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#39.クラスメイトの自己紹介


 セディア魔道学院、1年5組。僕は王都にある、セディア魔道学院に入学し、1年5組になった。

 早速、理事長のポールさんの計らいで、‘意図的に’同じ学級になった、ミランダとともに、1年5組の教室に入り、席に座る。


 どうやら、教室に入ったのは、僕とミランダが一番最初のようだ。

 

 席について、待っていると、背の高いのっぽで、すらっとした体系の男子が教室に入ってきた。

 「おお、ミランダ君じゃないか。同じ学級とは、光栄だね。」

 

 「あら、ルーベルトではありませんか。」

 ミランダの口調が少し激しくなる。

 

 「また一緒に頼むよ。同じ‘貴族’として、君の良きライバルとして、語り合っていたいからな。」

 なるほど、この男は、貴族のナルシストだ。

 その背の高い、貴族のナルシストは、僕の方を見た。

 

 「して、一緒にいる平民のような顔をしている、その方は一体・・・・。」

 「あ、初めまして、翔太朗=吉田です。この夏から、モナリオ家に養子として一緒にいます。」


 「うむ。翔太朗殿か、妙な名をしているが、優秀な僕の足手まといにならないようにしてくれたまえよ。特に入学試験で、そなたは見ていない。うーむ、裏口入学じゃないだろうな。」

 僕は、ぞっとした。まずい。まさにその裏口入学だ。


 「何を言ってるの、ルーベルト、失礼ではありません事。それに翔太朗様は、お爺様の推薦でここにいるのです。いい加減になさって。」

 ミランダが怒り出す。

 

 「はは、やはり君のお爺様、偉い理事長の推薦か。こまるなぁ、優秀な僕と一緒なのがとんでもない、裏口入学の劣等生ということになるとは。まあ、足手まといにならなければそれでいいのだよ。立場をわきまえてくれればね。あーはっ、はっ、はっー。」

 背の高いナルシスト男はそう言って、ミランダのもとを去っていき、同じ教室の席に座った。


 「ごめんなさい、翔太朗様。彼は、ルーベルトといって、私と同じ侯爵家の貴族のです。しかも、彼のお父様は、王宮魔道師兵の第一部隊の師団長。私のお父様は第二部隊の師団長ということで、お父様と同規模の舞台を率いていますの。幼いころからライバル視されていて・・・・・・。」

 なるほど、そういうことか。

 家柄の、時に貴族の家柄の派閥争いというのも、セントアリア王国でもあるのだな。

 那ノ国でも、吉田一族とほかの里の名門一族で宰相なんかを決めるとき、派閥による会合があったよな。


 この会話をしている間に、同じクラスの他の生徒も集まった。

 僕とミランダ入れて、全部で7人。

 

 男子が4人、女子が3人の組み合わせだな。


 

 教室に、先生らしき人物が入ってきた。

 「みんな、入学おめでとう。私は、3年間、この学級の担任をすることになりました。ピエール=ファイザーだ。僕の担当は、講義は『薬草魔法理論』、『魔法薬学』などの回復系魔法の講義を担当している。そして、もう一つの担当、それはこの魔道学院のメインイベントとなる、この学級の実践演習だ。」

 

 眼鏡をかけた、若い男性、彼がこの1年5組を担当することになった。


 「早速だが、この魔道学院のルールを説明する。

  まず、今まで通っていた学校とは違い、この魔道学院は少人数制の学級を採用している。一学級、7、8人の構成だ。

  そして、とりわけクラスの半分以上が退学したなどの大きな欠員が出ない限り、1年ごとのクラス替えもない。3年間、ここにいる7人、この学級で学んでもらう。そして、学年が上がるにつれて、2年5組、3年5組と上がっていく。

  そして、みんなの在籍している5組という名前には別名があり。その名前は『第5班』だ。

  そう、つまり、実践演習では実際に君たち7人と僕、そして、補助でもう一人、非常勤の客員講師として、実際に現場で活躍している兵士や冒険者を経験している人に入ってもらい、合計9人のパーティーで3年間、様々な課題に取り組んでもらう。


 つまり、実践演習の評価も、全員同じ評価がつくと思っておいてくれ。


 だからこの魔道学院は少人数制を採用しており、この学校の自慢、生徒たちの仲がいい点もここが由来なのだ。事実、休みの日はみんなで、ギルドの仕事をしたり、卒業後は頻繁に連絡を取り合っている、卒業生や生徒が多いのも魅力だ。我々教師としても教え子の手伝いもしたりしてとても嬉しかったりする。

  

