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#49.最初の講義と演習


 ミランダの誕生日会から一夜明け、月曜日。

 今日から魔道学院の講義の開始の日だ。


 学級単位の授業は、実技関連の演習と必修科目の一部のみであり。1年次は、演習は毎週金曜日、クラスごとに行われる各必修科目は毎週月曜日と決まっている。

 それ以外の時間は、他の学級の人達や違う学年の人達と、大教室などで講義だ。つまり、火曜から木曜までの講義は選択科目が多く、同じ学級のメンバーでも履修している科目がかなり違ってくる。そういう仕組みらしい。

 今日は月曜日なので、学級ごとの必修科目の時間。学級の教室へ向かう。

 

 僕とミランダが入っていくと。

 「お誕生日おめでとうミランダ。昨日翔太朗君がうちの店に来てさ。いろいろあって。ほい、コレ母ちゃんが選んだもんだけど。」

 アンソニーがプレゼントを渡すと、それを皮切りに、お誕生日おめでとうと仲間たちからコールされる。

 

 「ありがとうございます。みんな。」

 ミランダは照れたように笑う。


 まず最初の授業は、ホームルームを兼ねた、魔術の『基礎入門』の講義ということで、担任のピエール=ファイザー先生が担当だ。


 「さて、入学式にでも伝えたが、演習が行われる金曜日までの課題、覚えているかな。級長は誰にするか、この時点で決まっているなら教えてくれ。」


 「「「はい、翔太朗君に決まりました。」」」

 クラスのみんなが言ったので、僕は。


 「はい。僕がやることに決まりました。」

 

 「うん。翔太朗君だね。よろしくね。」

 ピエール先生は笑顔で言った。

 

 「では、一つ目の課題に関してはクリアということで、金曜の演習を楽しみにしていてくれ。」

 ピエール先生はみんなを感心したような目で見つめていた。

 課題を、期限を守って、余裕を持って取り組めたことに満足しているのだろう。


 「うん。ちゃんと期日を守って、余裕をもって、早めに決めてくれたようだね。感心、感心。」

 案の定、次のセリフにこの言葉が返ってきた。


 「さて、今日はこの講義の概要を説明した後、週の初め、しかも最初の授業ということなので、これからの課題を把握したいから、一人、一人と面談させてくださいな。こうやって、一人一人の目標の確認を面談しながら確認していくのも、この基礎入門の講義の役割なので。」

 ピエール先生は基礎入門講義のオリエンテーションを実施した後、面談の時間を取った。

 

 「じゃ、級長の翔太朗君から行こうかな。ほかの人達はうるさくならないように、自習と、教科書読むなりして、予習を行うこと。じゃ、翔太朗君。隣の教室が空いているから、隣の教室に行こうか。」

 

 ピエール先生に促されて、隣の教室に行った。


 「そこに座って。」

 ピエール先生に促されて座った。


 「さて、翔太朗君の件については、理事長から色々聞かせてもらっている。僕の方でも鑑定の魔術で確認したが、すごい魔力の量だ。そして、『鷲眼の術(イーグル=アイ)』の会得。級長になるには持って来いだ。」

 「はい。ありがとうございます。少し級長をやれるか不安なんですが。」

 

 「心配しないでくれ、実は私も、君の境遇については全て知っている。理事長から話はすべて聞いた。いろいろ大変だったんだな。」

 少し安心する。ピエール先生にポールさんは話してくれたのだと。

 

 「はい。知っていてくれて、少し安心しました。」

 「うん。そうだろうな。とりあえず。得意な風魔法と、回復魔法、薬の調合、これらの3つを極めていければ対応できるし、この魔道学院を留年しないで卒業もできる。

みんな初めて学ぶことだからね。

特に回復魔法や、薬の調合とかの講義担当は私だ。何かあったらすぐ質問できるし、フォローもするさ。

あとは、少し心配であれば、この国の仕組みを理解するのに、地理とか、歴史とか、この国の文献研究の講義を選択科目で履修していけばいいよ。もちろん、必修科目に含まれているのもありますが。とりあえずは、明日以降の選択科目の履修の組方も見させてもらったいい感じのバランスだ。大丈夫。わからないことがあれば、理事長でも僕でも、学級のメンバーでも相談してくれよ。」


 「ありがとうございます。安心しました。」

 「そういってもらって何よりだよ。それじゃ、翔太朗君の面談はここまでだな。じゃ、次はルーベルトと面談をするので、教室に戻って呼んできてね。」


 僕は、教室に戻って、ルーベルトを呼んだ。

 ルーベルトは、教室を出て隣の教室に向かう。


 「大丈夫でしたか、翔太朗様。」

 ミランダが訪ねてくる。

 

 「うん。大丈夫、少し安心した。」

 「よかったですわ。」

 

 やがてクラス全員との面談が終わり、最初の講義は終了した。

 

 次の講義の時間からは、担任のピエール先生ではなく、別の教科担当の先生が僕たちの教室に来て授業をして行った。

 

