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#58.武術大会の予選、その2 ~Side ミランダ&マリア~


 校内予選、最初の種目が始まるころ。

 ミランダとルーベルトがともに行動する小チームとなっていた。

 

 彼ら2人は、貴族同士の腐れ縁だ。

 「よろしく頼むよ。ミランダ。」

 「もちろんですわ。」

 

 そして、翔太朗たちと別れた後、号砲ととともに、ミランダもブラッドウルフたちを召喚した。

 やはり仲間は多い方がいいと思ったのだろう。

 ルーベルトも剣を扱えるので、ミランダは遠距離の弓矢で応戦することになった。

 

 ミランダは剣よりも、弓矢の方が得意なので、自信があった。


 校庭にいると狙われやすいので、2人は校内に入った。

 そっちの方が、敵を絞れる。

 

 幸いにも、物をひきつける魔法を発動できる魔導士は居ないようだ。

 ブラッドウルフたちに守られながら、ミランダとルーベルトは進んでいく。

 

 そして、何かが飛んでくることに、気付いた。

 ブーメラン。

 それと同時に、ハチマキを持ったほかの生徒が飛び出してくる。

 

 「しまった、向こうに先制されたか。」

 ルーベルトが言ったが、すぐに、ブラッドウルフたちが応戦した。

 

 「よし、一年生か。いい獲物だぜ。」

 仕掛けてきた生徒たちはそう言って、ミランダとルーベルトに襲いかかる。

 

 「サンダー。雷よきたれ。」

 ルーベルトが襲い掛かってくる生徒に対抗する。

 

 雷をかわしながら、彼らはミランダとルーベルトの方へと進んでいくが、正面には、ブラッドウルフのクロがいた。

 「行くわよ、クロ!!」

 「ワンワン!!」

 

 クロの牙が命中。

 しかも、魔力を込めて、炎の牙となったので、彼らには痛みと火傷が伴う。

 「よし、チャンスだ。ミランダ。」

 

 ルーベルトが合図を送る。

 弓矢がほかの生徒たちの行く手を阻み。

 ラスト一発。

 ミランダとルーベルトに罠を仕掛けた生徒たちの頭をかすめ、矢の先にはハチマキが見事射られており、壁に刺さっていた。


 「これはもらっていきますわよ。」

 ミランダは、壁に刺さったハチマキを取った。

 これでハチマキを一つ奪った。




 魔道学院の別のところには、マリア、アンソニー、そして、リリアンの3人が同じ小チームで、ともに行動していた。


 彼らの得意はやはり防御だ。

 号砲とともに、マリアは自分を含めて、アンソニーとリリアンにも結界魔法をかけた。

 ドラゴンの母親、エドラから教わった、古い結界魔法だ。

 

 彼らは、校内には入らずに、敷地内の外で待機していた。

 「大丈夫。私たちの守備力を甘く見ないで、自信を持ちましょう。」

 マリアが言った。


 「うん、マリアとアンソニーの防御系の魔法なら、広い場所で戦った方がいいと思う。私も援護する。」

 リリアンが、自信はなさそうだが、錬金術で培った、武器をかまえる。

 「爆弾だね。リリアン。」

 アンソニーが言った。おなじみの紙で巻かれていた爆弾がここにはあった。


 

 敷地内の外にいたからだろう、案の定、生徒が襲ってきた。


 「お、1年。しかも3人同時に奪えるぞ。」

 敵の生徒たちは、一気にマリア達に襲い掛かる。


 「かかったな。燃えろ。俺様!!」


 アンソニーの土壁が発動する。

 「うわっ!!」

 彼らの行く手をアンソニーの土壁が見事にふさいだ。

 

 「やったね。アンソニー君。」

 リリアンは喜ぶ。


 「いいや、まだだ。」

 アンソニーは第一関門通過と思っているようだ。それもそのはずだ。壁の向こうでは。


 「こっちもまだまだだよ。肉体強化。」

 ドーン!!ドーン!!


 土壁を壊そうとしている生徒がいる。

 その効果はてきめんで、土壁の強度が弱くなっているとアンソニーは感じている。


 「まずい。魔法で援護しないと。」

 アンソニーはさらに土壁を分厚くしようとしている。

 だがしかし、土壁は壊れてしまう。


 見るとそこには巨大なハンマーを持った生徒がいたのだった。

 彼の武器のようだ。

 「この武器でやられたらひとたまりもなさそうだね。」

 「畜生!!」

 アンソニーは土壁が破られた悔しさがある。しかし。


 「土壁が防いでくれたので、結界を少し強めることができたよ。ありがとう。アンソニー君。」

 マリアが言った。

 「さあ、今度は私が相手。」

 ハンマーを持った生徒が振り回そうとした瞬間、そのハンマーは結界にぶつかった。


 「なに、俺のハンマー・・・・。結界か・・・・・・。しかも上等な結界だ。」

 

 「今度は私が行きます。光魔法『オーラ』」

 ハンマーを持った生徒がダメージを受ける。

 この生徒にはダメージが通ったが、しかし、まだ何人かの生徒が残っている。

 

 もう一度アンソニーは土壁を作り、防御する。今度はすぐに仕留めようと、彼のオリジナル魔法。

 翔太朗との模擬戦でも披露した、『ハンド』で土の手を出現させ、うまく、生徒たちを握りつぶし、動けなくなることに成功した。


 ハンマーを持ち、オーラのダメージを食らった生徒、そして、『ハンド』の中で、脱出不可能になった、生徒2人の分を含めて、一気にハチマキを3つ奪うことができた。

 それを見ていたほかの生徒は退却をしていった。


 やがて、守備をメインにした、応戦を繰り返して、終了の号砲がなった。

 

 マリア達の奪ったハチマキは3つだったが、守備の得意な彼らには上々だ。奪われることはなかった。

 そして、ミランダ達の奪ったハチマキは、2つ。こちらも奪われることもなく、上々な滑り出しだった。


今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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