 さあ、君たちもぜひ楽しんでほしい。」


 なるほど。素晴らしい。確かに、少人数での集団生活は実践においても役に立つ。

 卒業しても、兵士になったり、商人になったりしても誰かと一緒に働かなければならない。

 協力して、魔物を倒す課題もあるのならばなおさらだ。


 「では、まず、3年間、行動を共にするので、みんなの自己紹介から始めよう。と、その前に、実践演習で行動を共にしてくれる、現役の兵士や冒険者から招いた、客員講師を紹介する。入ってきていただけますかな。」


 入ってきた人物は、僕のよく知っている人物だった。

 

 「1年5組、『第5班』の演習を担当することになった、カミラ=ホッス―だ。よろしく頼む。」


 カミラさんは、僕と、ミランダの方に視線を向けた。うん、とうなずいている。

 ここまでくると、さすがは侯爵家だ。と感心する。

 

 「じゃ、みんなの自己紹介と行こうかな。」


 まずは、廊下側の前の方に座っている、大柄で体格のいい男子。鎧を着ており、まさに重騎士、重装魔導士志望という感じだ。

 「アンソニー=バローズ。土魔法が得意で、筋肉トレーニングが大好だ。よろしくお願いします。」

 いざ前に出てきて、自己紹介すると、その体の大きさは一目瞭然。ほかのクラスメイトよりも倍近くありそうだ。


 次は、先ほどミランダと話していた、ルーベルトという貴族のナルシシストの番だ。

 「僕は、ルーベルト=フォン=クロイツェル。一通りの下位魔法と、勉強が得意だ。一応、実家は貴族で、代々師団長をしている。僕も将来、城で活躍して、王の盾と言われるような、師団長になりたいと思っている。」


 続いては、あっ、僕の番だ。

 「初めまして、翔太朗=吉田です。孤児だったのですが、この夏から、モナリオ家の養子になりました。風魔法と回復魔法が得意で好きです。よろしくお願いします。」

 ミランダとカミラさんがうん、うん、とうなずいている。


 次は、僕の一つ後ろの席に座っていた女の子だ。

 ゆるふわな髪の毛を肩まで下ろしている。

背はどうやらクラスメイトの中で一番低いようだ。少なくとも僕よりは身長は低い。




 「マリアです。苗字は、一応。マリア=ブルー=ドラゴンです。私も、翔太朗さんとおんなじ孤児だったのですが、いろいろありまして、今は王都の庶民街のアパートで独り暮らししてます。」

 

 マリアという子はそそくさと自己紹介を終えたが、僕とミランダは顔を見合わせた。

 「あの子、只者ではないですわ、翔太朗様もお気づきになりまして。」

 ああ、確かに、並々ならぬ魔力量を感じる。僕と同じくらいだろうか。それ以上だろうか。

 確かに苗字もブルー=ドラゴンと名乗っている。

 ドラゴンの少女なのか?

 いや、そうではなさそうだ。シロンとユキナが人間に変化しているときの、同じような雰囲気は感じられないから、確かにドラゴンではなく人間だろう。

 ある意味で、一番謎が多い人物かもしれない。


 次は、ミランダの番。

 「ミランダ=モナリオです。侯爵家の娘として、皆様のお役に立てるよう一生懸命修業します。現に修業しています。」


 そして、窓際に座っている二人が自己紹介をする。

 まず最初の一人、男の子だと思ったら・・・・。

 「ルカ=ウィンターです。男の人に見えるかもしれませんが、実は女性です。一人称も僕って言ってますが・・・・。僕は、7人兄弟の末っ子で、僕一人だけが女なのです。兄さんたちの影響で騎士にあこがれ、剣と槍と馬術を扱ううちにこのような身なりになりました。今でも、私の尊敬する人は兄さんたちであり、王国の騎士になりたいと思っています。」

 

 女の子だった。確かに、声が高いし、僕と同じような年にもかかわらず、変声期も迎えていない。

 なるほど、つまりクラスの編成は男が3人、女が4人であったわけだ。


 最後は、窓際の一番後ろに座っている子。この子は正真正銘の女の子だ。

 『アリアンローズ』。うん。正真正銘の『アリアンローズ』。薔薇のような美しさ、気品を兼ね備えた。女の子だった。


 「リリアン=ウォッカです。私も王都の庶民街で独り暮らしをしています。回復魔法と錬金術が得意なので、将来ヒーラーか錬金術師に慣れればいいなと思ってます。よろしくお願いします。」