 算術や理学。現代文の文献や語学など。確かに僕が今まで忍者学校で学んでいたこととほぼ変わらず、その延長線にあるものを歩んでいけばいいだけのことだとわかったので、少し安心した。


 社会科関連の政治や歴史の授業は少しわからない部分、一から覚えないといけない部分が多かったが、それでもついて行けそうだったし、必要があれば選択科目を履修してわからない部分は対応できそうだ。


 今日の授業がすべて終了し、学級のメンバーと別れる。次に全員と会うのは金曜日。

 なんだが名残惜しいかもしれないが、一週間はあっという間だ。

 

 火曜日、水曜日、木曜日はほかの学級や学年のメンバーとともに各々が選択した講義を受けた。

 風魔法の授業は、初めて論理的に勉強できそうと感じた。

 魔法薬や回復呪文関連の授業も、ピエール先生が特に気にかけてくれていた。そして、その授業はリリアンも一緒だった。

 このような選択科目の講義は自由席が基本なので、迷わず、僕とリリアンは隣の席に座った。

 ほかのメンバーも隣の席は同じ学級の人達で固めているようだった。

 「ふふ、やっぱり隣に座ったね。翔太朗君。」

 「そうだね。リリアンしか知らない人はいないから。」

 そんな会話をしていた。そして、ピエール先生も担任している僕とリリアンが気になるのだろう。

 僕とリリアンの表情を見ながら授業をしているようだった。


 

 それ以外の科目も、学級のメンバーは全員揃わなくても、ほとんどの科目で、誰か一人はいたので、安心した。

 

 

 

 金曜日。初めての演習の日。

 いくつかの学級が学院の校庭に集合している。

 その一角に僕たちの班もいる。


 「とりあえず、みんなの現状を見せてもらおう。」

 ピエール先生の合図で、現状使える魔法を披露しつつ、模擬戦を行った。

 

 模擬戦の結果は、先日とほぼ変わらず、僕とマリアが魔力が高いこともあって、魔力という面に関しては僕とマリアがトップだった。

 「うん、二人はかなり大きな魔力を秘めているな。」

 

 体力や力はアンソニー。剣術などの武術はルカ。ミランダも、遠距離魔法や、氷の剣の造形の魔法で、バランスよく戦った。ルーベルトも同じく、師団長の家柄でバランスよく戦った。

 

 「みんな、それぞれ、得意不得意のバランスがいいので、いいチームワークができそうだな。」

 ピエール先生の評価に、学級のメンバーは嬉しそうだ。


 「もしかしたら、狙えるかもしれないので、次の課題はレベルの高いもの言わせてもらおう。」

 ものすごく期待している。


 「次の課題というか目標は、いきなりで申し訳ないが、学校対抗、魔法武術大会の校内予選に参加してもらう。もしかするとこの学級のメンバーで優勝が狙える、そんな期待を僕はしているので、これを次の課題とする。もちろん、校内予選で負けても構わない。あと3年ある。1年次のこの時期で学校の代表になれるということは前代未聞だからな。しかし、目標の順位を設定するから、各自その目標に向かって、頑張ってくれ。目標は校内でベスト8だ。よろしくな。」

 

 みんなの目が燃えている表情だ。

 「すごい、すごいよ。みんな、頑張ろう。」

 ルーベルトが一段と燃えている。

 「はい。頑張りましょう。」

 ミランダもその次くらいに熱意があるようだ。


 ほかのみんなも、目の色をキラキラ輝かせている。

 何が何だかわからない。

 その何が何だかわからない表情をマリアもしていた。


 「ああ、ごめんなさい。翔太朗様とマリアは。孤児だったので、初めてでしたわね。毎年、11月の収穫感謝祭の時に王都の大競技場で実施している、セントアリアでは伝統の大会なのですわ。」

 ミランダが、概要を説明した。

 「毎年、セントアリア王国のすべての魔道学院や士官学校、その他いろいろな学校が集まって、学校対抗で、戦闘を披露する大会なのだよ。毎年10月に各学校ごとに予選会を兼ねた体育祭が行われるのだが。この魔道学院、いや、セントアリアの多くの学校で、1年次は入学したばかりなので、学級の担任が推薦しないと、その体育祭に参加できないんだよ。逆に、2年次、3年次は必須で出られるのだけど。」


 ルーベルトがさらに説明したので、やっとみんなの目がキラキラ輝いている意味が分かった。

 

 「やっと翔太朗君も判ったようだね。つまり僕たちは力があると認めてくれたんだよ!!」

 「やったー!!一年次から大会に出られるなんて。夢のようだぜ。俺ずっと憧れてた。」

 「僕もだよ。腕がなる。もちろん予選会も突破しなくてはならないが、今から特訓しよう。」


 「そうですわね。みんなで特訓しましょう。」

 僕たちは、魔法武術大会に向けて特訓することになった。



 かなりいいメンバーに恵まれたなと感じる。

 と、同時にうまくリーダーシップが発揮できるか心配だった。


 だが、みんなが支えてくれる。安心だ。

 

 僕らは演習を終え、それぞれの帰路に就いた。魔法武術大会に向けて頑張ろう。


今回もご覧いただきありがとうございました。

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