ってなかったんです。かなり威力の高い魔法が放たれたので、つかさず、結界を追加したのですが、間に合わずで。」
なるほど、そういうことか。僕たちは安心して、マリアの健闘を称えた。
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