 これで7人、全員の自己紹介が終わった。

 クラスメイト、つまりこの魔道学院の実践演習で、パーティーを組むメンバー。

 僕、ミランダ、ルーベルト、アンソニー、マリア、ルカ、リリアンの7人。

 そして、担当教師のピエール=ファイザー先生。そして、演習をアシスタントしてくれることになった、カミラさんの9人で実践の課題に取り組む。

 少しドキドキ、だけれどとってもワクワク。


 「よし、7人全員の自己紹介を終えたな。」

 ピエール先生は7人全員の目を合わせた。

 「では、みんなに最初の課題を与える。この学級の級長。つまり、この班のリーダーを話し合って、決めてもらいたい。この班の演習の時間は毎週金曜日。今週は色々とオリエンテーション期間なので、来週から通常の講義と演習を開始する。つまり、来週の金曜日までに話し合って決めて、私に報告をすること。週末や空き時間を確認して、みんなと集まるといい。では、入学式初日はこれにておしまい。気を付けて家に帰ってくれ。」


 ピエール先生は僕たちにこのように言い残して、去っていった。


 教室に取り残される、7人。

 

 「これからみんなよろしく頼む。改めて、ルーベルト=フォン=クロイツェルだ。」

 開口一番、第一声を発したのは、やはりこの男だった。

 

 「級長のことに関してなのだが、この僕はどうだろう。優秀である、この僕が、みんなを導けるリーダーになるのだ。僕に力をぜひ・・・・。」

 いきなり開口一番に大きな声で、堂々と話したからなのだろう。クラスのみんなのテンションが下がっていっている。


 「お待ちなさい、ルーベルト、昔から、独断で突っ走るのはよくないですわ。あなたのお父様もそういっているではありませんか。」

 ミランダが口を開く。

 「それにこの学級の雰囲気、あなたが開口一番に口を開くからみんな、シーンとしちゃったではありませんか。これから、3年もあるのです。あなたの、‘貴族’としての悪い意味での態度、例えば先ほど翔太朗様を見下したような態度を、少し改めてもらわなければ、リーダーとして、この学級が、3年間持ちませんわ。」


 「あの・・・・・。私、皆さんと親睦を深めながら、お話したいです。」

 マリアが勇気を出したかのように、言ってみた。

 「同感だ、僕もみんなと親睦を深めた方がいいんじゃない。」

 「私もそう思います。」

 マリアの言葉に、ルカとリリアンが続く。


 「親睦会だぁ。そういえば腹減ったぜ、みんなで飯を食いたいぜ~、みんな。これからよろしくな。」 

 アンソニーが楽しみな雰囲気に持ってきてくれた。


 僕は、感じた、みんなこの学級の級長の資格は合格しているのではと。

 

 「ねえ、翔太朗様はどうします。」

 そんなことをぼーっと考えていた時、ミランダが僕に話しかけてくる。


 「あ、うん。僕も、お互いに交流をまずは深めることが先だと思う。それに・・・・・。」

 「それに・・・・。」

 

 「今の話を聞いていたら、みんなこの学級の級長に向いていそうな気がしてきた。」

 「もう、翔太朗様ったら、口がお上手ですわ。」

 ミランダが笑顔で答えている。


 「仕方ない、みんなの多数決に従おう。だがこの見るからに平民でかつ、単なるラッキーで裏口入学した翔太朗君が級長になるのはもちろん、この学院にいること自体でさえも、いささか、疑問だが・・・・・。」

 ルーベルトはそう言いながらも渋々、従った。


 確かにルーベルトの長所、短所がはっきり見えたが、それでもルーベルトもこのクラスの級長に向いていた。緊張の雰囲気の中、一番最初に口を開き提案したのだ。

 確かに短所も浮き出てきたが、緊張している中、一番最初に発言したのは素直に素晴らしかった。だからこうして、会話が生まれた。


 ミランダも、学級の雰囲気を読み取り、すぐにはっきりと反対や疑問の意見が言えた。

 

 マリアは緊張しながらではあったが、別の解決方法を提案した。

 

 ルカとリリアンは冷静に分析している。さすがルカは騎士の家系に生まれただけのことはある。飴と鞭がはっきりしてそうだし。

 リリアンもスタイルとルックスがいいからだろうか。カリスマ性という意味では貴族のナルシストのルーベルトより、長けていそうな雰囲気だ。

 

 そして、一番和やかにしてくれそうなのは、アンソニーだ。意見が対立したときに、ご飯食べようとか言ってくれる。

  

 いい意味で、それぞれ役割を持っていそうな学級だった。

 とりあえず、今度の週末、つまり魔道学院の授業が休みの時に集まって、話し合うことにして、今日、入学式初日はお開きになった。


今回もご覧いただきありがとうございました。

さらなる学び、修業を求めて、魔道学院にやってきましたね。長く続けたいなと思ったので、ファンタジーの世界ではありますが、この間のもふもふ要素、ラブコメ要素の他にも学園要素も少しずつできればと思っています。

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