#30.シロンとユキナ
二頭のホワイトイーグルから魔法陣が現れた。
僕らは目を疑った。
そ、そんな。
見るとそこには、人間の姿に変身した二頭のホワイトイーグルが現れた。
それを見て僕らはビックリした。
一人は、白髪でボブヘア、元気そうな眼をして、ワンピースを着ている。
もう一人は、ロングヘアで髪の毛を結わえている。そして、同じくおそろいの雰囲気のワンピースを着ている。
お、女の子。だったのか・・・・・・。
「お、女の子だったの?」
「うん。私は、ホワイトイーグルのシロン=イーグル。こっちは双子の妹のユキナ。」
ボブヘアの女の子が、元気そうに自己紹介をした。
「あ、あのぉ・・・・。ユキナ=イーグルです。あのぉ、食べ物をいただき、ありがとうございました。」
ロングヘアで髪の毛を結わえている子は、おとなしそうな目で、こちらに向かって、自己紹介をして。ぺこりと頭を下げた。
二頭のホワイトイーグルが女の子だったということに驚いたが、気を取り直して。
「うん。僕は大丈夫。だけど。また、食べ物を食べにこの村に来たりしない?何度も村に来ると今度こそ討伐されちゃうけど・・・・・。」
ああ。二人は顔を見合わせている。
「お、お姉ちゃん・・・・。やっぱり、飛び回るだけで・・・・、正解だったでしょ。」
「うん。ユキナが正しいわね。私はいつも勝手に食べ物をもらっていこうと思っちゃったし・・・・。」
二人のひそひそと話す声が聞こえる。
「いっそのこと、この人に話を聞いてもらおうよ・・・・。私たちのこと私たちの食べ物が欲しいという気持ちをすぐに分かってくれたかただし・・・・・・。」
「それもそうね。」
二人は頷きあった。
「あの・・・・。えっと・・・・・。」
ユキナは、僕たちに向かって話をしようとしていたが、緊張している。
「ああ、もう、人見知りなんだから・・・・。」
シロンがユキナのたどたどしさを遮るように、シロンから話した。
「私たち、住みかと、食べ物を奪われてしまったの。だから食べ物が欲しくて、本当はすぐにでもこの村の畑から、食べ物をもらおうとしたんだけど。妹が。」
「は、はい・・・。人間に襲われたりされちゃうから、村の食糧を勝手に奪うのはダメって。」
なるほど、それで人を襲わず、何度も何度も、村周辺を飛び回っていたのだ。
「そしたら、今日。あんたから食べ物をもらったから。嬉しかったし。」
シロンは、最後恥ずかしそうになりながらも、食べ物を求めていたことを伝えてくれた。
ちなみに、ユキナは顔を赤くして、ただただうなずいているだけだ。
なるほど、討伐というより、彼女たちに新しい住みかと、食べ物を与えればよいのだ。
そうすれば根本的な、この村の依頼の解決策になる。
「ちなみに、住みかはどこで、奪い返せたりしないの?」
そうすると、二人はものすごい勢いで首を横に振った。
「はあ、無理だし・・・・。」
「あの、とてもじゃないけどそれは難しいです。」
どういうことなのだろうか、詳しく話を聞いた。
「私たちは、この崖の上に住んでいたの。パパ、ママ、そして生まれてくる、私の妹か弟の卵と一緒に。でも、そこに、私たちよりもはるかに強い。多くの種類の『グリフォン』の群れが現れて・・・・・。」
「私たちの住みかを奪われてしまったんです。そして・・・・・。」
「父上と、母上と卵を人質に取られて、グリフォンの群れたちに、食べ物をとってこい。さもなくばお前らのこの卵の命はないといわれて・・・・・。仕方がなかったんだし。」
「なるほど、根本的な解決策は、その巣に行って。その、『グリフォン』の群れを討伐するしかないか・・・・・・。」
一緒に話を聞いていたカミラさんが少し難しい顔をしている。
確かにそうだと僕も思う。グリフォンを討伐しない限り、おそらくシロンとユキナは今度こそ、村から食料を奪ってしまうだろう。
もし、シロンとユキナが食料を奪えなくても、最悪の場合、グリフォンがこの村に来てしまう。そうなればかなりまずい状況になる。
「カミラさん、ミラ様。グリフォンを討伐したいです。」
僕は言ってみた。
「あ。ああ。解決策はそうだけど、ちなみに、シロン、ユキナ、多数の種類のグリフォンの群れと言っていたが何のグリフォンだ?」
「『ブラックグリフォン』、『グリフォンウィザード』、『キンググリフォン』がいたと思う。」
「グリフォンの中でも上位種か・・・・。」
「翔太朗殿、グリフォンを討伐したいといっていたが、これはかなり難しい。これだと冒険者ランクAの依頼になってくる。『グリフォン』たった一体の討伐でも、ランクCからの依頼になってくる。上位種のグリフォンの群れとなると・・・・。それにこれだけ上位種が集まるとなると・・・・。うん、ランクAの依頼だな。下手をすればランクS、いや、やめておこう。とにかく、グリフォンはそれくらい危険なモンスターだ。」
カミラさんの冒険者ランクはA。
冒険者ギルドの規定からすれば、カミラさんがパーティーに居れば、ギリギリ受けられる仕事だ。
だが、ランクの低い、ミランダや僕がついていけるだろうか・・・・。
「カミラさん、私もチャレンジしたいです。事情を知った今、この子たちを討伐するわけにはいきませんし、このままほおっておけば、この子たちはグリフォンたちに殺されて、この村はグリフォンに襲われてしまうかもしれません。グリフォンに襲われればこの村はさらに危険になります。私は守りたいのです、この村の人達を。」
ミランダの勇気ある言葉は僕たちにも印象付けた。勇気をもってミランダが口を開いた。
「ミラ様、よくぞ言った。それでこそ、王国に使える魔導士を主とする、侯爵家の務めだ。ご立派だ。いいだろう。翔太朗殿も、グリフォンの討伐に行きたいようだし、この依頼を続行しよう。ただし、私が無理だと判断した場合は撤退して、ギルドに別の仕事として、依頼する。それでいいな。」
僕と、ミランダはうなずいた。
「あ、ありがとう。」
「あ、あのぉ・・・。ありがとうございます。」
ホワイトイーグルの二人は頭を下げた。
「申し訳ありません。大変かもしれませんが、よろしくお願いいたします。」
村長が僕たちに向かって、頭を下げた。
「と、ところで今、侯爵家とおっしゃいましたが・・・・・・・。」
「はい。私はミランダ=モナリオと申します。カミラは私のメイド兼護衛隊長、翔太朗様はモナリオ家の居候兼、養子です。」
「も、モナリオ家。た、大変申し訳ありません。飛んだご無礼をお許しください。」
村長は、膝をついて、さらに深々と頭を下げる。
シロンと、ユキナも驚いている。
「「こ、侯爵家、ありがとうございます。」」
シロンと、ユキナも村長と同じように、膝をついていた。
「お気になさらないでください。代々冒険者ギルドに登録して、依頼をこなすのが私たちの務めでもありますので。」
ミランダは、村長たちに頭を上げさせた。
「さあ、グリフォンの討伐に行くぞ。シロン、ユキナ、案内してくれ。と、言いたいところだが、日が暮れてきたので、明日にしよう。まずは、二人におなか一杯食べさせてあげよう。」
読んでいただきありがとうございます。冒険はまだまだ続きます。
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