#55.ポーション作りの実習
週が明ける。
セディア魔道学院の授業が始まる。
今週の、ピエール先生の魔法薬の授業は、いよいよ調合の本格実習ということで、ポーション作りの実習となった。
リリアンとともに、ポーションを作成していく。
「ポーションの効果は皆も知っている通り、傷や疲労、そして魔力の小回復だ。ここにいくつか薬草がある。どれも、回復効果をもたらしてくれる薬草だ。これらの薬草からポーションを作っていく。」
確かに、ピエール先生の前にはいろいろな薬草が並んでいる。その中には那ノ国、風ノ里で薬草を作る際に使用していた、『穂富草』もある。
「それぞれ、どの薬草からもポーションは作れるが、作り方の工程が異なっている。今日はそれを学んでもらう。さあ、好きな薬草を選んでくれ。」
この授業を受けている生徒たちは、それぞれ、薬草を持っていった。
僕は、当然『穂富草』をもっていくことにした。この薬草の方がいろいろとナレッジがある。
「おお、翔太朗君は『穂富草』か。いいものを作れよ。」
ピエール先生は僕に声をかけてくれる。
『穂富草』は細長い葉が特徴だ。細長い葉を細かく刻んで、水分を出せば、ポーションの基本となるものは出来上がる。
リリアンは、白い花の薬草を持っていった。
「『雪百合草』という白い花なんだ。どちらかというと、体力よりは魔力を回復することに重点を置いたポーションが出来上がるんだけど。」
とのことだった。薬草の原料によって、微妙な違いがあるが、覚えておこう。
それぞれ、ポーション作りを開始する。
いつものように僕は、『穂富草』でポーションを作っていく。ポーション作りは基本的には、セントアリアに行くときの船の上で勉強したが、いろいろな薬草でそれが作れるのだという。
当然、僕の知っている『穂富草』で最初は試したが、この授業をきっかけに、どんどん、できるようになればいいなと思っている。
風ノ里の薬草はこの『穂富草』を最後まで細かく刻んで、粉上にしていたが、ポーションは液体状で出すのが基本なので、セントアリア王国では、細かく刻み、水分を出していく。
水分を出し切ったところで、仕上げ。少しかじって、苦手ではあるが、錬金魔法の分解で、水分を無駄なく出していく。
あとは、魔力を注いでいき、きれいな水と混ぜていく。
「よし、いいぞ、翔太朗君。」
先生が声をかけてくれる。
「はい。ありがとうございます。」
「『穂富草』から作るポーションは、いかに細長い葉を細かく刻んで水分を出すかがポイントだ。かなり細かくしたな。」
「はい。仕上げに錬金術の分解を実施して、水分と葉の部分を分けたのも質がいい要因の一つだと思います。」
僕は、自信をもって答えた。
「うん。上出来だ。ただ、錬金術は苦手のようなので、もう少し、水分の量を出せたらよかったな。そこは、ここからの課題として、せっかくなので、隣で作っている、リリアンのポーションの作り方も見ておくといいよ。」
なるほど、リリアンのポーションの作り方。
彼女は、花びらを一枚一枚、取って、それをつぶして蜜を取り出している。
この花の蜜が原料なのだそうで、そこからポーションを作っていた。
「この花の蜜が、魔力の回復効果があるの、当然、体力も回復するんだけど。」
なるほど、ここから、きれいな水と併せて、ポーションを作っていくのか。
リリアンのポーションはものすごく質が良かった。
「すごいね。リリアンは。」
僕は、素直に感想を言ったが、
「翔太朗君もなかなか良かったよ。穂富草からかなり質のいいものが出来上がっていたしね。」
ということを言ってくれたので、内心ホッとした。
今日の魔法薬の授業はここで終了した。
「みんなとても良かったぞ。よくできていたので、授業の評価方法を見直して、評価を上げておくからね。」
ピエール先生の言葉で今日の授業は終わった。
僕も、リリアンと別れて、次の授業へと向かった。
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